ご感想
熊本県 MさんよりD
・PC-1改について改造を依頼させて頂いた時点でのイメージでは、
全体的に音の濃度が低下して高域寄りのバランスになるだろうと想像していました。
一般的にS/Nの向上と言われている変化そのものですね。
品物が到着した日の音はまさに上記の音でした。

しかし、通電開始から3、4日が経過した辺りから「化け」ました。
空間に漂っていたざわつきが姿を消し、
全帯域の音を濃縮したかのような音の出方になったのです。
それに加えて高域が痛々しい音から柔らかで素直に伸びる音になりました。

ケーブルにシールドを施し、ACプラグを交換しただけなのにも関わらず、
システムの価格を2、30万円上げたかのような向上ぶりには脱帽です。


・20mmのカーボンファイバーインシュレータについて
PC-1改を受け取った直後にお貸しして頂きましたので、
エージングが完了したPC-1改ほどの改善効果は期待出来ないと思い込んでいました。

しかし、CDP-10の脚として使用して本当に驚きました。
PC-1改で得られた音の濃さを更に濃くし、
前後左右、上下方向へ空間の拡がりが感じられ、
一音一音の存在が明確かつ力強くなったのです。

一般に用いられるインシュレータではどこかの帯域に癖が付いているものですが、
このカーボンファイバーを使用したインシュレータは最高ですね。
「音の濃度が濃く、フラットな印象」を感じます。
4個で10万円の価格を提示されてもおかしくない、
いや、10万円クラスで当然だと思わせる内容を持った最高の逸品ではないでしょうか。


・アースリンクの使用箇所の変更について
現在、argon2のRチャンネルから異音が発生しており
原因追及の為にセッティングを色々変更しておりました際、
以前から疑問に感じていたCDP-10からのアースの取り方を検討してみました。
その結果、
CDP-10の電源ケーブルのアースピンと筐体部は導通していると言う事が判明しました。
また、PC-1改本体のコンセント部のアースが筐体のネジ部と導通していたのです。
これは回路のアースが筐体へ落ちているという事になります。

ここで一つの疑問が生じたのです。
PC-1改は普通の電源タップと違って回路を通してノイズを軽減させています。
だったら軽減しきれなかったノイズはどこに流れ込んでいるのか?
答えは簡単でした。
アースを取る事にしているCDP-10の筐体です。
自身のノイズに加え、IA-1やPC-1改のノイズまでもがCDP-10に流れ込んでいたのです。

そこで検討した結果より、
CDP-10に接続している特注のアースケーブルを外し、
PC-1改の電源スイッチ付近のネジ部へ銀メッキのYラグを直接接続してみました。
全ての機器のノイズ成分をPC-1改からアースリンクへ流してやり、
電源のコールドラインへ逃がしてやるように変更したのです。

出て来た音はシステムを再度入れ替えたかのような、全く違うベクトルの音でした。

言葉で詳しく表現するのは難しいので例えで言います。
変更前のシステムがJAZZのみを聴く専用のシステムであったとすると、
変更後のシステムはJAZZやクラシックなどのジャンルを問わずに聴けるシステムなのです。
柔らかな音なのにも関わらず芯を失っていない、
そしてボーカルや楽器の余韻が熱く、自然に空間に溶け込んでゆくのです。

アースリンクの接続箇所を根本的に変更した事、
接続する際にワニ口クリップ(鉄+アルミメッキ?)を使用したなかった事、
CDP-10の緩めていたネジを元通りに締め付けた事、
以上のようないくつもの要因がこの様な結果をもたらしたと考えられます。

説明書に載っていた接続方法だから、何となく接続して良く感じたから、
と言う盲目的な考えで接続を行った私の完全な負けです。

アースの取り方を変えてやるだけで全く違った印象を感じさせるのですから、
アースリンクは素人が扱うにはじゃじゃ馬な製品だと感じています。

特注で製作して頂いたアースケーブルの先端には銀メッキのYラグが装着されています、
これをAmatiSPで使用している銀無垢のYラグへと変更し、
内部や外部からのノイズの影響を皆無とする為にシールドを更に強化して頂ければ
確実にもう数段階のレベルアップが望めると確信しております。


