第26話
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2005  6/12 UP

「サイキック(超能力)と聞いて普通はこの現実には存在しない。有るはずも無い・・・

そう答えるであろう。

それは大きな間違いである。

人間は自分の目で見たもの、聞いたもの、体験した事は素直に信じるが

そうで無い事柄は信用しない。しかし・・・

その個人が見えている事が全てではないのだ。

簡単に言えば、君が見えている事が、この世の中の全てではないと言う事だ。

君の見えていない所でもその真実、事実は繰り広げられていると言う事である。

サイキックが4次元以上の次元の産物とするならば、それを見る機会は無いに等しいだろう。

しかしながら、その存在を否定する事は出来ない。

そして、4次元以上の理解に苦しむのは何も、3次元の我々だけでは無い。

と言うのは、2次元の存在にしてみれば、

我々3次元の存在すら信用できない事だからである。

2Dのイラストに言わせれば、

3Dの人物の顔の裏に後頭部があるとは想像もつかない事である。

2Dのイラストは顔の裏にはひっくり返った顔があると思っているだろう。

他にも、2Dの世界の者には移動すると言う概念が無い。

彼らは平面に存在するだけである。ボールのように跳ねたり転がったりは出来ないのだ。

2次元の彼らにとって、我々3次元の物体は超能力、すなわちサイキックを使っているとしか

考えられないのである。」

「なるほど・・・サイキッカーとして柔軟な思考回路が必要と言う事ですね」

吉野のうんちくに田中は野太い声で答える。

「で、ブラインドの力(サイキック)も利用するのですか?」 村上は問いかけた。

ブラインド参照

「その通りだ」 吉野は電車の車掌が敬礼するような仕草をした。(出発進行の合図)


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「ここだわ・・・」 朝倉朋子は家賃の安そうなボロアパートに高志たちを連れてきた。

「よし、ここは俺に任せやーて」 天白エイジは腕まくりをして階段を上がってい行く。

ドアまで行くと何やら道具を出して鍵をガチャガチャやっている。

「おい、エイジそれって・・・」 高志は止めようとしたが

「ええやん、相手はストーカーやで」 石黒アキラは言った。

エイジはてこずっているようだ。

なかなかあかない・・・

「泥棒は5分で開かない鍵はあきらめるらしいで・・・」

エイジは煙そうな顔でこっちを見た。

「無理そうやな・・・」

金属製のピックが折れた

プチ!

何かもう一つプチッと切れた音が・・・

「こらぁ!!北村!!」 エイジはでかい声を張り上げた。(エイジの血管のプチね)

「何や・・・小細工でけへんのか・・・」

「結局は強行突破なのね・・・」

部屋の中でビデオを見ていた男、そう・・・何を隠そう

朋子をストーキングしていたあの北村信吾である。

エイジは扉をはがした(おいおい)

「アイ・ウィルビー・バーック」 エイジが無表情で何か英語らしい言葉を発した。(ターミネーターか?)

「お前、全然似てないって・・・顔丸いじゃん。しかも、なんでバックなんだよ」 高志は突っ込む。

「そや、ここへは初めてやで、戻ってきてない・・・」 アキラも突っ込む。

「な、何なんですか!?あんた達!」 北村が奥から出てきた。

「北村か?」 エイジはまだターミネーターのつもりらしい・・・
     
「そうだけど・・・」

エイジは土足で進入して北村を連打した。

「おいおい!」 さすがに高志は止めたが既に北村は意識を失っている。

すかさずエイジは中に入り込む。

エイジの視点になり(ターミネーターの機械音付き)あたりを確認している。

「勝手に入って、お前・・・」 エイジを追う高志たち。

「何探してるんだよ」

エイジの視点で赤いターゲットが何かをロックオンした。

「ピッピッピッ」

「口でゆうてるやん」

床下にある取っ手をエイジは引き上げた。すると・・・

床下収納である。中に隠してあった品々が散乱した。

「あああ!こっ!これは!?」 朋子が声を上げた。

女性の下着や衣類であるが、朋子には見覚えがあった。

すべて朋子の物である。

「あああん!ちょっと見ないで!」 

パンティーがひらついてエイジの頭に覆いかぶさった。

真顔でエイジは 「アイ・キャプチュアー・イット」 頬が赤くてれ顔になる。

「あったのか!?」

「それや!」

そこにまぎれてマハマンのお守りがあったのだ。

北村は朋子の部屋に入り込み色々物色しては持ち帰っていた。

その中にマハマンのお守りも入っていたのだ。

先回りした奴とは北村信吾だった。

「そうか・・・どうりでなー。あいつらも見つけられない訳だ。」 高志は謎が解けた。

「とりあえず撤収だ!」 高志は引き上げの合図を出す。

「こいつどないする?」 

「ほっとこーぜ。早く戻って次の作戦に移るぞ!」 

エイジは扉を修理してから帰った。


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ブラインドは高志の位置をそれとなく感知していた。

「村上、田中、場所を特定したらすぐに出発するぞ」 

「了解!」

「モニターを私のノートパソコンで表示できるようにリンクしました」 田中は言う。

「よし、行くぞ」

「ブランカーは抹殺せねば、我々サイキッカーの天敵となる・・・」

そこへリリスが現れた。

「なるほどね・・・マンティスなら物理的にあの子を葬れるって事か」

「そう言う事だ」 吉野は勝ち誇って言う。

「私もスラードで追い討ちをかけるわ」  

「止めておけ。ロケムに気づかれるとまずい」

「平気よ。それにロケムはリリスにほの字なのよ。うふふふ」

絶体絶命のピンチは刻一刻と高志たちに近づいている。
                       ロケム

つづく・・・

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