魚取りと大深度ダイビング
12月某日 ?曜日 お客さんのKさんと魚とりに行きました。
仮にもダイビングのインストラクションをする立場であるからして、大きな声でスピアフィッシングをして来たぞと言うのは、ちょっとまずかろうと言う声もたまには聞くのでありますが、まあ、私が多方面に「不良おやじ」であることは、皆様既にご存知と言う事で、今日も魚とりの話であります。
シキホールのポイント名は「ドン・ディスコー」であります。なにやら名前からしてとっても可能性を秘めた怪しい名前だと感じませんか?
スポツトのロケーションは抜群であります。リーフエッジぎりぎりの砂地の浅場にアンカーを打って準備をして、エントリーです。正面にドゥマゲッティーを見るあたりで、そこから南の方へ流されながら魚を探して行きます。リーフエッジからどーんと下まで行くとちょうど50メートルのドロップオフであります。
今回のダイビングは今日が一区切りであります。いわゆる最終日と言う事でありまして、自然に気合いが入ります。
この日までに何度か水中銃を持って出かけているのですが、潮回りも良くなくて大した成果が得られていませんでした。なのでシキホールには余計に期待がかかる訳であります。
一番初日に本命のアントゥーランに遠征しているのですが、これがMDSらしくなく段取りが悪く失敗に終わっていまして、お客さんのKさんには申し訳なくて是非今日は大物を一発・・・気持ちだけは常に大物狙いなのでありますよ。
アントゥーランの失敗はボートの故障と言う不可抗力でもあったのですが、どうもKさんは今回つきが無いと言うか、何かが憑いていると言うか、不調であった様子であります。
まず、初日、リニューアルしたMDS3が走り始めてすぐ、バーコンの前あたりで故障して二時間もロスした上に、この日が一番の高波でした。出遅れた上に強風と高波で船足が遅くなり、アントゥーランにボートが到着したのは既に昼飯時近くと言う有様でした。
そして、その翌日、魚取りのKさんと普通のファンダイビングのお客さんは分けた方が良いだろうと言う事で、KさんはMDS1に乗ってシキホールへと段取りを組んだのでありました。が、しかし、Kさんはやっぱり憑かれていたのか、なんとMDS1が走り始めて10メートルで故障すると言うハプニングでシキホール行きは没でありました。
MDS1の故障というのは、事故でありました。普通では考えられないバカバカしい事故でした。船の向きをちゃんと確認しないで走り出した為に、スタートしてすぐに浅瀬の岩にスクリューを当てて壊してしまったというお粗末劇でありました。ちなみにこの日の船頭は、臨時のキャプテンでありまして、もうすでに始めから雲行きは怪しかったのであります。
Kさんが憑かれているのはたぶん「ダダ」であります。ダダがKさんと遊びたくて何やらかにやらチョッカイを出しているのだろうと私は思っていました。セブから到着したKさんは直ぐにダダの墓参りに行ったのですが、ダダはKさんが来てくれた事が嬉しくて、この後数日憑いて回ったのだろうと思っています。
さて、ドンディスコーでは私もKさんも魚は捕れませんでした。一緒に行ったダニーさんがかろうじてフエダイを1匹仕留めて来たのみでした。BOBONさんは私を追って来たらしいのですが、気がつくと見当たらなかったので違う深度で行ったのだろうと思っていました。私の最大深度はアドバンスの教科書がここまでですよと言っている深度からもう一息深く行きました。長居の出来る深度ではないので早足で岩の回りを回って行きます。中型のラプラプを発見して撃とうとしたのですが引き金を引いた瞬間にロックが掛かっていたのに気がつきました。一瞬を逃せば勝負は終わりです。ラプラプはとっくに深みに逃げてしまっていました。
後で聞いたらBOBONさんは窒素酔いで朦朧としてすぐにボートに上がったとか。詳しくは聞かなかったのですが、少し浮上しても覚めなかった所を見ると窒素ではなくて、逆に過呼吸か何かでは無かったかと思うのですが・・・。BOBONさんは最近ダイビングにはまった人で、経験は浅いようでした。
私の銃の不調はこの後も時々現れて、終日、ここぞと言う時には撃てないという無様な一日でありました。私にもダダがチョッカイを出していたのでしょうか?
一本終わって上がって、いつもならビーチにボートを着けてランチタイムなのですが、お客さんがKさんと言う事で、揺れるボートの上でお昼にしました。
東からの風が強くて、ボートの日除けを掛けて日光を遮ると寒く感じるし、さりとて、直射日光を浴びるのもまた辛く、按配良く寝転がれる場所が有るMDS3なのですが中々上手く行かないものです。
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