第二話
謎の組織
2004 11/01 UP
午前2時過ぎ。都会の真夜中は行き来する車の数も減り、人気も無く静まり返っている。
一人のサラリーマン風の男が息を切らして走ってくる。
何かに追われているようだ。まじめそうな中年ぶとりした38歳くらいの男だ。
とうとう追い詰められた。
相手は三人組だ。三人とも眼鏡をかけている。この三人もまたスーツを着ているサラリーマン風の男
たちだ。
「楽しませてくれるじゃないか」
「もう終わりか?」
「逃げたらどうかね?」
三人とも眼鏡をかけているし、スーツを着ているので、誰が言ったのかよくわからない。
この光景は親父狩りだ。しかし中年の男が中年の男を狩っている。
すると、三人組は何やら奇怪な事をしでかした。
三人ともがその一人の男に指をさしたのだ。その時!
指の先からオーラが発射された。まるで、そう、火炎放射器のように!
男は見る見るうちに炎に包まれた。そしてもがき、苦しみ、最後には息絶えた。
「本当にこいつがブランカーなのか?」
「ブラインドが見つけたらしいからな。」
「俺たちはいつまでこんな事をしなければならないんだ?」
「この世界からブランカーが絶滅するまでだ。」
ブランカー?どうやらこの三人組はブランカー狩りをしているようだ。
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ブラインド・・・直訳すると盲目だが、まさにそうだった。彼女は目が見えない。
暗い部屋に閉じ込められているようだし、後頭部から何やら線が生えている。その線が横に置いてある
物騒な機械につながれている。
彼女が思い描いた物はこの機械を通してスクリーンに映し出される仕組みになっているようだ。
アイマスクみたいな物で目を隠されている。舌を噛まないようにマウスピースの様な物が噛まされている。
苦しそうな表情で彼女は半開きになった口から唾液を垂らしている。
そこへ一人の男が入ってきた。「ブラインドよ。次のターゲットは見つからないのか?それとも、ブランカーは絶滅したのか?」
ブラインドは首を振る。「けっ!また犯されたいのか!?」
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センター長と呼ばれているこの男は、時より、用も無いのにここへ来て、彼女の体を好きにしている。
犯されたいわけではない。お前が犯したいだけだろう!と突っ込みたくなるほどだ。
「センター長!ただいま帰還しました。」三人組の声がしてセンター長はあわててチャックをもどしている。
「早かったな。もう少し楽しんで来れば良かったのに・・・」
「センター長。またここですか?・・・うっ!くさい・・・」
「吉野。で、手はずはどうなんだ?」
まったく・・・女の香水とよだれと彼女の体臭の匂いがまざりあってとんでもない匂いとなっている。
「オレロフは何をしている?」センター長は尋ねた。
「あの外人は特殊部隊の女に手こずっております。」
「おんなにか?!」
「あの女狐の力は特殊です。力学を無視した力を体にやどらせる事が出来るようです。」
「簡単に話せ吉野。」不機嫌そうにセンター長は言った。
「例えば、人間のこぶしでは壁をぶち抜く事は出来ませんが・・・。拳をまるで鋼鉄のように硬くし」
「さらに何か力のオーラをまとい、とてつもない破壊力を生むそうです。」
「拳に?ばか者。接近せねば良いではないか。」
「うぐ・・・そうではございますが・・・」 バカはどっちだ。戦闘に入って接近しないように戦うのは至難の業だ。
「とにかくオレロフに一度顔を出せと伝えろ。」
「はっ了解しました。」
「そろそろ、あの精神医学博士のマーピックにオレロフ氏を紹介してやるか・・・」
「ふははは・・・度肝を抜かれた様子が目に浮かぶわ・・・ふははははは・・・」
つづく・・・