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世界選手権女子マラソンを斬る!

【世界選手権女子マラソン出馬表(上位陣のみ)】

※勉強不足のため、間違い等あるかもしれませんが大目に見てくださいね。
☆世界選手権女子マラソン(8/12)

世界最高:テグラ・ロルーペ 
2’20”43(99ベルリン)
日本最高:橋尚子様    
2’21”47(98アジア大会)
大会記録:ロサ・モタ    
2’25”17(87ローマ大会)
本紙 BIB 選手名 2000年以降の自己ベスト 直近の成績 寸評
650 リディア・シモン ルーマニア 2’22”54 01・4・22ロンドン
C 2’24”15
00・9・24シドニー五輪
A 2’23”22
00・4・16ロンドン
A 2’24”46
481 渋井陽子 日本 2’23”11 01・5・20エドモントン
途中棄権
01・1・28大阪
@ 2’23”11
58 マーリーン・レンダース ベルギー 2’23”43 01・4・22ロンドン
J 2’28”31
00・9・24シドニー五輪
途中棄権
00・4・9パリ
@ 2’23”43
× 717 スヴェトラーナ・ザハロワ ロシア 2’24”04 01・4・22ロンドン
A 2’24”04
00・12・10ホノルル
A 2’28”51
00・11・5ニューヨーク
K 2’32”35
231 エルフェネッシュ・アレム エチオピア 2’24”29 01・6・3サンディエゴ
E 2’34”26
01・4・22ロンドン
D 2’24”29
01・1・28大阪
途中棄権
483 土佐礼子 日本 2’24”36 01・5・20エドモントン
途中棄権
00・11・19東京
A 2’24”47
00・3・12名古屋
A 2’24”36
647 ヌタ・オラル ルーマニア 2’25”18 01・4・22ロンドン
E 2’25”18
01・3・4ロサンゼルス
A 2’37”22
00・12・2マサトラン
A 2’39”00
472 松尾和美 日本 2’26”01 01・3・11名古屋
@ 2’26”01
00・9・10ベルリン
@ 2’26”15
99・8・29北海道
@ 2’32”14
479 大南敬美 日本 2’26”04 01・5・20エドモントン
@ 2’51”59
01・3・11名古屋
A 2’26”04
00・3・12名古屋
B 2’26”58
343 ソーニャ・クロリク・オベレム ドイツ 2’26”13 01・4・22ハンブルク
@ 2’26”13
01・1・28大阪
C 2’28”50
00・9・24シドニー五輪
24 2’33”45
239 ファツマ・ロバ エチオピア 2’26”27 01・6・3サンディエゴ
A 2’27”22
01・4・16ボストン
D 2’28”08
00・9・24シドニー五輪
H 2’27”38
690 リュボフ・モルグノワ ロシア 2’26”33 01・4・16ボストン
B 2’27”18
00・12・10ホノルル
@ 2’28”33
00・9・24シドニー五輪
23 2’32”35
× 497 フローレンス・バルソシオ ケニア 2’27”00 01・4・8パリ
@ 2’27”53
00・11・5ニューヨーク
D 2’27”00
00・3・26トリノ
@ 2’27”58
473 松岡理恵 日本 2’27”50 01・1・28大阪
B 2’27”50
00・8・27北海道
A 2’35”10
421 ティツィアナ・アラージャ イタリア 2’27”54 01・4・1トリノ
@ 2’27”54
00・11・28フィレンツェ
@ 2’32”18
00・10・8ミラノ
@ 2’33”19
342 メラニエ・クラウス ドイツ 2’27”58 00・9・10ベルリン
D 2’27”58
653 アリナ・テクタ・ゲラシム ルーマニア 2’28”17 01・4・8パリ
B 2’29”16
00・9・24シドニー五輪
29 2’36”16
00・4・9パリ
A 2’28”17
710 イリーナ・ティモフェイエワ ロシア 2’28”50 01・4・16ボストン
E 2’28”50
00・10・22シカゴ
B 2’29”13
00・8・5オムスク
@ 2’34”07
428 オルネラ・フェラーラ イタリア 2’28”58 01・6・3ロックンロール
B 2’29”35
00・11・19東京
P 2’39”38
00・10・15カルピ
A 2’28”58

【リーフの懺悔(笑)】

(2001.8.13)

☆松尾さんが意外に早く遅れてしまったのと、shibuの脚が最後で止まったのは非常に残念でしたが、まあ概ね上位陣については考えていた範囲内の結果になったんじゃないかなあと思います。印的には○−△だからダメダメですけどね…。
【リーフの予想】

