南風のたよりNo32


    南の島の話し・・・あれこれ 


      セブ発ボホール、ドゥマゲッティー経由ダピタン行きスーパーキャット

     スーパーキャットが改装したと思っていたのはどうやら間違いで、新造船のようだ。今までのスーパーキャットはカタマランだったが、今度の船はトリマランだったから、たぶん間違いない。
    新造船が就航するまでの間、競合するオーシャンジェットに客足を取られないためのプロモーションだったのか、この船が就航したら値引き期間が終わった。私としては相変わらずの過剰冷房サービスや到着時間に変化が無い事などから、古い船で安いまま運行してもらった方が有り難いのだが。
    それにしてもこの船に常に乗り込んでいるセキュリティーの労働時間と労同条件は凄いと思う。彼はたぶん年中無休である。その労働時間はセブを朝8時に出発してから7時30分に戻って来る間中続く。
    他の乗務員はしょっちゅう変わっているが、彼だけはいつ乗っても居る。彼はスーパーキャットの社員ではなく、AISIAという警備会社の所属だ。    

      フィリピン流酒の呑み方

     フィリピン人が酒を呑む時には、5〜6人で呑んでいてもコップは一つだ。ビールでもラム酒でも同じである。一つのコップで回し飲みをするのである。例えば6人で回し飲みをすると、なかなかコップが回って来ないかと言うとそうでもない。ラム酒でもビールでも一気に飲み干すので割り合い素早く回って来る。素早く飲めない人や強くない人は当然パスをするので、飲める人、呑みたい人にはかなりマメに回って来る。なかなか良い方法だと思う。
    そしてもう一つ、暗黙のルールが有る。座に加わって初めの一杯を飲み干した時には、やや顔をしかめ、ちょっと大袈裟に声を出して、「プッハー」とか、「ウッヒャー」とか、とにかく、美味かったがちょっときついなぁ、みたいな意思表示してからコップを回さなければならない。私も最近やっと照れずに加われるようになった。以前は私は専用のコップを与えられていたのだが、最近は面倒なのか用意されなくなってしまった。

     タイヤを4本買った

     10月23日タイヤを4本買った。軽トラ用の600-12、メイドイン・チャイナであった。1本650ペソは当日のレートでは1400円位だ。ナイロンのバイアスタイヤ、チューブ入りは日本ではなかなか見られないような気がする。
    この前日大雨の山道でスタックし、脱出しようとしてタイヤ傷めていた。1本をスペアに変えて走っていたらまたパンクした。良く見るとカーカスが見えていたので4本とも代える事にした。
    ダメになったタイヤはもっと安くて、1本500ペソだった。これで二万キロ走れるのである。今度のは見るからに前のよりも立派そうなので三万キロも走れるのではないかと期待している。ちなみにタイや交換料金は無料で、チューブも込みの料金である。
    それにしても私は日本ではもう25年間パンクなどした事がないのに、フィリピンでは年間3〜4回はパンクする。スチールのチューブレスならパンクも減るのだろうか? でも私は1400円のタイヤを使い倒す方が性に合っているようだ。

    10月は雨ばかりでした

    10月は本当に雨ばかりでした。特に10月20日〜25日は全く晴れ間を見る事無く、連日とんでもない豪雨が降り続きました。
    この季節はこんなものでしよう、と、言う人も居ましたが、5日間も続く大雨と言うのはジェフリーでさえ珍しいと言っていたので、たぶん、凄い雨だったのでしよう。
    この時ミンダナオの側のアリグアイ、スリノグと言う小さな島に遠征しました。行く時はまだ南の方に薄日が見えていて、風向きもハバガット(南西風)で、明日には好天するかな、などと思っていたのですが、翌日も大雨でした。しかも風向きが定まりなく、回る感じで風が変わって行くので、遠くを低気圧が移動しているのだろう、ひょっとすると台風かなぁ?と思っていたら、台風がなんと3個も有って、それそぞれは遠くにあったのですが、影響は避けられなかったようでした。これでは天気が良くなるはずもないと言う事でした。

    アリグアイ島への遠征

    アリグアイと言うのは、マラタパイからほぼ真南へ、バンカーボートで2時間30分くらいの島です。バリカサグへ行くよりは少し近いと思いますが、なかなか遠い島でした。白いビーチが美しい島で、天気が良かったらもっともっと素晴らしかったろうにと、少し残念でした。
    着いてみれば目と鼻の先が北ミンダナオのダピタンやディポログと言う位置でした。この島は小さな島で、行政区はディポログに入るようでした。
    小さな島に、お店は雑貨屋が1軒だけで、何か欲しいと思ってもすぐには手に入らない場所す。ビールが欲しかったのですが飲み馴れた銘柄は無く、初めて聞いたようなビールの大ビンしか手に入りませんでした。つまみに何か買おうとしても大した物は売っていなくて、結局安心のブランド・ハッピーピーナッツを有りったけ買い占めて食べてしまいました。
    この島には水道は有りません。夕方の飯前のシャワーはタンクに溜まった雨水でした。いくつかのバケツの中にはボウフラが育っていた物も有って、最近は雨が多くて水に困っていない様子が伺えました。
    電気は夕方6時から9時頃まで、バランガイ(村のような単位)所有の発電機が回って送電されます。その電力は弱く、各家々の明かりは蛍光灯1本程度の物でした。テレビはバランガイキャプテンの家の隣に共同のテレビとカラオケ機械が置いてあり、食後の一時をここで過ごすようです。村の若者を中心に集まって来ていました。
    この島は豊かな島だとジェフリーが言いました。この島の側の海域で珍しい貝が採れてそれが高値で売れるのだそうです。この日、セブから貝を買いに来たと言う女性のバイヤーと島民の取り引きを見る事が出来ましたが、女性バイヤーは漁民1人に1万ペソ2万ペソと支払っていました。貝の名前をゴールデンカオリンとジェフリーは言っていましたが、確かにゴールデンカオリンも有ったのですが、取り引きされている高い貝は違う貝のように私には見えました。
    貝の採り方は底引網で水深100メートル以上の深度を引っ張るのだそうです。ジェフリーは先の取り引きを一日の収穫と言っていましたが、私の勘ではバイヤーがそんなに頻繁に来るとは思えないので、一月分の収入なのでは無いかと思います。それにしても10000ペソ以上と言うのは、漁民の収入としてはとても良い事には違いは有りませんが。
    さて、この島にはコテージがあって・・・と言う話で出かけて言ったのですが、コテージなんぞは何の話かと言う具合で、寝泊まりしたのは村の共同施設、バランガイホールでした。確かに、この村で一番立派な建物には違い無いのですが、トイレ、シャワー、ベット、毛布、洗面所・・・何の施設も無いただのホールなのです。ここの椅子を何個か集めてそこへ寝たのですが、微妙な傾斜と凹凸が気になってなかなか熟睡しづらい環境でした。
    寝付く時はしこたま呑んだラム酒とビールの酔いの勢いで良かったのですが、ガラスの無い窓から吹き込む雨の飛沫で深夜に目を覚ましてからは、夜明けまでうとうとしても熟睡はできずに、結構辛い一晩でありました。
    私はこの遠征に、釣りのアレンジをする係りとして参加したのですが、釣りの方は私の出る幕は全く無く、不発どころか、戦闘に参加する事無く白旗と言う有り様でした。
    何しろ、潜って見てもアカモンガラ以外の魚に出会わない海なのですから。
    誰か、夏場に様子を見に行ってみますか?・・・サバイバルキャンプツアーですけど。 では、また。

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