余談になりますがアースリンクを面白い方法で使用していた方がいました。

本来、付属のアース線を接続する為に2箇所の端子が用意されています。
その端子の接続をインレットのアース端子に接続されていたのです。
この方法ですと電源ケーブルのシールドを通してアースを取る事が出来る為、
他のケーブルを必要とせず機器のネジを緩める事をしなくてもアースが取れるのです。
ただし、
電源ケーブル内では磁界の変化が目まぐるしく起こっていると考えられますので、
音質的にはあまりよろしくないのではないかと思います。

熊本県 MさんよりC
AmatiPS Sig. Ref.
○全体の見通しが良くなる
○各々の楽器の音が程よく分離する
×高域がリミッターを掛けたかのように歪む
×低域よりのバランスで、しつこい印象

AmatiPS Sig. Ref. + Amati Analog Ref.
○上記と比べ、
  再生するスピードを落としたかのようなゆったりとした優しい印象
○不必要な音が感じられず、とても柔らかな音色
○高域が無理なく綺麗に伸び、消える
○演奏の山場に来た時にもそれぞれの楽器がきっちりと描き出され、
  ボーカルがどう表現したいのかが伝わってくる

Dolphin PS.2 XP + Amati Analog Ref.
○音量がハッキリと分かる程大きくなった
×楽器やボーカルの音に生気が感じられない
×高域がリミッターを掛けたかのように歪む
×ボーカルが後から取って貼り付けたかのように不自然に歌う

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CDP-10やIA-1にDolphin PS.2 XPを差し替えて試聴してみましたが、
その都度、高域にリミッターが働いているかのような歪みが感じられ、
酷い頭痛に悩まされました。
CCCD等を一般のCDプレイヤーで再生した時のような状態です。

それに比べAmatiPS Sig. Ref.やAmati Analog Ref.は、
それぞれ単体で使用するとシステムのバランスが崩れてしまう為か
ドンシャリ気味になったりしてしまうのですが、
2つを同時に使用すると丁度良いバランスに落ち着き、
長く聴いていて心から「楽しかった!」と言える程です。

EichmannのインタコからAmati Analog Ref.へ変更した時、
バイオリンやチェロなどの弦楽器の音色がずっしりと重みを持ち、
それでいて軽やかなものへと変化をしたのには本当に驚きました。
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以下より全て
「AmatiPS Sig. Ref. + Amati Analog Ref.」を用いております。

Quiet Line MkII
装着した当日はあまり変化を感じられませんでしたが、
翌日になり、流れてくる音が滑らかになっているのが分かりました。
低・中・高域の感触が柔らかくなり、
ピアノ曲でペダルを多用しているものや柔らかな女性ボーカルが
しっとりと、そして艶やかに感じられました。

Topper
argon2の天板(ツイーターの真上)に設置した際は
どこか刺々しかった高域の暴れが姿を消し、
中・高域がバランス良く交わりあったような音へと変化し、
CDP-10のCDトレイ上部の天板に設置すると、
演奏全体に解像度が大幅にアップしました。

SCB-2SZ + CarbonBase + SPP-1 + CPP-2SZ/HG + Topper
システムを再度、全て入れ替えたかと思う程の大きな変化が感じられ、
上下左右への音の拡がりやしなやかさ、力強さ等が比較にならない程向上しました。

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「AmatiPS Sig. Ref. + Amati Analog Ref.」に
上記のアクセサリーを全て加えた時の音が今回の試聴で最も良く感じました。

太く力強い低域、粘り気が強いが後味のサッパリとした中・高域、
どのジャンルのソフトでも見事なまでに鳴らしてくれました。
製品名にRef.と名付けている理由が分かる気がします。

Topperも見た目は小型で貧弱なイメージがありますが、
実際には大きな効果を秘めた隠れ良品ですね。
現在REQSTで『RS-SQUARE』と言うスタビライザーが販売されていますが、
恐らくこれはTopperと目指すべき目標は同じなのでしょう。
両者の違い、それは形状を除くと素材にありますね。
RS-SQUAREは焼き物、Topperは合金。
それぞれ作用する帯域が違うはずですので、
今後両者で比較をしてみようと思っております。
(最も振動の大きいスピーカーの天板が最大の効果を発揮するポイントだそうです。)

