南風のたよりNo97


    ドゥマゲッティーから、の便り


     鶏小屋を作った

     放し飼いの鶏が自由に走り回ると、いざと言う時に食い物にならな事が先日判明してから、どうにかして鶏小屋を作りたいと思っていた、
    いやいや、金で済まそうと思えば、大工の日当を2日分程払えば出来てしまうのだが、それはしたく無い。
    と、言う事は、自力で製作と言う事で、竹と椰子の葉っぱで作ってみた。
    20本程買って来た長い竹を半分に切り、さらにそれを細かく割いて板状にする。
    スズメが入り込めない程度の間隔で竹を冊状に打ち付けて行く。
    屋根には、庭に植えてある若い椰子の木の葉っぱを切り落として敷き詰めた。
    この程度の屋根では雨漏りが激しいが、それは心配無用なのだ。
    鶏小屋の中に鶏の巣を作ってやると、雨が激しい時はそこに入っているので大丈夫なのだ。
    当然卵も巣の中に産まれて、そして雛に孵る。
    ところで、せっかく出来上がった鶏小屋に入れられない鶏が4羽も、未だに庭を駆け回っている。
    ほとんど野生と言っても良い鶏は、簡単には捕まらないのだ。
    罠を仕掛けてすぐに10羽は捕まえたのだが、残りの4羽がしぶとく逃げ回っている。
    夜に捕まえれば・・・と思ったのだが、夜はマンゴーの木の高い所で寝ているので、捕まえる事は出来ないのだ。

     マンゴーの木

     庭に有るマンゴーの木はとても立派に育っていて、日中の陽射しの厳しい時間にも、涼しい日陰を提供してくれている。
    とても気に入っているマンゴーなのだが、この木には実がなった為しがないのが少し不満だ。
    花が咲き、小さな実を結び、その中の幾つかは大きくなって、後一息だと思うと落果してしまうのだ。
    昨年はマンゴーの実に袋も掛けたし、消毒の業者も頼んで十分な手入れをした。
    それでも、後もう少しで収穫出来るなと言う時に、ある朝、殆どの実が落ちてしまっているのだ。
    マングナオの先住民族の誰もが、その理由が分らないと言う。
    今年も実は成りそうな気配だ、が、どんな塩梅になるのか分らない。
    ところで、このところマンゴーの木に薬を掛けたような白いものが沢山目立つようになった。
    マングナオの先住民族に、早々と薬を掛けたのか、と聞いたら、それは鶏の糞だと言う。
    ええっと不思議に思ったが、雨のシーズンが終わって、洗い流される事が無くなって目立つようになったのだった。
    そうだ、乾期になってからは夜に来る間もマンゴーの木の下には停められない。
    朝になったら鶏糞爆弾で悲惨な事になっている。

     バンコ

     バンコ・・・語源はポルトガル語で、銀行のバンクの元もこれらしい。
    で、ドゥマゲッティーでバンコと言うと、椅子の事を指す。
    本当は、ベンチの事をバンコと言うのだそうだが、区別が面倒なので、椅子もベンチも引っ括めてバンコと言う。
    先日、日本でラジオを聞いていたら、九州地方の一部や四国では長椅子の事をバンコと言うのだと言っていた。
    私は驚くやら嬉しいやら・・・何が嬉しいのかはちよっと疑問ですが・・・?
    とにかく、私はバンコと言う日本の言葉を知らなくて、フィリピンの言葉としてバンコを使っていた。
    その語呂が同じなだけで無く、意味も由来も一緒と言う事にとても驚いたのでした。
    でも、探せば似たような言葉は沢山有りそうです。例えば、タバコはたばこですし・・・。