(2000.8.12 20:30確定 )

【偽の総評:コエロ回避!しかし、強敵も多いぞダダバエバ】

☆小生が注目していたタジキスタンのダダバエバvsホンジュラスのコエロが繰り広げる逆世界選手権は、コエロの回避により決着戦の実現はなりませんでした。

☆しかし、アテネ、セビリアと2大会連覇中のダダバエバがこのまま3連覇できるかというと苦難の道のりって感じ。

☆グアテマラ3人衆やスワジランドからの刺客など、完走されるとタイトルを奪われかねない面子も参戦してきますので、ダダバエバ危うしってところです。


【本当の総評:「シモンと日本勢3人」で3つのメダル争いか】

☆というところで本題に入りたいと思います(笑)。

☆二転三転したレース展開の予想については、もし予想以上に遅い場合は土佐さんがひっぱり、前半のハーフを1時間13分程度のややスローペースで入るものと決断いたしました。理由はレース展開のところで。

☆すると、うまくリズムに乗った選手の上位進出も考えられるので、、
シモンとshibu&reiko及び松尾さんの4人で3つのメダル争いの基本線に、ザハロワあたりの急襲も警戒する必要が出てきます。

shibuがアップダウンで脚を使わなければ、後半shibuの強烈なスパートが炸裂し、シモンさんすら蹴散らすことは十分可能でしょう。全てはアップダウンで脚をどれだけ消耗させないで乗り切るか、の一点でしょう。

【レース展開を斬る】
☆世界大会ということで、レース展開が今回は重要となると思いますので、まずそちらの方から考察していきます。

☆で、予定される出場者のリストを見ると、誰も積極的に引っ張らないのではないか、という思いから当初は9割方硬直した集団による遅いレース展開が待っていると思っていました。そして記者会見のコメントから、土佐さんが早い目のペースで引っ張るのではないか、という可能性を考慮していました。

☆しかし、最終的には「ZONE」を見たところ、鈴木監督の立場からして、
shibu&reikoをともに活かすには、もう少しスローに落として22kからの下りで脚を使わせない状況を作りあげる必要があるという結論に達しました。けれども、余りに遅いと土佐さんの持ち味が生きてきません(鈴木監督による「土佐は苦しくなっても粘れるので、自分のペースで行ったほうがメダルの可能性がある」とのコメント参照)ざっとみて、2000名古屋の前半ペースがそのボーダーラインでしょう。

☆では、そのようなハーフ1時間13分程度のペースでレースが展開されますと、前半ついていける面子はそこそこいるだろう、というのが正直なところ。日本勢5人にロバ、アレム、シモン、アラル、ゲラシム、ザハロワ、モルグノワ、レンダースといったあたりから
12〜15人程度の集団で大きなアップダウンを迎えるんではないでしょうか。

☆そして大きなアップダウンでまたしてもレンダースが勝負をかけるかもしれませんが、これにうっかり付いていくと後半ぱったりと脚が止まるでしょうから、行きたくてもじっと我慢する必要があるでしょう。
このペースであれば、シモンさんの真骨頂である、力の120%を出させるような展開にはならないはず。後は誰が「よーいどん」と言うか、それだけです。決定力を持っているのは35kあたりから爆発するshibuか、40kから爆発するシモンかというところ。土佐さんと松尾さんは、早めにロングスパートをかけ、shibuとシモンを疲弊させてそのまま体力勝ちする必要があるのではないでしょうか。

☆で、
shibuがシモンさんに勝とうと思えば、シドニーを見習い、40k時点で30秒のアドバンテージを取りたいところ。99・2000大阪、シドニー五輪を見てみますと、シモンさんは40kからの距離だけでターゲットよりも20数秒いいタイムでカバーしてきていますが、逆に40kまでに30秒開ければセーフティーリードと言えなくもありません。shibuは残り5kではなく、35kあたり(残り10kくらいからでもいいかも)から末脚を爆発させるべきでしょう。絶対に勝つ自信があればぎりぎりでダッシュしてもいいのですが…。

優勝タイムはスパートが早めに出れば24分台。牽制が続けば25分台の決着となりそう。全ては序盤の動き次第ですが。出来れば土佐さんないし松尾さんの単騎逃げ→逃げ切りという痛快劇を見てみたいものでありますが。

