南風のたよりNo88


    ドゥマゲッティーから、の便り


       小さな、話題


     バリカサグへ行った

       お客さんのリクエストでバリカサグへ行きました。
    私も久しぶりのバリカサグで、たぶん、今年の5月以来だったと思います。何せ、油代の高騰で遠出は費用が嵩みますから、おいそれとオプションでバリカサグへ行きませんかとも薦められなくなってしまいました。もう一つの理由として、ボホールが手軽になって・・・いや、ドゥマゲッティーが行き難くなっただけですね。それと、リゾートがたくさん出来たらしくて、なんだかとってもダイバーが多いと聞いていたので、二の足を踏んでいました。
    今回はKさんがどうしてもバリカサグと言う事で、ピクニック気分で出掛けたのでした。どうしてピクニックなのかと言うと、まずお昼御飯が豪勢でした。バボイのホンバ(ブタバラ肉の煮物)、ブタのバーベキュー。ビーフンも有ったな。それから、チャプスイも有ったかな?それと、ルンピア・シャンハイ。チョリソ−も有った。そして、コーラやビールも。
    こんなお昼御飯が待っているのですから、さっさとダイビングを片付けて・・・おいおい、バリカサグまで行ってダイビングは片手間かよ、と言われそうですが、アポ島をメインにしているネグロスオリエンタル・ドゥマゲッティーの住民には、バリカサグの海はそれほど美味しそうには映らなかったのです。
    そんな訳で、ダイビングに対しての感想はと言うと、うーん、スミロンに似て来たなぁ、とか・・・いや、バリカサグの方が地形はとってもダイナミックですよ。ただ、魚の影の薄さがスミロンっぽいなぁと言う事です。
    バリカサグの売り物のバラクーダ−は確率が余り高く無いようですが、ドゥマゲッティーなら100パーセントですからね。ギンガメも同様です・・・なんだかドゥマゲッティーの宣伝ばっかりして嫌みになってしまいました。
    余りにも大量に持って行った御馳走は、ボートマンにも食べてもらってまだ余り、お土産売りのおばちゃん数人と、サカヤンを漕いで来たお父ちゃんも船に上げて御馳走してもまだ余ると言う塩梅でした。鱈腹食べて昼寝して・・・。一本目、潮が無いから魚がいないのだと言う事になって、潮が動くのを待ちました。しかし、潮が動いても大して変化は無く、大きめの魚には会いませんでした。どちらかと言うと、バリカサグでは浅場の砂地で小物探しの方が魅力的かな、なんて思いました。
    何と言ってもバリカサグは遠いですから、足の早い船で、無風でも2時間弱はかかります。帰りに向い風なんて言う時には、たっぷり3時間覚悟しなければなりません。
    この日は行く時からけっこう吹いていたのですが、追い風、追い波だったために乗っている皆さんが気付かないうちにバリカサグに到着していたのでした。この時舵を握っていたのは私でありました。アメンボ−型の船体は意外に追い波に弱くて、斜後ろから攻められると簡単に進路を変えてしまうのでとても忙しい操船になってしまいました。
    帰り道はその風に向って行く訳ですから、ザブザブに波を被ります。楽しくはしゃいでいたのは最初だけで、みなさん直ぐにぐったりとして、無口になってしまいました。
    船は全速が出せずに、時折波に突っ込みながら進んで行ったのですが、運悪く、ビルジ(船にたまった水)を汲み出すポンプが壊れ、バケツリレーで水をくみ出したり、どんな訳かは分りませんが時々エンジンが止まって、キャプテンが何やら工具を持ってエンジンをガチャガチャする場面などもあって、とても大変な帰り道になってしまいました。
    サンタモニカのビーチに帰り付いた時には既に4時を回っていました。一同無口でぐったり、大変お疲れ様でございました・・・次回は、ピクニックがメインだったら、バーベキューの道具を持って、水中銃もって、どうせ何も捕れないけれどもシキホールが良いと思うのですが、如何でしょうか、Kさん?。近くて楽ですよ。

    私が始めてバリカサグに潜った時にもこんなウチワが有りました

    どう考えても同じもの? 場所も水深もいっしょです

    九月は、台風さえ来なければとても良いシーズンなのです。透明度は、これから10月いっぱいまで気持ち良く抜けています。
    とっても良いシーズンなのですが、お盆からの夏休み休暇もひと段楽して、ダイバーは少なくなります。
    そんな九月の有る日、もうこれ以上は無いだろうと思うほどの晴天と凪と透明度に恵まれた一日、アポ島へ行きました。
    こんな日にだけ来るお客さんもいるのです。とってもラッキーだと思うのですが、このお客さんに言わせると、天気は良い事に決まっているのだそうです。
    見渡す限りの海は黒々として、遠くの高い山の有る島にだけ入道雲が湧き、バンカーボートが揚げる水しぶきの白が眩しく光っていました。
    下の写真は当日の物では無いし、ログブックの方にも使ってあるのですが、九月の晴天の時にネグロス島のマウント・タリネスに架かる典型的な入道雲なのでまた使ってしまいました。
    この日は、ミンダナオの島並みが手にとるようにくっきりと見える珍しい日でも有りました。  

    この雲は夕方までにもくもくと上昇して発達します。

    日没近くになり、気温が下がると雷雨を呼びます

    こんな天気と透明度に恵まれて潜った日は、海の中に何がいたかは問題では無くなります。サンゴもソフトコーラルも、キンギョハナダイもテバスズメも全部が輝いて見えて、宝石箱そのもののようになっています。普段は流れに乗って大物狙いのドリフトがメインの私のガイドですが、こんな日はゆっくりと流してみたくなります。
    お昼御飯も、普段ならダイコンと相談しながら、次のダイブプロフィールに合わせて時間を決めるのですが、この日は時間の流れさえもがのんびりしてしまったようで、サンクチュアリのビーチに揚がって二時間以上も休んでしまいました。
    この日のお客さんの個性がそうさせるのかどうか、何だかガツガツと急いで潜ったり、必死になって魚を探して泳ぎ回る忙しいダイビングをしたく無くなって、ガイドをしている自分もリラックスしてしまう、良いダイビングをさせてもらいました。

    サンクチュアリの、ギンガメの集まる真ん前です。

    余りの透明度に誘われて、つい水面を撮ってしまいました




    ではまた。


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