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大阪国際女子マラソンを斬る!

【大阪国際女子マラソン出馬表】

※勉強不足のため、間違い等あるかもしれませんが大目に見てくださいね。
2001大阪国際女子マラソン(1/28・長居陸上競技場発着)

世界最高:テグラ・ロルーペ 
2’20”43(99ベルリン)
日本最高:高橋尚子様    
2’21”47(98アジア大会)
大会記録:リディア・シモン 
2’22”54(2000年)
本紙 BIB 選手名 所属 自己ベスト 直近の成績 寸評
エルフェネッシュ・アレム(25) ルーマニア 2’24”47 00・9・24シドニー五輪
E 2’26”54
00・4・9長野
@ 2’24”55
00・1・30大阪
C 2’24”47
フランカ・フィアッコーニ(35) イタリア 2’25”17 00・12・10ホノルル
B 2’30”19
00・11・5ニューヨーク
A 2’26”03
00・9・10ベルリン
A 2’26”42
権 垠珠(クォン・ユンジュ)(23) 韓国 2’26”12 00・4・16ロッテルダム
K 2’41”25
97・10・26春川
@ 2’26”12
ソニア・オベレム(27) ドイツ 2’27”25 00・9・24シドニー五輪
24 2’33”45
00・5・21ウィーン
B 2’27”25
00・1・30大阪
G 2’31”03
エルズビエタ・ヤロシュ(29) ポーランド 2’31”58 00・10・15ミュンヘン
@ 2’37”34
00・4・16デブノ
D 2’46”33
99・3・14名古屋
途中棄権
マルレネ・フォルトゥナト(31) ブラジル 2’33”35 00・5・21プラハ
H 2’40”57
00・3・19バルセロナ
A 2’33”35
コンスタンティナ・ディタ(31) ルーマニア 2’34”35 00・10・15イスタンブール
A 2’37”57
99・8・29世界選手権
R 2’36”28
× レスティチュタ・ジョセフ(29) タンザニア H1’07”59
× 31 小幡佳代子(29) 東京陸協 2’25”14 00・11・22シカゴ
D 2’31”59
00・4・30シドニー
C 2’43”10
00・1・30大阪
D 2’25”14
欠場 32 麓みどり(29) デオデオ 2’27”55 00・9・10ベルリン
J 2’34”56
00・3・12名古屋
C 2’27”55
欠場 33 堀江知佳(19) 積水化学 2’29”12 00・4・9長野
C 2’29”12
欠場 34 寺崎史記(28) デオデオ 2’30”42 00・9・10ベルリン
N 2’39”55
00・3・12名古屋
M 2’35”05
99・9・26ベルリン
E 2’30”42
35 杉原愛(25) 大塚製薬 2’32”11 00・8・27北海道
C 2’35”47
00・3・12名古屋
23 2’37”10
99・10・24シカゴ
P 2’37”13
36 山内香織(24) 富士銀行 2’34”38 00・1・30大阪
L 2’34”38
99・1・31大阪
21 2’40”41
98・3・8名古屋
28 2’40”50
37 松岡理恵(23) 天満屋 2’35”10 00・8・27北海道
A 2’35”10
38 前田祐子(22) 九電工 2’35”34 00・3・12名古屋
22 2’36”55
99・10・09北京
N 2’38”23
99・3・14名古屋
K 2’35”34
39 前田明美(22) 関西電力 2’35”48 00・3・12名古屋
O 2’35”48
欠場 40 赤木純子(25) 積水化学 2’36”03 99・8・29北海道
C 2’36”03
41 西友子(24) 九電工 2’36”03 00・3・12名古屋
P 2’36”03
42 北村智子(24) 小島プレス 2’36”22 00・3・12名古屋
R 2’36”22
9・11・21東京
P 2’40”28
43 渋井陽子(21) 三井海上 H1’09”31

【リーフの懺悔(笑)】

(2001.1.28)

☆ジョセフのペース設定が、容赦なく去年と同程度になったのでちょっと考えてた以上の前半になってしまいましたね。もうちょっと抑えれば後ろもついてきてくれて見た目には面白くなったかも知れないですが。

☆まず、予想以上に小幡さんの出来が悪かった。「7割のでき」だとあのくらいになってしまうんですね…。アレムも止めるまでとは思わなかった。そこまで予想は無理っす(^^;

☆順位予想からすればまずまずの予想だったと思います。初マラソン世界最高も見出しどおり出たしね。

☆せめてこのくらいの精度では毎回予想していければいいのですが。うん。
【リーフの予想】

(2001.1.28 10:00AM確定)

