99東京国際女子マラソン(11/21・東京国立競技場発着) 世界最高:テグラ・ロルーペ 2’20”43(99ベルリン) 日本最高:高橋尚子様 2’21”47(98アジア大会) 大会記録:カトリン・ドーレ 2’25”24(87年) |
本紙 | BIB | 選手名 | 所属 | 自己ベスト | 直近の成績 | 寸評 | ||
△ | 1 | ファツマ・ロバ(25) | エチオピア | 2’23”21 | 99・8・29世界選手権 C 2’28”04 |
99・4・19ボストン @ 2’23”25 |
98・11・15東京 G 2’36”22 |
気分良く 走れれば |
○ | 2 | ワレンティナ・エゴロワ(35) | ロシア | 2’23”33 | 99・4・18長野 @ 2’28”41 |
98・3・8名古屋 E 2’28”51 |
97・1・26大阪 途中棄権 |
老いて益 々盛ん |
3 | 孫迎傑(20) | 中国 | 2’25”37 | 99・10・9北京 A 2’31”19 |
99・8・29世界選手権 K 2’30”12 |
99・4・19ボストン J 2’37”11 |
ラビットの 匂い濃し |
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4 | ヤネ・サルマエ(31) | エストニア | 2’27”04 | 99・8・29世界選手権 30 2’41”50 |
99・3・21ローマ A 2’30”40 |
98・4・20ボストン F 2’31”20 |
2年前の 展開なら |
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5 | リュボフ・モルグノワ(28) | ロシア | 2’27”43 | 99・10・17アムステルダム A 2’29”21 |
99・3・14名古屋 @ 2’27”43 |
98・10・20北京 A 2’28”51 |
間隔短いが 苦にせず |
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× | 6 | クラウディア・ドレーアー(28) | ドイツ | 2’27”55 | 99・8・29世界選手権 H 2’29”22 |
99・5・16ハノーバー @ 2’27”55 |
ドイツ新勢力 お手並拝見 |
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7 | エレナ・マコロワ(30) | ベラルーシ | 2’29”12 | 99・6・19ダルース @ 2’29”12 |
前走並みの タイム残すか |
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8 | ルミニツァ・タルポシュ(27) | ルーマニア | 2’31”05 | 99・10・3世界ハーフ H 1’10”33 |
ニューヨーク は不出走 |
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欠場 | 9 | エルジュビエタ・ヤロシュ(28) | ポーランド | 2’31”58 | 99・3・14名古屋 途中棄権 |
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◎ | 31 | 鈴木博美(30) | 積水化学 | 2’26”27 | 98・8・30北海道 途中棄権 |
97・8・9世界選手権 @ 2’29”48 |
97・3・9名古屋 A 2’29”36 |
本気の天才 真価発揮か |
▲ | 32 | 千葉真子(23) | 旭化成 | 2’37”44 | 98・9・6シドニー C 2’37”44 |
新世紀の 扉開くか |
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× | 33 | 山口衛里(26) | 天満屋 | 2’27”36 | 99・1・31大阪 J 2’32”15 |
98・8・30北海道 @ 2’27”36 |
98・5・10トリノ C 2’34”05 |
4強の一角 崩せるか |
35 | 寺内多恵子(26) | 資生堂 | 2’28”10 | 99・4・18ロンドン E 2’28”31 |
99・1・31大阪 G 2’28”10 |
98・4・26ロンドン K 2’36”33 |
駅伝の不振 が気がかり |
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× | 36 | 甲斐智子(23) | 京セラ | 2’28”13 | 98・12・6アジア大会 B 2’35”01 |