単体での感想に載せていませんがPC-1も素晴らしいです。
マンション住まいなので他の部屋からのノイズが多く含まれ
安定した電力供給が出来ない我が家ですが、
可能な限りノイズを抑え、あるべき姿に音を修正してくれるので、
私と同じような環境でオーディオをやっていらっしゃる方にはお薦めだと思います。

アースリンクの電源ケーブル交換についてですが、
AmatiPS Sig. Ref.、Dolphin PS.2 XP共に好ましい結果にはなりませんでした。
CCCDのソフトを聴いている時のような高域の圧迫感が強く感じられ、
10分と聴いていられない音でした。
取扱説明書には電源ケーブルは交換するなと書かれています。
強引に漏電状態を作り出す装置なのでリスナーの安全確保の為に
この様な事を書いているだけなのかもしれませんが、
もしかすると最もバランスが取れている電源ケーブルを
本社の方で選択しているのかもしれません。
ケーブルのエージング不足、
又はケーブルのグレードの混在によるバランスの崩壊、色々な原因が考えられます。
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お貸し出しして頂いた商品を返送する期日が迫り、
電源ケーブルやインタコを元の状態に戻して聴いてみると、
最初のうちはショックを受けておりましたが、
2、3日聴いておりますとそう悪い音ではないと言う事に気が付きました。

抜けや伸び、拡がりなどは明らかに悪くなっています。
しかし、「安心して長い間音楽が聴ける音」である事には違いありません。
むしろ、ありのままを全て描き出す鳴り方ではなく、
少し霧がかり、その部分を私に「こうであって欲しい!」と思わせる鳴り方ですので、
こちらの方が想像する楽しみが沸いて非常に好感触です。

これはSCB-2SZやTopper、カーボン製品のおかげだと思われます。

最後に今回の試聴を通して感じた事ですが、
御社製品はそれぞれ改善の効果があまりにも大きい為か、
どこか一箇所だけを交換すると他所とのバランスが保てなくなってしまい、
結果として全体のバランスが危うくなってしまうと感じられます。

例えばCDP-10にAmatiPS Sig. Ref.のみを用いたとします。
するとCDP-10自体は供給する電流の質が変化する為か情報量が多くなります。
ですがその情報をIA-1へと伝達する為のインタコが情報量の多さについて来られず、
結果として高域にリミッターが働いているかのような音になってしまうと考えられます。

そこでインタコをAmati Analog Ref.へと交換すると
グレードの統一によって伝達可能な情報量がほぼ同じになる事により、
ストレスなく情報がIA-1へと伝わっていくと推測しております。

お貸し頂いたケーブルはAmatiグレードの中でも最上級の品だと思われます。
これらの製品は私のような初心者が気軽に導入出来るような代物ではない、
そう感じております。
価格の事を除いたとしても改善効果のあまりの大きさに、
私自身が振り回されっぱなしなのです。

購入させて頂くとするなら、
改善の効果は小さくなってしまいますが
Amatiの基本グレードの製品を選択させて頂きます。
どこか一部分を大きく改善させるのではなく、
全体のグレードを徐々に改善させていく方が私自身が振り回されることなく、
機器と対等に付き合っていく事が出来ると考えているからなのです。

私のシステムの弱点を予想し、
製品を製作・お貸し出しをして頂いた事に深く感謝致します。
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熊本県 MさんよりB
・壁 → カーボンプレート → SPP-1(上1ヶ所のみ固定)

・壁 → カーボンプレート → SPP-1(上下2ヶ所固定)


上記のセッティングを比較してただ一つ言える事、
それは明らかにSPP-1を上下2ヶ所で固定した方が良いという事である。

低・中域の量感が大幅に増し、
リミッターが外れたかの様に空間が開け、音が溢れ出してくる。

ボリュームに触れていないのにも関わらず、音量がグッと大きくなった。

ただ、
高域に暴れが生じている為、演奏全体が投げやりになったように感じる。

理想としては、
低・中域の量感や空間の広さはそのままに、高域の暴れが解消してくれれば良い。
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・壁 → カーボンプレート → SPP-1(上下2ヶ所固定)