【総評:渋井、初マラソン世界最高へ驀進】

☆優勝争い、日本人トップ=世界選手権代表争いもさることながら、国内招待選手の大半が25歳以下ということに注目。
アテネを円熟期で迎える若手の品定めをするのがここは一番楽しい見方かもしれません。そう、4年前の橋尚子様がそうであったように。また、マラソン経験の少ない人も多く、ここで一気にブレイクしてもなんら不思議ではありません。ま、それだけに予想も難しいということでしょうか(と、先に予防線を張っておくリーフであった)。

☆しかしながら、ここに来て
渋井陽子さんの自信みなぎる言動を見るにつけ、初マラソン日本最高どころではなく、キャサリナ・マッキーナンのもつ2時間23分44秒(初マラソン世界最高記録…だよね?)まで十分ある、という結論に達しました。このあたりとの記録の比較(ちなみに5kを17分02秒ペースで2時間23分44秒です)も気にしてレースを見ると楽しいかも。

☆順位で予想するなら、

優勝 渋井陽子
2位 エルフェネッシュ・アレム
3位 フランカ・フィアッコーニ
4位 松岡理恵
5位 小幡佳代子
6位 前田明美
7位 ソニア・オベレム
8位 クォン・ユンジュ

くらいな感じで。


【外国招待選手を斬る】

とにかく、エルフェネッシュ・アレム(エチオピア)に尽きるでしょう。持ちタイムは今大会ナンバーワン。しかし、隙がないわけではないですから。ずばりそれは、彼女もまたロバと同じく「アーメド・サラー症候群(終盤でぱたっと脚が止まること。リーフの造語)」である可能性が高いということです。
 去年の3レースを見てみますと、いずれも35k以降は(程度の差はあれ)脚が止まっています。大阪では故障を抱えていたという話もありますが、とにかく
35k以降の走りには付け入る隙がかなりある、ということです。直前コメントも小生からすれば若干物足りない。ここはロンドンへの叩き台として、100%には仕上げてないんじゃないかなぁ?なので対抗印。

☆続いて、今月も走ります、
フランカ・フィアッコーニ(イタリア)。何といってもニューヨークを2時間25分台で制した実績もありますゆえ、35歳といえども好走は十分期待できるところです。しかし昨年のベルリンで松尾和美さんにやられてしまったところで恐怖感は殆ど払拭されてしまいました。日本選手にとっては格好の相手のなりそう。優勝までは流石に無理だという評価が順当でしょう。早く休んで春のシーズンに備えてください。

☆少し読みにくいのが
レスティチュタ・ジョセフ(タンザニア)小生は99%ラビットと思っているんですが、何せ小生のラビットに関する眼力はへっぽこなので、もし完走するようなことがあったらそりゃもう世界のスピード、ハーフ68分台をクリアしてるわけですから、すんごいことが起こっても不思議じゃない。そういう意味で注意印を打っときます。Jチェプとかと一緒に練習してきてるとか、1日30k走ってるということを聞くと、最後まで走る気があれば走れるだろうと。

☆クォン・ユンジュ(韓国)も不気味なんですけど、ここは格が違うということで無印。他の外国招待選手についても無印でよろしいでしょう。


【国内招待選手を斬る】

☆まずは、今や大阪の顔といってもいい
小幡佳代子さん(東京陸協)宮崎女子ロードで自己ベストを出していい感じのようにも見えるんですが、なにより浅利さん情報で「予定の7割」というスケジュール消化具合に、これは今年も30k以降は持たないと判断。ただ、意地と粘りは天下一品ですから、底力の発揮の期待を込めて注意印は打っておきます。ここ2年は30kからもそうなんですが、35〜40kで18分以上かかるほどダウンしている点が克服できれば、と思いますが今回に関しては流石に厳しいかなあと。

☆ということで本命印は、主催者側も期待をかけまくりの
渋井陽子さん(三井海上)。2000年の都道府県駅伝での「2000年問題(死語)で誤作動が起きたのでは」と自ら言わしめた区間賞からの快進撃はここでも止まらないでしょう。記者会見で土佐さん越えでVを宣言したものの、その直後には「狙っているのはそんなもんじゃない」との発言。もらっている設定タイムも去年の弘山さん並みのものということで、するとまかり間違えば日本最高まで行ってしまいかねないというのがわくわくさせてくれるんですよね。怖いのは未知の距離に対する適性だけか。それとも目に見えないプレッシャーか。

☆もし、
伏兵の一発があるとすれば、やはり松岡理恵さん(天満屋)しかいないでしょう。高速マラソンに対応できるだけのスピードは持っているのは1万やハーフの持ちタイムから推測されます。今週になって調子が上がってきたそうで、2時間26分を切りたいとコメントは控えめですが、もしレース展開がまぎれてくるとチャンスは巡ってくるかも。コメントどおり無心で走ることができるか。

