ヴァザーリのロッジャ

アレッツォはベニーニの映画「ビューティフルライフ」の撮影が行なわれたことでも有名ですが、カフェ・アンティコ・テアトロは、その映画の中にも登場する美しいピアッツァ・グランデ(ピアッツァ・ヴァザーリ)に面した、ヴァザーリのロッジャと呼ばれる建物にあります。

この建物の設計をしたヴァザーリは、アレッツォ出身のルネサンス後期マニエリスム期に活躍した画家であり、建築家であり、作家です。日本でも彼の著した「美術家列伝」はよく知られています。


15-06-2006 10:43_1 arezzo saracino 客席


その頃ピアッツァグランデはアレッツォで最も重要な場所であり、人々はそこに集まってビジネスをしたり、買い物をしたりしていました。果物や野菜や動物や織物やあらゆるものの市場がありました。この建物も、入り口が広場に面した、現在骨董品店もしくは飲食店として使われている1階部分は、建築当時はそれぞれが色々な種類のボッテーガ(工房、店)として使われていました。中世やルネサンス期のボッテーガは何かを創ったり、直接小売する場所でした。香辛料、肉、穀物、ワインなどを売ったり、家具を作りそれに絵を描いたり着色をしたりしていました。大衆的な食堂などもありました。

カフェ・アンティコ・テアトロが現在営業している場所は、建築当時は肉屋だったようです。そしてその名残を今も見ることができます。


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表から見るとよくわかりますが、間口の3分の1弱を占める真ん中の入り口の両脇の下部に低い壁があります。入り口にはその低い壁と同じ高さの木の鎧戸のようなものが見えます。

この低い壁が商品を受け渡しする窓口のようなものの台として使われていたようで、当時は店の中に客は入れなかったそうです。



イタリアの法律により歴史的建造物に手を加えるのは厳しく制限されているので、カフェとしての営業のための改築には、壁の色ひとつ決めるのさえも、当時の様子を崩さないよう大変厳しいチェックが行なわれました。最終的にどんな色に許可が下りたのか、現地で実際にご覧下さい;)。

(結局は、「色を塗った」のではなく、はがしました。はがしていくことにより建築当時の色が現れて来ました。1階の天井をご覧下さい。壁ははがしても特徴のある色は現れて来なかったので、天井の色に合わせました。)

 15-01-2007 16:07_1 laura locale  改築中の店内


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