南風のたよりNo2


    南の島の話し、あれこれ、その2-携帯電話 


    世界中にインターネット網は張り巡らされて、本当に世界は狭くなった。地球は小さくなった。・・・か、なあ。 ドゥマゲッティーで携帯電話を買った。初めに買ったのは「エリクソン」の物だった。4000ペソ(10000円)位で、まん中くらいの価格だったと思う。携帯は、プリペードカード方式なので通話料先払いである。
    プリペイドカードの方式は日本のKDDの物などと違って、買った金額をデポジットして使うタイプである。
    私は時々日本にかけるので、常に1500ペソ=3800円分のカードを買って電話に登録している。
    500ペソのカードが最高額だと思うが、一度も買えたためしが無い。ドゥマゲッティーは田舎だからと思っていたのだが、セブシティーのアヤラセンター(高級デパート)にも置いて無かったので、多分、どこにも売っていないのだと思う。カードマニア憧れの一枚となる物なのか?。
    携帯の機種を選ぶと言う事は、接続会社を選ぶ事でも有る。スマートだとかグローブだとか、またはスマートのセカンダリーでなんとかだとかいろいろ有るらしい。
    日本でも海の上ではJホンが良いとか言われているので、会社によって接続の状況に差が有るのはどこの国でもいっしよなのかも知れない。しかし、それは通常の通話に支障が無く、何かの時にどちらかが多少有利と言うような話だと私は解釈していた。だから携帯が街中で通じない事が有るなどとは考えもしなかった。
    すっかり忘れていたが、4〜5年前だったか、デジタル携帯が出てすぐの頃、仙台でも夜7時頃繋がりにくい時間帯と言うのが一時期あった。
    ドゥマゲッティーで買った私の携帯はいつも繋がらないのである。当然エリア外ではない。回線が塞がっていると言うアナウンスが流れるのみである。
    丸一日ほとんど繋がらない事があった。その日はたぶん、電話会社が休みだったのだろう・・・いくらフィリピンの田舎街とは言えそんな馬鹿な話は無いと思う。しかし、電話会社の問い合わせ番号にも繋がらなかった。電話会社の機械の故障では無いかと言う人がいたが私には分らない。
    もう一つ問題があった。私が住んでいるのはドゥマゲッティー市内ではない。隣村のBUNTISと言う村である。ここは携帯のメインエリアではなくて、セカンダリーエリアらしかった。電波の状態が最良ではない地域らしかった。しかし、日本ならアンテナ棒1本でも3本でもほとんど変わり無く通話できるので、まさかほとんど繋がるのが奇跡的な場所だとは思わなかった。
    電話をかけようと思ったら電話器を片手に、まず庭に出て歩き回る。高く掲げたり、角度を変えたり、色々試してアンテナの棒の立つ場所を探す。見つかったら即接続にトライである。ぼやぼやしているとアンテナ棒が消えてしまう事が多い。
    そうやって努力しても繋がらない時にはほとんど繋がらない。この電話を電話と呼んで良いのだろうかと疑問に思った。話が通じない電話なのである。当然日本からの着信もできていなかった。
    私が四苦八苦している時に友だちの携帯に着信があった。えっ、あれれれっと思ってその携帯を見ると「NOKIA」であった。その電話はなぜ使えるのか、いつでも使えるのかと聞いたら、電話だもの通じるさ、と言われてしまった。おまけに、アポ島からでも掛けられるよ、と言う。私はさっそくその電話を借りて日本の自宅をコールしてみた。すぐに呼び出し音が鳴った。
    電話会社によってこれ程違いが有るのかと驚いたが、ちょっと考えてすぐに納得した。安い電話器を提供している会社ほど繋がりにくいのは当たり前なので有る。電話器が安いと沢山売れる。たくさん売れてたくさん掛ける。そうなると昔の仙台の夜7時と同じ状態になって繋がりにくくなる。
    「NOKIA」は高かった。6300ペソ=16000円である。レストランなどで携帯をテーブルの上に置いているのを見てみると、「NOKIA」は少なかった。街中で若者が携帯を持っている姿も見られるが、安い機種である。1800ペソ=4500円程度のものが多かった。
    余談だが、ドゥマゲッティーの若者が携帯で会話する事はほとんど無い。使うのは1通話4ペソのメールのやり取りである。仮に話したとしても実に短い。私もそうしたいが、英単語なんてとても打てないので使っていない。
    ドゥマゲッティーで携帯を見かけるようになったのは4〜5年前だと思う。向い側のセブ島のリロアンにアンテナが立っていて、(マリンビレッジのダイビングポイント・アンテナの物がそれです)そこの電波を利用していると聞いた。その当時は今よりもずっと繋がりにくく、私の住む村では当然全く使い物にならなかった。今はネグロス島側にもアンテナが有るのだが、日本のように携帯から逃げるのは不可能と言える程のエリアをカバーしているわけでは無いようだ。
    取り敢えず私も買い替えて「NOKIA」を手に入れてなんとか繋がってはいるが、夕方はやはり繋がりにくい。
    ちなみに有線の電話を引くのは結構な金持ちである。固定費がかかる上に設備も携帯より高い。しかも、家の近所に電話線が来ているのは街場だけである。幹線道路沿いと言えども電話線が来ていない場所は多い。
    流石に優先の電話は安定していて、FAXの受信や国際電話の通話も安定している。だが、その回線にパソコンを繋いでみるとびっくりする。最高でも9600がやっとである。画像のやり取りや重たい目のソフトのやり取りなんてとんでもない、である。
    しかも私の友人が繋いでいたプロバイダーはこの春、突然繋がらなくなったと思ったら、夜逃げしていた、と言う。
    地球は狭く小さくなった、地球はネットで繋がっていて情報のやり取りは瞬時であると言う・・・間違いではないのだが、そこに一言付け加えてほしいと思う。「そう思う人たちの間では」と。

    では、また。

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