☆後の日本勢は、もう全然無印でOK。もし上位に食い込んできたら素直に喜びます。

【レース展開を斬る】

☆ペースメーカーと思われるジョセフのペースメイク次第で、レースは面白くなる可能性もあればぶち壊しになる可能性もあり非常に注目でしょう。前半は5k17分平均で行ってもらえれば十分ですし、ジョセフがいればそのレベルなら大丈夫でしょう。

☆しかし、今回は
渋井さんがいます。多分5kまでは鈴木監督に言われたとおり抑え目で入るでしょうが、「1k、5kのペースが遅ければ自分で行くしかない」と言っておるとおり、その後は自分でペースを作ることになるかと思います。いや、前に行きたがる性格ならそれで行くべき。抑えて肝心な時に脚が動かなくなったら目も当てられません。

☆じゃあ、渋井さんが飛ばし始めた時、誰がつけるのか?アレム、ジョセフはつけるでしょう。小幡さんも当然つくでしょう。問題はその他の選手ですね。ここでつける勇敢な若手選手にエールを送りたいと思います。みんな、去年の下司さんのように勇敢に戦ってほしいなあ。

☆で、中間点で早くもアレムvs渋井の一騎討ちの展開(ハーフ71分前後)になっているのが記録的には一番期待ができる展開でしょう。上記4人に松岡さん、フィアッコーニあたりの6人程度がいる展開(ハーフ72分台)だとまだ後半のペースアップに期待が出て楽しみだと思います。少し練習量に不安がある小幡さんとしてはこのような展開になることを望んでいるんじゃないでしょうか。…
予想としてはこの中間で、渋井さん、小幡さん、松岡さん、アレム、ジョセフが中間点を71分30秒程度で通過、そしてジョセフは御役御免って感じぐらいかなあと。

☆後半は、とにかく99名古屋の川上優子さんのようにがくんとこないことだけを祈ります。

渋井さん、僕たちに夢、みさせてくださいよ。

【過去のレース模様】

(2000年)

 90年代前半の日本女子マラソン界を牽引してきたビッグネームの夢はあっけなく打ち砕かれた。浅利、安部、そして有森…。15kで早くも先頭集団は7人、中間点でタルポシュ(ルーマニア)が御役御免となったものの膠着状態は続く。

 しかし高速のレース展開に、ここまで粘っていた下司則子(九電工)、小幡佳代子(営団地下鉄)も30kを過ぎて力尽き、勝負は外国勢3人対弘山晴美(資生堂)という図式になった。

 まずは35k過ぎからエルフェネッシュ・アレム(エチオピア)が一杯となり脱落。五輪選考のためにタイムも考えねばならない弘山は残り5kで果敢にスパート。40k地点ではリディア・シモン(ルーマニア)、エスタ・ワンジロ(ケニア)に10秒強の差をつける。しかしシモンはここから力を振り絞り、残り500mで遂に弘山を捕らえたのだった。


優勝 リディア・シモン     2:22:54

2位 弘山晴美         2:22:56
3位 エスタ・ワンジロ     2:23:31
4位 エルフェネッシュ・アレム 2:24:47
5位 小幡佳代子        2:25:14

(1999年)

 最初の3kは10分36秒というスローな出だしも、ロードに出てからペースが急激に上昇。パメラ・チェプチュンバ(ケニア)と掛端美歩(営団地下鉄)がぐんぐん集団を引っ張っていたためだ。そのままのペースで10kまで行ってしまったため、4kで伊東真貴子(第一生命)。5k過ぎで安部友恵(旭化成)といった名の知れた選手でも早々と後退するケースが目立つ。14kを過ぎてP.チェプチュンバと前年の北海道で優勝した山口衛里(天満屋)が後退し、15kでは早くも先頭集団は8人になった。

 15k以降は掛端のペースも鈍ったため、集団のペースが落ち込む。20kの給水で後ろから迫っていたニコル・キャロル(豪)に追いつかれる。キャロルがそのままのペースで行こうとしたため集団はそれに付き集団に取り込んだ。ここで掛端は力尽き後退した。人数は変わらず8人で25kまで通過。大阪城内で力の落ちるパトリシア・ハルドン(メキシコ)が置いて行かれ、30k手前で藤川亜紀(ラララ)も集団から脱落。

 30kの給水で一気にペースアップ。テグラ・ロルーペ(ケニア)とリディア・シモン(ルーマニア)にエスタ・ワンジロ(日立)が何とか対応。小幡佳代子(営団地下鉄)も懸命に付く。市川良子(JAL)は脚がつったこともありずるずる後退。粘っていた小幡も31.5kで力尽きた。ワンジロも32k前くらいからじりじり引き離され優勝争いはロルーペとシモンの一騎打ちとなった。

