南風のたよりNo8


    南の島の話し・・・冬?は寒い・話 

    アポ島でマンタを見ました。場所は、ロックポイントのコーナーを曲がり切ってすぐ、の駆け上がり、水深8メートルでした。
    私はフィリピンでマンタを見るのはこれで3度目です。たった3度です。アポでは初めてでした。
    この日はやはり出るべくして出たような条件の日でした。濁りが強い上に、両方からの緩い潮の流れがぶつかる当たりにプランクトンが集まると言う、アポではあまり見られない条件でした。他でマンタに会った時の条件に似ていたので、少し予感めいたものがあったのですが、本当に出てしまうとびっくりです。4メートル位の大型のブラックマンタでした。

    南の島でも寒い事もあるのです。雨期と乾期があまりはっきりしないネグロス島ですが、1月末から2月初めは、曇ったり雨が降ったりすると、寒いのです。日中の気温26〜27度で何が寒いか、と言われますが、ふだんの気温が32〜33度で過ごしていますから、26〜27度は寒いのです。特に夜はエアコンなんか絶対要りません。暑い季節、日本も夏の頃にはそれこそエアコン全開で寝たくなる程の夜も有りますが、2月半ばの深夜には毛布が欲しくなります。気温にして23〜24度位まで下がります。私の家は水シャワーしかありませんのでダイビング後のシャワーを浴びるのに気合いが要ります。
    しかし、2月の日中の晴れ間の日射しは、太陽が南回帰線の折り返し点を離れて赤道に向かって来ているので、さすがに凄いです。風が北風で涼しいので勘違いして肌を露出していると、とんでもない事になります。とくにダイビングの行帰りは要注意です。
    この季節、海はほとんど毎日風が吹きます。波も高く、ダイビングポイントまでの船の移動はスリル満点です。波が高くて危険と言う事では無くて、風に起こされたチョッピーな波が船を揺さぶるためです。
    船の上では波しぶきをかぶる事もしばしばで、ボートコートなどが無いと震えます。この寒さに勘違いして、飛沫の掛からない場所に寝そべって日なたぼっこ気分で焼いていると、あっと言う間に悲惨な日焼けになります。日本でも真夏の7〜8月よりも6月の方が紫外線は強く日焼けしやすい、と言われていますが、その季節がドゥマゲッティーでは2月3月なのかも知れません。いやいや、これから先は11月位まで、づっとこの調子なのでした。
    ドゥマゲッティーの冬の風物詩に「ぽんかん」売りが有ります。これは日本のぽんかんと基本的には同じもののようですが、輸出の原産地は中国のようです。箱の文字が私には読めない漢字でした。ドゥマゲッティーの季節がぽんかんに関係が有るのでは無く、輸出国の季節がぽんかんの季節なのですから、ドゥマゲッティーの風物詩と言うのは的外れかも知れませんが、季節限定の売り物です。
    1ヶ5ぺソ(13円位)のぽんかんは地元でも人気です。味はオレンジ、食感はみかん?抜群においしいです。道ばたに沢山のぽんかん売りが並び、カゴをさげて売り歩く人もいます。そしてその影で、売れなくなったマンゴーの姿を見かけなくなる季節でも有ります。
    2月はバレンタインディーがありましたが、ドゥマゲッティーでは、カップルがレストランで食事をするのが流行りのようです。街中のちょっと気の利いたレストランはその日予約でいっぱいでした。私も日本からのお客様を案内して「ラブ・アス」(現地語で新鮮)と言うレストランに海鮮料理を食べようと出かけたのですが、予約で満員でした。この店は街でもベスト5に入る高級店で、普段は静かで客もあまり見かけないのです。しかし、金萬日本人はここで店の人にチップをギッチリ握らせ、あっという間に席を確保するくらいは簡単な事でした。
    ここではバイスから来る牡蠣とマッドクラブを食べましたが、どちらも新鮮で、特に蟹はハサミの甘味が最高でした。
    フィリピンスタイルのバレンタインディーは、プレゼントもどちらからと決まっているわけでは無く、ましてやチョコレートなんどと言う限定した物を送る習慣では無いようでした。ホワイトデーも、どうも無いような感じでした。
    「ラブ・アス」に席の予約をしてやってくる若者は、街でも豊かな方の人達でしょう。こんなレストランやホテルのラウンジのような所に来ない学生などは、もう少し地味な、食堂風の飯屋を大人数で借り切ってパーティーをしています。通りがかりに覗いてみると、ゲームをしたりアマチュアバンドがいたり、ビリヤード台を持ち込んでいたりと、こちらの方が楽しそうでした。
    ドゥマゲッティーの次のお祭りは何なのでしょう?4月のホーリーウィークでしょうか。


    ・・・ではまた。


    では、また。

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