南風のたよりNo20


    南の島の話し・・・南の島の?ダイビング屋の一日 


    2月と3月にかけてはドゥマゲッティーに沢山の人が来てくれました。3月初めにはオープンウォーターダイバーの講習もあったりして、人手の少ない当サービスにあって、ガイドは唯一の常勤スタッフのジェフリーが活躍しました。ジェフリーは短大(地元ではカレッジと呼んでいたが?)を卒業してアメリカのテキサスに出稼ぎに行ったり、セブの超大手の日系のダイビングサービスに勤めたりと、地元ではまあまあ、そこそこ使えると言う評判の男であります。片言以下の怪しい日本語と、私よりは少しましかなと言う程度の片言よりちょっと程度の良い英語を話します。そして飲ん兵衛で助平で、カラオケが大好きな良い男であります。当然私とは公私共に気が合います。ジェフリーの家庭は、奥さんの母親と奥さんと中学生の娘が一人。フィリピンでは小家族な構成です。
    ジェフリーの奥さんは小学校の教師です。ジェフリーと奥さんは同じ大学の同級生だと言うので、なんでお前は大学出てこんな仕事しているの?と聞いてみました。フィリピンと言えども大学を出ただけではダメで、成績がものを言うのだそうです。当然奥さんは優等生でジェフリーは落ちこぼれだそうです。
    ドゥマゲッティーでお客さんの有る時の私の1日は4時起床です。もぞもぞと起き出したらまず飯を炊きます。人数によっては電気釜一杯では足りずに、でかい寸胴なべを使う事もあります。兎に角、飯を炊きます。そして次に野菜いためやらビーフン炒めやら、魚の空揚げだとか、豚肉の炭焼きや鳥の炭焼きだのと、その日によって変わる弁当のおかずを作ります。これでだいたい6時になって、冬でも外は明るくなっています。
    6時になったら充填所にタンクを取りに行きます。軽トラに中腰でタンクを積み降ろしするのはけっこう腰に来ます。一人で30本も積んだ日には軽トラも重さでへコへコですが、私の腰もガクガクであります。
    戻って来て6時30分。御飯だけを弁当箱に詰めて行ったのが冷めているので、おかずを入れて弁当の出来上がり。バスケットにスプーンと水のボトルと、マンゴーと包丁と・・・2度点検しても忘れる時も有るのですから、ボケてるのでしようかね?。
    これで間もなく7時になってしまいます。今日チェックアウトのお客さんが居たりするとダイビングの出発は7時ですから急いで軽トラに器材とランチを積み込みます。ホテルの前ではダイビングに行くためにチャーターしたバス(便宜上バスと呼びますが・・・)が待っています。それらに荷物を移し替えて何ごとも無く準備OKの顔でお客さんを待ちます。・・・・あぁ、今日も朝飯食う暇が無かった。便所行くの忘れた・・・俺には飯より一大事(知る人ぞ知る)。
    普段は9時出発なので7時30分頃から朝飯を食べて一息入れてホテルに向かいます・・・こんな仕事に憧れませんか?楽しいですよ・・・何がぁ?
    ダイビングから帰って来るのは早くて、チェックアウトの日は12時〜1時。普段でも3時〜3時30分。お客さまはすぐホテルのプールで塩抜き・・・ビールタイム?。
    私はジェフと二人で器材と軽トラとタンクを洗います。タンク洗いが終わったらタンクを充填所に運びます。
    チェックアウトのお客さんは3時にホテルを出ますのでその日は大忙しで始末して、自分もサラッとシャワーを浴びて着替えなければなりませんので大忙しです・・・この場合のシャワーは器材洗いの水道水をかぶるだけですが。
    普段は器材を洗いながらのんびりムードに戻って行きます。弁当の洗い物だけを残して片付いたら、充填所へ。充填所にタンクを降ろしたらすぐ近所のサリサリストアーへ。そこで5ペソのハッピーピーナッツをつまみに、ジェフとビールを2本づつ飲みます。店の前の道ばたにコンクリートのちょうど良い台が有って、日除けのテントがかかっているので快適です。しばらく喋っていると他のショップやサービスのみんなも仕事が終わって通りかかったり、わざわざ探して来たりして、人数が増えるのが常です。でもみんな金が無いのでビール1本でのどを潤したらお終いで、宴会にはなりません。
    ここで一息入れたらチャンゲ(市場)へ明日の弁当の買い出しに行きます。
    お客さんの晩飯へ同行する時は・・・ほとんどそうなのですが、6時か6時30分にホテル前でピックアップなので、急いで戻ります。
    晩飯に同行して・・・ほとんど割り勘です・・・(独り言)・・・家で食えば100円も有れば飯代は足りるのに、毎日レストランでの食事代はきついなぁ・・・ジェフが一緒だとジェフの分は俺持ちだしなぁ・・・まあ、美味いもの食ってンだから仕方なしか・・・(独り言終わり)
    で、食事が終わって街で唯一のコンビニに寄ってホテルに戻るのが9時頃です。4時起きの私はもう眠さ絶頂の時間であります。この後もう一杯・・・などと言われてもけっして断らないのが私であり、ジェフであります。カラオケ?レッツゴー・・・プールバー?・・・オバンカァー(いっしよに)と行ってしまうのであります。当然翌朝は地獄であります。朝、船が動きだしてからすぐに僅かのスペースでも見つけてごろんと横になった日は、昨夜に問題が有ったと言うわけです。忙しい日と暇な日の比率は圧倒的に暇な日の勝ちでありますから、たまに地獄の忙しさもまたこれも楽しいと。
    大手ダイビングサービスの日本人スタッフは、タンク運びや器材洗いなどはほとんどしません。現地スタッフが全部やってくれます。うちのスタッフのジェフリ−は給料が安いので重労働は嫌います。ですから普通は現地スタッフがするような仕事こそが私の仕事です。私は本当にイントラのカードを持っているのか?と聞かれる事さえ有ります・・・失礼な。時々、ジェフの方が偉く見えます。だって、ジェフの方が顔が広いからすぐ仕切ってしまうし、態度でかいんですから。
    どーです・・・こんな楽しい南の島のダイビングサービスで貴方も仕事してみたくなりませんか?・・・えっ?たくさんだってぇ。俺もそう思うわ、最近。
    ドゥマゲッティーのダイビング屋の人脈とノウハウと少ない財産(軽トラ・テレビ・冷蔵庫含む)の統べて一式を無料でお貸ししますので、誰か私の代わりをやってみませんか?


    では、また。

    問い合わせ、質問のメールはこちらです ow807360@mars.dti.ne.jp


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