南の島の話し・・・暑さ、分けてあげたい今日この頃
アメリカ人のダン
8月某日、アポ島で昼飯を食べていると若い白人の男性が近付いて来てた。彼は流暢なビサヤ語で私に話し掛けた。白人コンプレックスを持つ私は英語で話しかけられる事に対して身構えていたので少し拍子抜けした・・・などという劇画調、小説調の出合いでは無く、彼は突然大声で、ダイビングの料金を聞いて来た。フルレンタルで2ダイブ、弁当付きで1000Pにしろと言うずうずうしいアメリカ人だった。
オカイ・オカイ
ドゥマゲッティーのとなり街、バーコンでフェスタがあった。日本で言えば村まつりに当るものだろうと思う。村祭りには日本でもそうであるように「出店」がたくさん出る。店の種類は様々で、アイスクリーム屋、ホットケーキ屋、日本のガマの油売りのような怪し気な薬を売るじいさん。おもちゃ屋、履物、鞄、野菜、果物、ブタ、鳥・・・・とにかく売れそうなものは何でも並べてみる、そんな感じで物売りが並ぶ。
ドゥマゲッティーの高校生・リトル
ドゥマゲッティー市内の高校生が集まって、今年のＭｒ．とＭｉｓｓ．ナンバーワンを決めるコンテストが開かれていると聞いて見に行った。うちのサービスで時々がイドをしてもらっているロイの娘のリトルが出ると言うので見に行ったのだ。
私は、タンク代と弁当を考えても1500は欲しいと言ったのだが、彼は10ドルが相場だと言い張る。なら止めろ、と私も強気に出たが、彼のしょんぼりした顔を見たらつい、「しょうがねぇーなぁー」と言ってしまった。彼に日本語が分かるはずは無いと思ったのだが、彼はそれが了解の言葉だと理解していた。
少し話しをして行くうちに日本語が分かるのかと尋ねてみたが、まったく分からないと言う返事だった。じゃあ何故さっきのがOKだと分かったんだと聞けば、顔色だと言う。
ダンはセブに住むアメリカ人で、もう７年もこちらで仕事をしているとのことだった。それにしてもビサヤ語は上手だった。ビサヤ語も英語も上手にしゃべれない私をからかって彼は、ビサヤ語と英語を教えるからダイビングをタダにしろと言った。私はくやしいのでその後のブリーフィングは日本語で通してやった。
何が気に入ったのか分からないが彼はとても楽しかったと言って帰って行った。しかも、また来るぞとも言った。1000ペソならお断りだぞ、と私は彼に大声で言った。
フェスタの物売りで一番場所を取っているのは古着屋だ。古着や古靴などをテントを張った店で売っている。このような店をオカイ・オカイというらしい。冷やかしで覗いて歩くと、男女を問わず、下着から、まさかと思う豚革のジャンパー、穴の開いたジーンズ、フリースのシャツ等、なかにはボロ布に近い物まで売られていた。ぜんぶ中古品である。日中の気温が30度を超すドゥマゲッティー近辺で、革のコートだの、綿入りのジャンパーだの、日本でも真冬にしか着ない物がたくさん並んでいた。そして、それを買う人がいるのに驚いた。
ひとりの男がフリースのプルオーバーを買った。250ペソはけして安い買い物ではない。その男は買ったフリースにそでを通して満足そうな笑みを浮かべていた。彼はそのフリースを着たままフルフェイスのヘルメットをかぶりバイクに乗って立ち去って行った。
彼の足元は編み上げのワークブーツで固められていた。日中の炎天下、気温は33度位。日本の真冬でも十分ないでたちである。
このコンテストはペアで出場して歌やダンスを競うのだが、流石に東洋のラテンと言われるフィリピンの高校生、そのノリは素晴らしかった。
歌の部では、目をつむって聞いているとマライアキャリーやセリーヌディオンがぞろぞろと出て来るのだ・・・なぜか女性の声ばかりが聞こえていた。
ダンスも凄かった。私はダンスなんて全く知らないのだが、見ていて楽しかった。そして美しかった。
例えばロイの娘のリトルは14才である。リトルの踊る姿にはもう大人の色気さえあった。遠いステージを35ミリコンパクトカメラで写したので豆粒だが、リトルのスタイルの良さは分かると思う。
リトルのダンス
ダイバーのバースデーケーキ
私の誕生日にジェフリーが内緒でケーキを注文していた。
ダイビングフラッグ模様のケーキに私の名前と、もう足し算しなくても良いよ、と言う年令の形のろうそくも添えられていた。
ビールを買いにいくと言って出かけたジェフリーが白い箱を抱えて帰って来た時、私は箱を見てすぐにバースデーケーキだと思ったのだが、デザインは想像できなかった。
箱を開けてケーキを見たとたんに、本当に私の誕生日を祝ってくれているのだと思って目頭が熱くなった。
ダイビングフラッグケーキ
問い合わせ、質問のメールはこちらです 
ow807360@mars.dti.ne.jp