98・3・8名古屋 C 2’28”13 |
97・8・31北海道 B 2’36”29 |
高速でも粘 れるかが鍵 |
37 | 山内美根子(26) | 資生堂 | 2’28”52 | 99・4・4パリ B 2’28”52 |
98・3・8名古屋 H 2’29”32 |
95・9・3ユニバ 途中棄権 |
駅伝でブ レーキ |
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38 | 盛山玲世(27) | ユタカ技研 | 2’27”41 | 99・4・18長野 G 2’37”45 |
98・5・10トリノ B 2’32”30 |
96・3・10名古屋 A 2’27”41 |
ラストラン で完全燃焼 |
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39 | 王艶榮(23) | デンソー | 2’28”41 | 98・10・20北京 @ 2’28”50 |
王国再建へ つながるか |
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40 | 上岡正枝(27) | ノーリツ | 2’30”17 | 99・3・14名古屋 C 2’32”41 |
98・3・8名古屋 I 2’30”17 |
98・1・25大阪 21 2’39”34 |
体調不良? 精彩欠く |
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41 | 山崎榮子(28) | 資生堂 | 2’34”05 | 98・11・15東京 I 2’39”34 |
98・1・25大阪 2’35”53 |
97・10・26 2’34”29 |
自己ベスト 更新目標 |
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42 | 風間廣(29) | 資生堂 | 2’34”51 | 99・4・18ロンドン K 2’42”40 |
99・1・31大阪 P 2’38”38 |
98・2・1彩の国 A 2’34”51 |
海外の経験 どう生かす |
【リーフの懺悔(笑)】
(99.11.20)
☆とりあえず、山口さんには脱帽です。 ☆でも、折角大阪で対抗印打ってたんだから、そこで好走して欲しかったなあ。 ☆後は「淡路島女子駅伝」で何の抵抗も無く大越選手の後塵を拝したところとかが不満で印を落としたんだけどね…。今考えると大越選手が強かったということなんだろうなあ。 ☆しかしピロ先輩、両足に豆とは何というアクシデント。マラソンの神様は必死に努力した天才を見捨てるというのか。何と非情なんだ…。 ☆個人的には孫が完走したのには驚愕です。 ☆大阪ではもっとしっかり予想します。以上。 |
【リーフの予想】
(99.11.13)
【総評:4強凌ぎの削り合い】 ☆ということで、ついに東京国際女子マラソンの招待選手が公表されています。13日夜現在ではサイトはまだできていない感じ(おそすぎるぞ)ですが、早く一般参加選手のチェックもしたいです。 ☆では早速、主だったところについてコメントして行きましょう。 ☆しかしこうリストを見ると、もう日本勢では「ピロ先輩vs千葉ちゃん」で決まりです。後は外国勢を倒すことができるかにシドニー行き切符はかかっています。 ☆その外国勢もロバとエゴロワで十分でしょう。他の選手なら日本勢は勝てますよ多分。 【外国招待選手を斬る】 ☆じゃ、まずはファツマ・ロバから。ロバさんは世界選手権では何を思ったか終盤まで自重して結局失敗に終わりました。基本的にはロバさんは「終盤で脚が止まる」傾向にあるので、中盤までには勝負をかけないとダメなんです。例えは古いがいわばアーメド・サラー(ジブチ)のような感じですね。さらに東京は最後に坂が待っている。ここまで勝負をひきずったらまずロバさん今年も負けます。日本が鬼門とかそんなんじゃなくて負けるべくして負けます。どこでロバさんが勝負をかけるかは見物ですが、少なくともアトランタ五輪のようにやすやすと逃がしてくれないでしょう。苦戦ですね。連穴止まりにしときます。 ☆続いてワレンティナ・エゴロワ。エゴロワさんはもう35歳ですが、今年の世界ハーフ選手権で69分台を出して7位入賞しているところをみると老いてますます盛んといった印象を受けます。あの強風の長野マラソンで2時間28分台を出しておりますし、タフなレースでの強さは過去の実績が示しています。外国勢では最も注意すべき存在でしょう。対抗印です。 ☆少し気になっているのが世界選手権9位のクラウディア・ドレーアー。