☆とりあえず順位予想などもしておきましょうか。
優勝 shibu 2時間24分台 (残り10kから爆発)
2位 シモン 24分台 (最後追い上げるが届かず、今回も弱点露呈)
3位 土佐さん 25分台 (和製Jチェプ、渋くメダル確保)
4位 松尾さん 25分台 (一発あるも勝負どころ逃がす)
5位 ザハロワ 26分台 (もつれればさらに上位に)
6位 アレム 27分台 (35kで脚とまる)
7位 ロバ 28分台 (35kで脚とまる)
8位 オベレム 28分台 (渋く粘りこみ)


【有力どころを斬る】

☆上記展開予想をもとに、各選手を見ていくことにします。

☆まずは押しも押される優勝候補、
シモンさんでありますが、トラブルもなく順当に行けば勝つのでしょう。だけどそこは世界大会。シモンさんの戦績を見るに世界ハーフを含めて2着3着のオンパレード、勝ち運にめぐまれていません。展開が遅くなればなるほど足元を掬われる可能性が高まるでしょう。常にコンディショニング等に問題が付きまとうこともあり、ここも何らかの問題によりやはりシモンさんは勝てないのが宿命ととらえ、今回も2着か3着ということで対抗印にとどめる次第です。できればシモンさん情報を入手したかったのですが、所詮素人、かなりの無理難題でありました。

☆で、決め手を持つ、という意味では日本勢で一番期待したい
shibuでありますが、エドモントン入りしてから風邪をひいて点滴をうったりとか、練習予定の狂いとかがあったんじゃあないかとかいろいろ言われて気になることは確か。本人コメントは「大阪よりはなんとなくよくない」ということで、「苦しくなっても粘りまくる。後半が勝負だと思う」と無難なコメントに終始。しかし「勝つことが目標」とあきらめてはいない様子。展開が遅くなって、脚を使ってなければ、シモンさんを圧倒するスピードが残り10kから出せるでしょう。今回はパワー切れを防ぐために、スペシャルドリンクに「アミノバイタル」を使うとかでその点も安心。結局は仕上がり次第なんでしょうけど…。その点は小出監督も問題なさそうなコメントをしていたし、「ZONE」を見ていても問題ないと感じましたので、戦える状態には十分あると判断したいです。

☆一方相方(笑)の土佐さんでありますが、「やってきたことを信じてやる。苦しくなってからが勝負」ということで、また、監督いわく「現段階では渋井・土佐両者互角」説を打ち出し、期待は十分持てるところ。高速展開で相手が根負けするようなことがあればチャンスは巡ってくるかも知れません。確かにshibuやシモンさんには正面から行くとなかなか太刀打ちできないのは事実なんですが、メダルの可能性という意味では、4人のうち最も高いのじゃないだろうか、と思っています。

☆一発ということでは、ここにきて俄然
松尾和美さんへの期待が高まるところです。札幌ハーフでの凡走ぶりには少しがっかりでありましたが、スピードの上積みもしてエドモントンに乗り込んできていると思いたいところ。イメージ的にはパワー系ということで、消耗戦になってもスタミナ十分で残れそうですから、ベルリンや名古屋のような、35kから(早ければ早い方がいいが)相手をじわじわ突き放して消耗戦に持ち込めば面白いのではないかと。必殺技の一つでも引っさげて登場すれば、かなり勝てそうな気がするのですがそのあたりはどうでしょう。本人コメントは「何一つ不安がない。スタートラインに立つのが楽しみ」、監督も「今までで一番いい」と、23分台も狙えると言い放った名古屋よりもさらにいいと言い切る絶好調状態。これは目が離せません。ただ、勇気をもって勝負どころで躊躇なく出られるかどうかが問題

大南敬美さんについては、練習が詰めていないようですのでちと上位は厳しいかと。また、松岡理恵さんについては、どうしても練習時のモチベーションの持ち方が他の代表選手とは違っていたと思いますので、無欲の勝利という期待は持ちたいですが、高い評価をするには勇気がいりますね。お手並み拝見ってところです。

☆さて、他の有力どころについてですが、まず
レンダースについては、今回もアップダウンがありますゆえ、そこでダメージを食って勝負どころまでに後退してしまうのでは、という予想。というか、今年のロンドンでは序盤の急激なペースの上げに対応できてませんでしたので、世界大会には不向きなのでは、という気がしている次第です。

ザハロワについては、もし今年のロンドンのように最後まで集団がもつれ、一瞬の切れが活かせるようであれば、メダルの一角に食い込む可能性は十分ありますので注意が必要。オラルについては、今年のロンドンを見る限りは、オラルが上位にくる展開ならザハロワはさらにその上位にくると確信しておりますゆえ、ここは無印。