     ドゥマゲッティーの水道水

     とうとう私は、1滴のミネラルウォーターも買わなくなってしまった。
    そうです、完全に水道水だけで生活するようになったのです。
    しかし、私程胃腸のデリケートな人も珍しいだろうと自覚している私が飲んでも、全く何も起こらない。
    それどころか、口を開けて何度かに分けて飲むミルラルウォーターのラッパ飲みよりもお腹には安全なようだ。
    ラッパのみをして飲み残したボトルの水は、条件と時間によっては変質するのか、おかしな味になっている事が有る。
    その点水道の水は、いつ飲んでも美味い。
    ネッスルのミネラルも、ネイチャ−スプリングもドゥマゲッティーの水道水には絶対にかなわない・・・と私は思う。
    特に、冷蔵庫で冷やしてあったりすれば何も言う事は無い。
    ドゥマゲッティーの水道水は絶対大丈夫です・・・多分、といい加減な太鼓判を押します。
    ああっ、大きなホテルは貯水タンクから水が来ますから、これは問題外ですよ。
     バスの話し

     セブのサウスターミナルへ行ったらセレスのバスが出たばかりで見当たらなかった。
    しかし、すぐ隣にサンライズと言う、オスロブに拠点を置くローカルバスが停まっていて、リロアン・バトと客引きをしていた。
    私は別にセレスに義理立てする謂れも無いので、サンライズに乗る事にした。
    バスの中はセレスよりも小奇麗で、シートも張り替えてあって、雰囲気はセレスに勝っていそうだった。
    しかし、良く見ると、このシートがとてもインチキなものである事がすぐに分かった。
    サンライズは、左側が3人掛けで右側が2人掛けの特別仕様になっていた。
    本来、左右2人づつのバスに、無理矢理もう一席増やそうと言うのだから、一つの席の幅は狭くなる。
    私の乗ったバスは空いていて、1人で2人がけのシートを占領出来たので問題なかったが、ここに2人掛けはきつかろう、と思った。
    左右のきつさもさる事ながら、前後の足下も微妙に狭めてある。
    セレスだと足下にすっぽり納まる私のリュックがどうしても入らない。
    リュックなどと言うものはかなり融通の利く形をしていて、隙間に合わせて入れようとすれば簡単に変型するものだと思っていたが、サンライズの足下では、どうしても入らなかった。
    と、言う事で、いったい何人座れるつもりなのだろうか、と疑問に思ったので数えてみたら、60人掛け仕様だった。
    小柄なフィリピーナや小学生ならなんとかなるだろうが、南方系の太めの人と隣り合わせた日には、それは地獄だな、と思った。
    そして、流石にオスロブに拠点を置くローカルバスだと思ったのは、停車した時に運転手や車掌の知り合いがいると、ひとしきり世間話をしてからでないとバスが発車しないのだ。
    料金はセレスより30ペソ程安いが、セレスよりも2割り方余計に時間が掛かる。
    もっとも、冷え過ぎで具合の悪くなるセレスよりも、エアコンの効きは程よくて、ここはサンライズのポイントが高い・・・あれい以上は冷えないエアコンなのかも。
    もう一つ、セレスでは廃止になりつつ有るバスの中のビデオだが、サンライズは走っている間ずっとテレビをつけっ放しだった。
    このテレビが不思議で、デジタル放送でも無いのにほとんど画面が乱れないのだ・・・田舎道をがんがん飛ばしてもだ。
    日本人の私には意味の分らないテレビの放送はポイントにはならないが、地元先住民族には好評のようで、ポイントは高そうだった。
    まあ、どっちもどっちで一長一短と言う事で、ターミナルに着いて、待っている方に乗る、と言う事になるのでしょう。