ドーレの引退カウントダウン(といっても2002年だけど)が始まった現状では、待望のドイツ女子マラソン界新勢力といったところでしょう。明日にでも世界選手権のビデオをチェックしてどんな走りか確認したいと思います。 ☆世界選手権で思い出しましたが、あの重戦車ヤネ・サルマエも東京参戦です。とはいえ、2番手集団から追い込むタイプの彼女では今回は出番がないかも知れません。 ☆モルグノワ、孫迎傑は前走から2ヵ月もたたない内にマラソンを走ることになるのですが、モルグノワは昨年も欧州選手権→北京とタイトスケジュールで走ったので問題はなさそうですが、問題なのは孫。上の出馬表を見てください。日本の世界選手権組などは世界選手権→東京すら敬遠しているのに、世界選手権→北京→東京のローテーションですよ。普通に走るはずがない。これは間違いなく今年のボストンで前半ぶっとばした実績を買われて5kまでのラビットとしてやってくるね。そう、去年のニコル・キャロルみたいに(シカゴ→東京だったのね)。 【国内招待選手を斬る】 ☆さて、それでは日本勢にまいりましょう。まずは鈴木博美、ピロ先輩から。まあ、天才が本気で努力しているということだから、下手したらこの1レースのみで燃え尽きるかも知れない危険もあるのですが、それはレース当日には関係ない話。本命印を打たざるを得ません。何せマラソンでは日本人に負けたことがないですから(去年の北海道は除く)。 ☆一方で千葉真子、千葉ちゃんですが、トラック長距離というレベルではいい感じですが、果たしてマラソン練習がどれだけできているのかが不明です。ただ大阪にスライドさせることなく東京出場を決めてきたということは仕上がるということなのでしょう。後は本当のマラソン経験がないところがピロ先輩との決定的な違い。最後まで脚が持つのかという疑念は払拭されません。ということで単穴印。 ☆日本勢でこの2人を脅かすのは山口衛里さんというのが下馬評ですが、ボクはあのフォームではスピードマラソンに対応するのは限界があるのではないかという疑念を抱かざるを得ません。自己ベストを出した98北海道でも最後はアップアップでした。淡路島女子駅伝の走りもぐっとくるものがなかったので、評価を下げました。 ☆また、久々に甲斐智子さんの名前が出てきたので嬉しいところですが、ハーフ等でもあまり目だった活躍を目にすることがなかったので、どこまでスピードマラソンに対応できる力をつけてきたかは不明。98名古屋で見せた粘りが出れば見せ場位はつくれるかもしれません。 ☆他の招待選手は駅伝で不振とか、資生堂さん協賛お疲れさまでした招待とかそんなんばっかりで話になりまへん。個人的には寺内多恵子さんに頑張って欲しいが、いかんせん東日本実業団女子駅伝の成績が悪すぎたので期待しないでみています。 【レース展開を斬る】 ☆レース展開予想はやっかいですね。孫迎傑がどこまでレースを引っ張ってくれるのかわからないですが、とりあえず去年並みの5kの入り(17分前後)になるでしょう。ロバがどこで飛び出すかが大きなポイントとなるのですが、ペースを上げたところで今回の面子ならそれにぴったりくっついていくでしょうから、結局ロバは独走に持ちこむことは叶わないのでは。そうなると急激にペースが下がり泥試合になってしまうことも危惧されます。序盤から泥試合になれば山口さん、甲斐さんにもチャンスが生まれてくるでしょう。 ☆しかしながら、今回のピロ先輩は小出監督が「恐いのは相手選手より(最終調整での)ケガ」というくらいですからきっと物凄いのでしょう。どんな展開になっても最後の坂を登りきる頃には独走しているんじゃないでしょうか、なんかそんな気がします(根拠無しでごめん)。 |
【過去のレース模様】
(1998年)
ラビットのニコル・キャロルが17分を切るペースで引っ張ったため、早くも5k時点で先頭集団は5人。しかしキャロルが消えた後はすぐにペースダウンし、ロバのいた第2集団も先頭に合流。10k地点では先頭集団が9人という展開。 この後もサバイバルな展開は続き、先頭集団7人で迎えた28k、少し市橋とロバが交錯。やむなく市橋が前に出たところでレースは動き始める。ロバは近藤美和子とともに遅れ、30kまでにドーレ、後藤郁代も遅れてしまいついに先頭集団は市橋有里、浅利純子、宮崎安澄の3名に絞られた。 この後は浅利と市橋が交互に先頭に出る格好となり、宮崎はじっくり3番手キープ。しかし最後の上り途中の38k手前で宮崎は力尽き、とうとう浅利vs市橋のマッチレースに。 結局トラック勝負に縺れ込み、最終コーナーでの市橋の仕掛けを凌いで浅利が逆転勝利。95年の東京以来3年ぶりの勝利であった。 優勝 浅利純子 2:28:29 2位 市橋有里 2:28:29 3位 宮崎安澄 2:30:06 5位 カトリン・ドーレ2:31:44 8位 ファツマ・ロバ 2:36:22 |