☆エチオピア勢については、
ロバさんアレムも最後の5kで脚が止まると思われますし、なによりレース間隔がタイトな感じ(4月→6月→8月)なのでそのダメージも心配。入賞はあってもメダルにはちと厳しいでしょうと。バルソシオについては、キャリアが浅いためにまだ底が見えないのが不気味ということで注意だけ打っておきましょう。他にはポマクがどういうレース運びをするのか序盤注目です。

【過去のレース模様】

(2000年シドニー五輪)

 スタート直後からレンダースが飛び出すものの、最初の急な下りで脚を使ったツケは重く、12kで後続集団に吸収されてレースは振り出しに。
 18kで橋尚子様が第一段のスパートを見せると、世界の列強が一気に振り落とされていく。恵寿多、キムといったあたりがしばらく付くも、3kともたず中間点では橋尚子様、市橋、シモンの3人に絞られる。27kのアンザックブリッジで市橋は力尽き遂にシモンと橋尚子様の一騎討ちに。双方相譲らない展開であったが、34.5kで橋尚子様が満を持してスパート。40k地点では28秒差を付けて勝負あり。最後はシモンも見せ場を作ったが結局は焼け石に水。橋尚子様の完勝であった。

優勝 橋尚子様    2:23:14
2位 シモン      2:23:22
6位 アレム      2:26:54
9位 ロバ       2:27:38
18位 フェラーラ    2:31:32
23位 モルゴノワ    2:32:35
24位 クロリク・オベレム2:33:45
29位 テクタ・ゲラシム 2:36:16
棄権 レンダース

(1999年セビリア世界選手権)

 高橋尚子様欠場により、レースは予想以上の混戦模様。超スローなサバイバル戦は27.5kの給水からようやくようやく動き出す。30kでは10人の集団だったが、32k過ぎのロバの仕掛けに集団はついに完全崩壊。これに生き残ったのはロバ、市橋、シモン、チョンの4人。34.5kでロバが2度目の仕掛け、少し離されたもののあわてず市橋とチョンが追走(シモンはここで脱落)、38kでロバを捕らえて後は2人の一騎討ち。残り1500mで乾坤一擲、チョンの一世一代の末脚が勝負を分けた。

優勝 チョン・ソンオク 2:26:59
3位 シモン      2:27:41
4位 ロバ       2:28:04
5位 アレム      2:28:52
6位 クロリク・オベレム2:28:55
18位 ソーデルストロム 2:35:25
25位 ゲラシム     2:39:29

棄権 ティモフェイエワ

(1997年アテネ世界選手権)

 10kの給水でロバが前に出たこともあり、序盤から先頭集団が絞られたこのレース、20kの給水でさらにばらけた時点で先頭集団は7人に。24kで原、クロリク・オベレムが遅れ5人、25k過ぎから飛瀬、シモンが遅れて3人とサバイバル展開は続いたが、27k過ぎで鈴木が満を持してスパート、そのまま押し切り快勝した。

優勝 鈴木博美     2:29:48
3位 シモン      2:31:55
5位 フェラーラ    2:33:10
7位 クロリク・オベレム2:35:28
15位 アレム      2:41:00
30位 オラル      2:47:12
41位 ティモフェイエワ 2:53:01
棄権 テクタ・ゲラシム
棄権 ロバ

(1996年アトランタ五輪)

 ロードに出た2kあたりから注目のピピヒが独走態勢に入る。致命的な差をつけられないよう2番手集団が追走する間にみるみるシェイプアップ、17kでピピヒを捕らえた時には既にマシャド、ロバ、エゴロワ、シモン、有森の5人となっていた。19kでロバが飛び出したが誰もそれを追わない。20k手前で有森が中心となり追走を開始したが時既に遅く、ロバとの差は開く一方。結局ロバが2位に2分差をつける快勝となった。
 2位争いは、30kで有森が一気に仕掛け、31kで単独3位となったエゴロワがそれを追う展開。33k過ぎにエゴロワが追いつき、暫く並走後突き放し2位を確保。有森は、16kでマイペースに切り替えていたドーレの急襲を受けるがかろうじて3位を死守した。

優勝 ロバ       2:26:05
6位 シモン      2:31:04
8位 クロリク・オベレム2:31:16
13位 フェラーラ    2:33:09
25位 レンダース    2:36:27