・壁 → カーボンプレート → SPP-1(上下2ヶ所固定)→ CPP-2SZ/HG


この試聴比較では、
圧倒的にCPP-2SZ/HGを取り付けた状態の方が良かった。

上記で生じていた高域の暴れが姿を消し、
全体的に穏やかで温かな音色へと変化した。

音量はいつも聴いていた状態に落ち着いた。
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・アースリンクを用いたアースポイントを変化させての試聴
(特注ケーブルが取り付け不可だった為、付属のワニ口クリップを使用)

@:CDP-10(単独使用で最も電位差が低い)
A:LittlePlanet2(本体、2番目に電位差が高い)
B:LittlePlanet2(電源部、最も電位差が高い)
C:アースリンク未使用(全ての機器が同一の電位差)


@の印象
○S/N、D・Fレンジの全てが大幅に向上し、音のメリハリが強くなる

○楽器一つ一つの演奏状態が手に取るように分かる

×アースリンクの効果が大きすぎるのか、
 高域に癖があり、ノイズフィルターを噛ませたかの様に間接音や余韻が欠落している

×間接音が耳に届かない為、
 どのジャンルのソフトを聴いても演奏そのものが調和を失っている

×パッと聴いた瞬間には良い音かと思わせるのだが、
 5分くらい試聴を続けると耳に違和感を覚え、聴き疲れを起こしてしまう


Aの印象
○@から高域の癖を減少させ、
 間接音や余韻をほんの少し元に戻したかの様な印象

○演奏全体の調和が@と比べ、良い

×空間の広さが狭くなり、
 ボーカルや楽器の存在が小さくなってしまい、不自然

×全体の調和が多少回復しているが、
 まだ違和感を感じさせ、じっくりと聴いていたいとは思わない

×@程ではないが、10分を超えた辺りから聴き疲れを起こしてしまう


Bの印象
○アースリンクを用いた試聴の中で最もバランスの良い音

○高域の暴れが大幅に減少し、全体的に柔らかな音へと変化

○定位が程よく安定している

△空間の広さは多少狭めな印象

×アースリンクを使用して最も良いバランスのアースポイントではあるが、
 20分を超えた辺りから聴き疲れを起こしてしまう


Cの印象
アースリンクを用いた三通りの状態と比較すると、
磨りガラス越しに演奏を聴いているかの様な印象

しかし、
無理矢理に空間の静けさを求め、揺るぎのない定位を求めた音とは違い、
ボーカルと奏者、演奏全体の調和がバランスよく取れている為、
じっくりと腰を落ち着けて聴き込む事が出来る。

磨りガラス越しの印象と書いたが、
演奏に力を抜いて集中する事が出来、
楽器一つ一つを聴くのではなく、演奏全体を見渡すかの様に聴けるので、
全く問題にならない。

1時間程アースリンク未使用で聴いていたが、
聴き疲れを起こさず、素直に耳に届いてくれる優しい音である事は間違いない。

オーディオの音に慣れ親しんでいる人にとってはハッキリしない音と感じるであろう。
しかし、
オーディオの音に比較的免疫を持っていない女性や子供に音を聴かせた時、
間違いなくアースリンクを使用していない状態の方が良いと言うと私は考えている。

今回の試聴では特注のケーブルを使用する事が出来なかった為、
アースリンクの実力が出し切れていないと思われる。

特注のケーブルが使用出来たならば、
今回の試聴とは全く違った結果にもなるのではないかと予想出来る。

ちなみにアースリンクの効果がハッキリと感じられる場所は、
最も電位差の低いCDプレイヤーである。

熊本県 MさんよりA
T:壁 → CB-1 → SPP-1 → CPP-2SZ/HG(初期組み合わせ)


