南風のたよりNo9


    南の島の話し・・・夏だよ・の話 

    ドゥマゲッティーには夏が来ました。風向きは南が多くなり、雨の少ない季節が来ました。
    ドゥマゲッティーで3度目の引っ越しをして、地獄のような騒音とは無縁の、ハイウエイからは離れた場所に越しました。住所は「BANIRAD SANTAMONICA」です。そうです、ドゥマゲッティーでサンタモニカホテルに泊まった方なら聞き覚えが有ると思いますが、そのサンタモニカの直ぐそばです。歩いて2分。ハイウェイから中に曲がって行く小道の途中に、ニッパ椰子の林が有ったのを覚えていませんか?。その林の中間です。
    新しい家は庭が広く、バナナやパパイヤ、マンゴーなど食べられるものも植えてありますが、日陰を作る為に大きな木も植えてあります。「タリサイ」と「ジェミリーナ」の木です。この木の植えられている間隔は、ハンモックを吊るのにちょうど良い間隔です。
    家の周りはニッパ椰子の林で湿地です。たぶんこの場所だけ埋め立てられたのだと思います。愛車のスズキキャリーはちょっとした事ですぐタイヤが埋まります。そして、先住者と思われる蟹の巣穴が、そこら中に空いています。
    ジェミリーナの木には螢が沢山とまります。夜、風が無く、そして、じっとりと汗ばむような曇り空の日には見事な乱舞が見られます。螢の種類などは全く分かりませんが、体は小さく、細長く、しかし光は青く強い光を発します。直ぐ隣のタリサイの木にも少し見られますが、なぜかジェミリーナの木が好きなようです。ちなみにビサヤ語では螢をアニニポットと呼びます。
    最初に見つけた時は、風は無いけれども、良く晴れた日でした。あれれ、星が動いてるぞ、と勘違いして驚いてしまいました。螢なんて見るのは本当に久しぶりだったので、すぐには分かりませんでした。
    螢を見るのはドゥマゲッティーでは初めての経験なので、いつ頃から出て来て、いつ頃まで見られるのか、私も分かりません。今はトンボも見られます。1月頃には鳴かなくなっていた蝉も鳴き出したので、やはり夏なのだと思います。ジェミリーナの木にアニニポット、なんか可愛らしい響きが気に入っています。
    夏を知らせるものがもう一つ目立っていました。「スイカ」です。日本のスイカのようにしま模様の有るものはめったに無く、大人の頭位の大きさで、濃い緑色をしたものが売られています。中身は同じく真っ赤です。値段は、果物の中では高い方では無いかと思います。3キロ位の重さの物で80ぺソ=220円です。
    暑い日射しの外から帰って来て冷えたスイカを食べるのは、他のどんな飲み物よりも美味しく感じます。甘味、糖度がどうとか言うよりも、みずみずしいのが一番です。日本のスイカよりもかなり小振りなので、一気に半分くらい食べてしまう事もあります。
    スイカの選び方を果物屋が私に伝授してくれた時の話です。彼は得意げに、「真ん丸で色が濃く、つやが有って重いもの」と私に教えてくれました。「その程度なら私だって日本で覚えているよ」と言いながら、なお、「日本ではまだもう一つ有るんだよ、スイカを叩いて良い音のする物を選ぶのさ」と付け加えました。そして私はポクポクとスイカを叩いて選びました。シャレになってしまいましたが、フィリピノ語で叩く事を「ポクポク」と言います。果物屋は「ポクポク、ポクポク・・・」と繰り返し言いながら面白がっていました。

    花の見ごろは3月頃が一番です。暑さが続くと花は少なくなります。ドゥマゲッティーの強烈な日射しはこれから半年以上も続きます。如何ですか木陰でハンモックで昼寝は。私の家の庭に有りますよ、どうぞ昼寝に来て下さい。


    ・・・ではまた。


    では、また。

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