南風のたよりNo25


    南の島の話し・・・ハロハロ的に 


      アポのサンゴは世界一

     アポのサンゴの素晴らしさを再認識する機会が会りました。
    ミクロネシア連邦・ポナペへ行ってすぐにドゥマゲッティー・アポ島で潜りました。記憶が鮮明なポナペの海と比較して、そのサンゴの種類と生きの良さには我ながら驚きました。
    マジュロやマーシャルのサンゴも見事に残っていると、世界一では?と雑誌に書いてありましたが、どっこい、フィリピン・ネグロスオリエンタル州・アポ島のサンゴも全くひけを取らない、世界一のサンゴの群生ではないかと・・・この際世界一がたくさん有っても良いのです・・・気にせずに。
    アポのサンゴはミクロネシア連邦のように大平洋の真ん中、外洋の流れに洗われている場所のサンゴとは趣が違います。あちらが男性的珊瑚礁とすれば、アポ島はずっとずっと女性的で色鮮やかにして艶かしく、そしてキュートです。そう、まるで陽気なフィリピーナのようです。
    そのサンゴやソフトコーラルの周りには、宝石のように輝く小さな魚たちが乱舞しています。潮の少し早い時等はどの魚も同じ方向に頭を向けて整列しています。さながら幼稚園か小学校のようです。

      今頃(8月)のアポ島

     アポ島は今アミハン(南風)の季節です。アポの表玄関、チャペル前は波が高く船が着けられない日が多くなっています。ダイバーの休憩は裏側のコゴンビーチの方になります。
    コゴンビーチは遠浅で、水の中を歩いて行くと最初はサンゴのかけらの混じった砂ですが、やがて「バキバキ」とエダサンゴを踏みつぶすようになります。そうです、コゴンビーチはすぐ目の前にサンゴの群生が広がっているのです。それもそのはず、マムサポイントの延長に当る場所ですからサンゴが育っているのも頷けます。
    唐突ですが、花見に行って桜の花をまじまじと見た事がありますか?サンゴも間近でよぉーく観察するととても楽しい「生き物」である事がわかります。まったく違う種類か?と思うと、生息場所で色が違っただけだったり、同じかなぁ?と思って写真を撮って図鑑で調べるとなんか違うようだなぁーとか。簡単そうで特定の難しい種類も有ります。
    コゴンビーチは静かです。弁当を食べていると犬が寄って来るのはいつもの事ですが、ここでは鶏も寄って来ます。犬は食べ残しの魚や肉を狙っているのですが、鶏は、御飯とマンゴーの皮を狙っているようです。
    風裏に当る為海が荒れているとはとても思えず、コゴンで休憩しているとお客さまに必ず言われます。「海、静かになりましたね」と。しかし、風が無いのも波が無いのもわずかな風裏のこのスペースだけなのでした。
    コゴンビーチは小さな貝殻の多いビーチです。波打ち際に腰掛けて探すときれいな貝が沢山みつかります。

      Tシャツの値段

      アポのお土産シスターズも随分豊かになりました・・・何度も同じ書き方するなって?。10年前には考えられなかったほどです。何よりも栄養失調で毛が抜け落ちた犬とかがいなくなりました。犬さえも飢えなくなっていると言う事でしょう。
    島での現金収入は、漁業とお土産売りの収入くらいしか無いと思われます。島のダイビングサービスやダイブハウスで働く収入も有りそうですが、日々の現金収入はなんと言ってもTシャツ売りでしょう。
    しかし最近ではTシャツも売れなくなっています。以前は記念に、お土産にと1人が何枚も買う姿が見られましたが、最近は来島者の財布も口が固いようです。
    アポ島のTシャツは150ペソ、パレオが250ペソです。2.5円換算で375円です。これが高いとは決して思えないのですが、みなさん良く値切ります。まるで値切るのが常識、ゲームなのよと言う感じで値切っています。私はこの姿が大嫌いです。3枚買うからいくらにしてくれるか聞いてよ・・・お客さんに良く言われます。
    一枚10ペソずつまけてもらって30ペソ得しますが、日本円で75円です。ホテルではビール一本飲めるかどうかと言う金額です。気持ち良く定価で買ってやってあの底抜けの笑顔に囲まれる方が私は良いと思うのですが、価値観の相違ですね。

        8月23日ブタをシメる日

     私の誕生日は9月に月が変わってすぐなのですが、もろもろの事情が有って一週間早く誕生日のパーティーをする事になりました。ブタは成長が間に合わないので知り合いのトライシクルドライバーJ・Rの家にいるやつを分けてもらう事にしました。たぶん高く吹っかけられて4000ペソ位は言われるでしょうか。今は大工もいるので彼等も一口かじって行くでしようから、ビールが4ケース、スプライトが2ケース・・・また見栄張っちまったぃ。
    私はフィリピンでずいぶん好き勝手に暮らしています。それこそ日本では考えられない程感覚的には豊かに暮らさせてもらっています。そのくせ税金なんてほとんど取られた記憶が有りません・・・違う意味での授業料はたくさん払いましたが・・・。こんな機会に私と少しでも縁の会った人たちに御馳走するくらいは、税金の一部だと私は考えています・・・生意気でしょうか?。
    経済的には小人の国だと言ったら失礼きわまりないのですが、小人の国に乗り込んだ普通の日本人はそれこそ「ガリバー」だと思うのです。最近やっと、その自覚がほんの少しだけ持てるようになりました。
    フィリピン人にとって日本人は「ガリバー」なのです。背中にたくさんの羨望や妬みや嫉妬のつぶてが飛んで来ているのが分かるようになったのはごく最近です。そして小人の国の住人の中にも色々な人がいて、ガリバーを生け捕りにしようと企む人もいます。大きくて隠れる事のできないガリバーは意外にも脆く、簡単に捕われてしまう事もあります。そんな時には普段、どんな風に近所の人や自分の周りの人と付き合っているかが物を言うのも分かって来ました。
    だから私の誕生日は私の為の物では無かったりする訳です。


    では、また。

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