U:壁 → CB-1 → カーボンプレート → SPP-1 → CPP-2SZ/HG

○全体の解像度が曇り一つ無いような程大幅に向上

○各々の楽器やパートの音色が分離して耳に届く

○微細音やホールの響き、余韻が掻き消されずに耳に届く

○ボーカルの位置は少々後ろに下がるが奥行きが感じられるようになる

○ボーカルの口は原寸大に近くなり、定位は完全に中央に定位する

×各々の楽器の音が分離しすぎて耳に届く為、
 オーケストラを聴くと音の調和が崩れてしまう。

×解像度などが大幅に向上するのは良い事なのだが、
 定位が締まりすぎるのか高域に癖があるのか、
 かなりきつい聴き疲れ(圧迫感)を感じる。

×演奏を止めると圧迫感から解放され、楽になる。

×CPP-2SZ/HGの取り付け具合がSPP-1に直接取り付けた時よりも悪くなり、
 しっかりとした固定感が得られず、ぐらついてしまう。

(試聴直後の感想)↓
この組み合わせで聴くとするならば、
音をハッキリと前面に押し出す必要があるジャンルが好ましいと思われる。
例えば、ソロで楽器を演奏するソフトやジャズ、ポップ等がそうである。


V:壁 → カーボンプレート → SPP-1 → CPP-2SZ/HG

○初期組み合わせの雰囲気を崩していない

○初期組み合わせから余計なざわつきを拭い去った印象

○低域がむやみに張り出さず全帯域のバランスが取れているようで、
 CDM9NTがシングルユニットのように感じてしまう

○音色が温かい(優しい)ので聴き疲れを起こさない

○各々の楽器が完全に分離して耳に届くのではなく、
 調和が取れ、違和感なく耳に届いてくれる

○オーケストラ等では楽器一つ一つの音を聞き取っていくのではなく、
 演奏全体を楽しむのだと感じさせてくれる

○UのCPP-2SZ/HGの取り付け具合に比べると遙かに固定感がよい

△人によっては全体が丸くなり音が悪くなったと感じる可能性がある

△交換直後は低音が皆無に等しい

×定位感を求めている人には向かない

×SPP-1を2ヶ所のネジで固定する事になるのだが、
 SPP-1の下側のネジ穴のバネのような物が邪魔をする為、
 曲げるか取り外さなければ2ヶ所で固定する事は不能


W:UとVを試聴し終えての感想
まず最初に言えるのは、
カーボンプレートの導入でここまで大きな変化が生じるとは
思いもしなかったという事である。

UとVでは全く違う鳴り方をするのである。
これは変化を感じない人がいない程の変化なのである。

例えて言うなら、
Uはポスターカラーの冷たい色を多用したマークコスタビの様な絵で、
Vはパステルを用いた色彩豊かで温かなイラストの様である。

Uの試聴直後の感想では一応はお薦め出来ると書いた。
しかし、Vを試聴してしまった後ではお薦め出来ない物になってしまった。

その理由はただ一つ、
演奏全体のバランスを崩しているのではなく、
破壊してしまっているからなのである。

バランスを崩してしまったのならば、どこかで調整してやれば良い。
しかし、破壊してしまってはもうどうにもならないのである。

オーケストラを例に挙げるとすると、
指揮者は楽器の音を全体に溶け込ませようと心を込めて指揮をしている。
しかし、オーディオの世界では各々の楽器の音を分離させようとする。
この時点で指揮者の意図は完全に無視されてしまっていると言える。

このカーボンプレートは組み合わせによっては上記のように、
指揮者の意図を完全に無視した音へと変化させてしまう。

どの様な組み合わせであれば自身が満足出来るのか、
どの様な組み合わせであればオーディオ的な鳴り方をしないのか、
両者のバランスが非常に重要になるアクセサリーではないかと私は思う。

試聴を行った私のシステムの場合では、
Vの組み合わせがベストではないかと考えている。

熊本県 Mさんより@
@Belden 8460 18GA → AmatiSP SingleWire
 このケーブルに交換して最初に思う事、
それは「何の特徴もない地味なケーブル」だと言う事である。