 33k過ぎで一旦ロルーペが仕掛けて5mほどの差をつけたが、シモンはあわてず1kほどかけてその差を詰める。ロルーペは37kで再び仕掛けたが1度目よりも効果はなくすぐに並走となる。結局長居運動公園まで勝負は縺れ込んだが、最後の2.195kを7分丁度でカバーしたシモンのペースの前にロルーペは残り約1k地点でギブアップ。遂にシモンが大会新記録で2連覇を達成、ガチンコ勝負でロルーペを倒したことで一気に世界の超一流の仲間入りを果たしたのであった。


優勝 リディア・シモン  2:23:24

2位 テグラ・ロルーペ  2:23:46
3位 エスタ・ワンジロ  2:25:40
4位 小幡佳代子     2:26:18
6位 安部友恵      2:27:05
7位 藤川亜紀      2:27:42
9位 市川良子      2:32:10
11位 山口衛里      2:32:15
14位 伊藤真貴子     2:34:18

(1998年)

 普段であればペースペーカーとおぼしき外国人選手がレースを引っ張ってくれるのだが、今回はそれがなくがんじがらめの出だしになってしまう。淡々とレースはスローな展開で続き、20k地点では先頭集団は15人。中間点を過ぎてからようやくカトリン・ドーレ(独)、テグラ・ロルーペ(ケニア)、リディア・シモン(ルーマニア)が先頭を引っ張り始めて集団に活が入る。25kを迎える頃には先頭集団は10人に絞られた。しかしペースはまた落ち着き、後方から先頭集団に追いつく選手も出てきて30kでは先頭は11人になった。

 32.5kの給水でようやくレースが動く。まず逸見八重子(国士大)が力尽き、33kで小幡佳代子(営団地下鉄)が離されていく。34k過ぎではアドリアナ・フェルナンデス(メキシコ)、神田香織(ダイハツ)も遅れ先頭はこれで7人。35kの給水ではナタリア・ガルシコ(ベラルーシ)が遅れこれで6人。38kから市川良子(JAL)とロルーペがじりじりと離されて遂には優勝争いはドーレ、シモン、後藤郁代(旭化成)、小川ミーナ(日立)の4人に絞られた。

 40kを過ぎてドーレ必勝パターンのスパート。後藤がこれに付き、シモンは一歩引いて虎視眈眈。小川は既に一杯。残り1kで後藤も一杯になったところで今度はシモンが前に出てイニシアチブをとる。このまま競技場前でドーレを振りきり大阪初優勝を飾った。


優勝 リディア・シモン  2:28:31

2位 カトリン・ドーレ  2:28:38
3位 後藤郁代      2:28:43
4位 小川ミーナ     2:28:47
5位 市川良子      2:29:29
7位 テグラ・ロルーペ  2:30:26 

(1997年)

 ペースメーカーとおぼしきエスタ・キプラガット(ケニア)が先頭を引っ張る前半、20kを迎える頃にはそのキプラガットを先頭に11人の集団、中間点までにさらに2人が脱落し9人に集団はスリム化する。

 22k前でキプラガットがこのレースで再三見せた飛び出し(なのか指定されたペースを守ろうとしていたのか)を見せる。これに原万里子(富士銀行)と高橋尚子様(リクルート)がついていく。ヴァレンティナ・エゴロワ(ロシア)、カトリン・ドーレ(独)、レン・シューチュアン(中国)、リディア・シモン(ルーマニア)の4人は後方待機、小松ゆかり(天満屋)、野村洋子(資生堂)がその後ろという展開。一旦先頭についていた高橋尚子様は下がり始める。

 25kの給水でキプラガットは御役御免となり、残された原の一人旅が始まる大阪城内。高橋尚子様はここで後続の集団に追いつかれて、2位集団はレン、高橋尚子様、ドーレ、シモン、野村、エゴロワの6人に。城内でのドーレのペースアップに高橋尚子様と野村が後退、28kでシモン、レン、エゴロワも突き放し単独2位に浮上。一方エゴロワは30kで3位集団からも後退し結局途中棄権に終わる。

 31k前でドーレがついに原を捉える。原はもう一度引き離そうとするがすぐに付かれて並走状態に。こうなると地力の差がものを言う。36.6kでドーレが満を持してスパートした時には原にはもう力が残っていなかった。ドーレの完勝で大阪2連覇達成であった。


優勝 カトリン・ドーレ  2:25:57

2位 原万里子      2:26:54
3位 リディア・シモン  2:27:04
4位 レン・シューチュアン2:28:54
7位 高橋尚子様     2:31:32