(1997年)
序盤マゾフカ(ベラルーシ)がペースを作るが、他の選手がそれに応じず1人飛び出す格好となり、5kでは2位集団と20秒の差がつく。 8k手前からようやく2位集団は解体、まずはロバと市橋がマゾフカに追いつく。10kでは7人の集団。しかしここからは集団が膨れる度にロバがペースを上げて集団が解体、しかし暫くすると後続が追いつくという面白い展開になった。 32kでずっと先頭集団を追いかけていたサルマエ(エストニア)が追いつき7人の先頭集団となったところでレースは動いた。伊藤、ロバ、市橋、ジョイス・チェプチュンバ(ケニア)、エレナ・マイアー(南ア)が先頭集団、またサルマエが取り残され、マゾフカは完全に後退。 先頭集団に取りついていたマイアーも一杯一杯で集団から後退、34kでサルマエに捕らえられサルマエが5番手浮上。ロバも34kで脚が止まってずるずる後退、35k手前でサルマエにとらえられる。サルマエこれで4位浮上。 一方先頭では伊藤真貴子がペースアップ。市橋がこれについていけず遂に伊藤、チェプチュンバの一騎討ちに。終始主導権を取った伊藤は38kあたりからじわじわとチェプチュンバを引き離して追撃を許さず快勝。市橋は35kの給水地点でサルマエにかわされるとずるずる6位まで後退。サルマエはついに3位までポジションを上げたのだった。 優勝 伊藤真貴子 2:27:45 2位 ジョイス・チェプチュンバ 2:28:02 3位 ヤネ・サルマエ 2:28:23 4位 ファツマ・ロバ 2:30:39 5位 エレナ・マイアー 2:31:00 6位 市橋有里 2:31:25 |
(1996年)
ラビットとおぼしきスーザン・ホブソン(豪)が序盤を引っ張る。混沌とした集団はようやく6kで9人にまとまった。 8kあたりからロバが飛び出し、後続と少し間を空ける。それにともない集団も解体。10k手前で藤村信子、マシャド、ジリアエバがロバに付く。10k地点で6秒ほど離れている第2集団の4人の中には山口衛里、小幡佳代子、寺内多恵子といった今や一線級に名を連ねる面々がいた。 15kを過ぎてアトランタの再演とばかりにロバが独走態勢に入る。ジリアエバは2位争いからも後退し、藤村とマシャドが差をつけられつつも追走。 折り返してからマシャドが藤村を置いて単身ロバを猛追、24k手前でついにマシャドがロバに追いついた。しかしロバは25k手前でもう一度マシャドを引き離す。マシャドはこれに諦めることなく粘りつづけ、31kで再びロバを捕らえ、33kで逆にロバを突き放した。 この時点で勝負あったと思いきや、この時点で30秒離されていた藤村が粘り、幸いにもデッドヒートに精魂尽き果てたマシャドとの差をみるみる上り坂で詰め、40kの給水ポイントでとうとうマシャドを捕らえて一気に抜き去ってそのままフィニッシュ。35kから40kの5kをマシャドは19分以上費やし自滅したために転がり込んだタナボタ勝利とはいえ、なかなか見応えのあるレースには違いなかった。 優勝 藤村信子 2:28:58 2位 マヌエラ・マシャド 2:29:32 3位 リズ・マッコルガン 2:30:50 5位 寺内多恵子 2:33:33 7位 山口衛里 2:35:23 8位 ファツマ・ロバ 2:35:54 |
(1995年)
ラビットとおぼしきセルヴィン(メキシコ)が序盤先頭を引っ張り、5kは17分31秒の入り。そのために先頭集団は大集団となった。5kを過ぎてからはソバンスカ(ポーランド)が積極的に前に出てきたために集団は徐々に淘汰されていく。11k手前で14人にまとまった先頭集団はサバイバルに突入。1人また1人と集団からこぼれていき、折り返しを迎える頃には先頭集団は9人に整理されていた。その後も26kでココウスカ(ポーランド)、30kで川口紀子、34kでソバンスカ、マッコルガンも遅れついに先頭集団は5人に絞られた。 原万里子が先頭、2列目に吉田直美と浅利純子、3列目にエゴロワと後藤郁代というオーダーで終盤の坂を上る5人。37.8kで終世語り継がれるであろうあの浅利、吉田、後藤の交錯・転倒が。原がこのタイミングで勝負を賭けスパート。浅利は38.5kでエゴロワと並んで2位グループを形成するも、原との差は開く一方。一時は10秒以上の差がついた。しかし坂を登りきった40k手前から原の脚が止まり後続からの猛追を受ける。転倒した際靴が脱げ大幅なロスをした吉田も道中後藤をかわして4位浮上、必死に前との差を詰める。勝負の方は途中エゴロワを突き放した浅利が原を競技場入り口で捕らえてトラック勝負に持ちこみ、原の仕掛けを凌いで逆転勝ち。アトランタへの切符を掴んだのであった。 優勝 浅利純子 2:28:46 2位 ワレンティナ・エゴロワ 2:28:48 3位 原万里子 2:28:50 4位 吉田直美 2:28:56 |