 ”音が交換前より悪くなった”、
こう感じた場合は気晴らしに外出等で耳をリフレッシュさせる必要がある。

 交換から約3時間のエージング後、
「何の特徴もない」この表現が本来どういった音に対して使われるべきか考えさせられる。

 低〜高域の刺激音やざわつきが激減し、肩の力を抜いて音楽に浸る事が出来る。

 そして音痩せする事無くS/NやD、Fレンジ等が改善される為、
ソースの雰囲気を壊すことなく目の前にステージが広がり、奏者が浮かび上がってくる。

HPにも書かれている通り、
”音”ではなく”音楽”を聴こうと足を踏み入れた初心者の方には
本当にお薦めできる品だと感じられる。


AAmatiSP SingleWire → AmatiSP BiWire
・エネルギー不足が解消されたかのように音楽全体が前面に張り出してくる。
・ボーカルや楽器の音がかなり分離して聞こえるようになった為、
 スッキリとした音場で定位がハッキリとする。
・ピアノやドラム、ギターの質感が心地良い(分離感の改善による効果?)。
・演奏中の不必要と思われるノイズが減少するので奏者が浮かび上がってくる。
・接続形式の変更により、音量が若干下がった。

・各種ケーブルや機器を買い換えていってもあまり効果が出ない場合、
 SPケーブルのBiWire化を行う価値は大いにあり。


BCPSC-L → AmatiPS Signature
・音量が上がっていた事がまず最初の驚くべき点
・上記Aの変更から更に全体を数段グレードアップしたかのような印象。
・ドラムやチェロ、ベース等の低域に大幅な締まりを感じさせる為、
 高品質のサブウーファーをしっかりとセッティングしてやったかのような印象。
・パイプオルガン演奏のソースでは左右や奥行き、天井方向へ音が無理なく広がる為、
 音が痩せる事無くワイドレンジになった事がハッキリと分かる。
・楽器やボーカルの余韻が長く感じる事が出来るようになった為、
 CDトラックが変わる瞬間まで演奏が続いて居るんだと改めて感じる事が出来る。
・高域にあった刺激音が姿を消した為、耳に違和感を感じる事が無くなった。

×ケーブル自体がかなり重く少々堅めな為、
 セッティングには場所と接続する機器の重さが問題となる。

・一番聴きたいフレーズが耳に届かない、全体的にエネルギー不足・・・
こういった場合にはこのケーブルが一番効果的だと思われる。
・低域の遅れが気になって仕方がない場合にも効果は大いに有りと感じた。


CSPP-1 真鍮バックプレート → カーボンバックプレート
 カーボンバックプレートは真鍮バックプレートと比較すると、
なんとも頼りなさげであり、とても軽いので振動を制御できるか不安であった。

交換直後は余り変化がなかったように感じたが、
1日エージングを進めてやると大きな変化が現れた。

中・高域にあった若干の痛々しさがすっかり姿を消し、
音楽全体の重心が下がった為、ゆったりとした雰囲気を感じる事が出来る。
ボーカルの口の大きさも更に理想の大きさに近くなり、
S/NやD、Fレンジも向上するので機器全体をグレードアップしたかのように感じられる。

JAZZを主として聴く方には真鍮バックプレート、
クラシックを主として聴く方にはカーボンバックプレートが合うのではないでしょうか?


D今回の試聴で一番素晴らしかった組み合わせ
アンプ部
 ・AmatiSP SingleWire → AmatiSP BiWire
 ・AIRBOW CPSC-L → AmatiPS Signature
プレイヤー部
 ・アースリンク(特注アース線)
電源部
 ・SPP-1 カーボンバックプレート

以上の組み合わせにして一番驚いた事、
それはどのソフトにおいても一番聴きたい部分がちゃんと耳に届くという事である。

特にシャルロット・チャーチが聴けるようになったのが嬉しかった。

本人はもちろんの事、楽器の音やホールの響きなど・・・
目を閉じて聴くと本当にホールにいるかのような錯覚に陥る。

特にチェロ等の大型楽器の中で
トライアングルの凛とした音が耳に届いた瞬間、寒気がした程である。

機器を買い換えずにここまでポテンシャルを引き出してくれたこれらのアクセサリー、
大量生産からは決して生まれる事のない音だと身をもって感じる事が出来た。

顔を合わせた事が無く信用など皆無の私に、
快くこれらのアクセサリーをお貸し頂き、心から感謝致します。