     選挙・・・は面白い。

     もうすぐ選挙だ、と前回も書いたが、選挙が近くなったら道路工事がやたらと増えた。
    そして、やはり「グロリア・アロヨ」の顏写真入りの看板がでかーんと設置されている・・・公費による事前運動だ。
    で、アロヨ大統領程では無くても、事前運動には余念が無い。
    例えば、私の大嫌いなダーウィンのメイヤーは、票にならないダーウィン以外のダイビングボートを追い出して、ダーウィンのダイビング関係者の印象を良くしようとしている・・・ように私は見える。
    来月から、またもやダーウィンのオリジナルルールが発行されて、ドゥマゲッティーのダイビング屋と、ダーウィンでも、外国人が経営している所は閉め出される。
    しかし、完全に閉め出してしまうと騒ぎが大きくなり過ぎるので、少しの逃げ道を残してはある。
    そのハードルをクリアーする為に、またもやセブに行かなければならなくなった。
    マリーナオフィスでボートマンのライセンスやら、メカニックのライセンスやらを整えて、ダーウィンの出張所に出さなければならない・・・らしい。
    MDSなんかはあまり客が居ないので影響も少ないが、ヤヨイのようにレンタルで毎日ボートを出している所は死活問題だ。
    と、言う事で、ヤヨイの所のボートマンも一緒にセブのマリーナオフイスに行く事になった。
    しかし、一番訳の分らない、役にも立たない私は行かなくても良いと思うのだが・・・。
    私を担ぎ出す目的は、緊急時の財布代わり、と言う事だろう。
    ドゥマゲッティーも大変です・・・いろいろと。

     MDSがビーチに窓口を出す。

     ダイビング商売を止めようか、と考えたりもしたが、私にはこれしか無いようで、やっぱり止められそうに無い。
    ならば、と言う事で、儲けられる方法は無いかと思案してみた。
    やっぱり、寄らば大樹の影・・・と言う事で、小判ザメになるしか手は無いのか?と、MDSスタッフ全員一致でサンタモニカに寄生する事になった。
    しみったれた狭いスペースを借りただけなのに、結構強気の賃貸料を請求されたが、まあ、ここは1発勝負だね、と太っ腹を決めた。
    まあ、勝算はある・・・?のかな?・・・いや、あるはずなのだが、やってみないと分らないのがフィリピンだから、私にも良く分らない。
    勝算は、サンタモニカフロントのサンクチュアリーが4月からオープンする事を目論んでのものだ。
    サンクチュアリーの真ん前で、自由に、いつでも、予約も無くやって来てフルレンタルで軽く1本・・・と言うスタイルを取るつもりだ。
    ドゥマゲッティーエリア以外ではこのスタイルが普通で、ホワイトピープルには一番受けるスタイルだ・・・と思っているのだが?
    ワンボートダイブ、20ドル、日本円なら2500円、ぺソなら1000ペソだ。
    サンタモニカビーチの真ん前だから、アフターダイビングにコーヒーの一杯も出しましょう。
    冷たいビールは実費でお願いね、とこんな感じでやろうと思う。
    日本からのパッケージツアーはとてもMDSではやりこなせないから、こんなスタイルを取らざるを得ない。
    まあ、数年前にサンノセのホテルに入って、余りの遠さに辟易して直ぐに撤退した前科もあるので大きな事は言えないが、まあ、なんとかなるでしょう、か?
    明日、少し補修して、ペンキで看板描いて、印刷屋に行って、簡単なチラシを作って・・・上手く行けよぉーと祈る。
    そうそう・・・と、言う事で、MDSのお客さんは、宿泊の如何に関わらず、サンタモニカの施設の利用が可能です・・・トイレもね。

     おもしろい、馬鹿な奴。

     たった今だった。警察官のロイの孫の誕生パーティーを、私の家の数軒先でやっていて、そこで飲んでいた。
    ロイの商売柄、警察官の客が沢山いた。
    そろそろ一部のお客が帰り始めて、そこいら中で騒いでいた。
    中に、少し酔っぱらった人が、携帯電話を手にして、道ばたでテキストなど打っていた。
    そこへ、するするっと、ライトを消したバイクが近づいて、携帯をひったくって行った。
    ロイ他の警官が追い掛けたのはもちろんだが、直ぐに手配をして、この界隈の路地も含めて封鎖した。
    ドゥマゲッティーの警察なんてどうせ暇だから、こんなお祭り騒ぎは皆が大好きだ。
    あっという間に袋のネズミにされたひったくり犯人は、あっけなく御用となった。
    この界隈がどれほど危険な場所なのかを知らない、他所の街の若者だった。
    本当に運の無い人だなぁ・・・と、気の毒だった。


       ではまた。


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