南風のたよりNo86


    ドゥマゲッティーから、セブの便り


       小さな、話題


     ぺライズストリート近辺

       セブのぺライズストリートやコロンストリート界隈の事は何度か書いた。とっても危険な場所だと、セブ・マクタン辺りの夜遊び情報を提供しているホームページでも書いている。本当にそんなに危険なのかと言うと、正直、なんとも言い難い。例えば今回写真付きで紹介するリチャード氏は所謂ポンビキと言う仕事を生業としている。リチャードにビールを一本奢ってこの界隈で手に入る「危ない物」の話などを聞き出せば、凡そ思い付く大抵の「危ない物」は手に入る。そんな物に縁や興味の有る人達にはたぶん、相応に危険だが、ハッピーな場所ではないかと思う。
     私は東京の歌舞伎町なんかの事情はテレビや新聞でしか知らないが、それなりに「危ない物」が出回っていて、ポンビキも居て、ボッタクリ飲み屋なんかも有るらしい、と聞き及んでいる。仙台だって国分町の端っこの路上の車の中で「危ない物」の売買などされていたりする、らしい。こんな風に考えると、コロン界隈が特別危ないとは言い難いとも言えるが、ちょっと用心した方が良い街である事は確かだと思う。
     リチャードはだいたい午後7時頃になるとメルセデスホテルかその上のゴールデンバレーの辺りで客引きをしている。彼個人は決して危険人物では無いが、金になる事なら何でもする階層の人なのでお友達にするのはどんなものかと、私は思う。メルセデス界隈でリチャードや他のポンビキに親しげに話し掛けられたら、その笑顔の下には3枚も4枚も違うマスクが隠されている事をお忘れなく。


      ポンビキのリチャード


     コロンの方から歩いて来ると、一方通行の右手側にメトロバンクの看板とメルセデスの看板が大きく目に入ります。一番安い部屋のシングルなら570ペソと言う看板が目に着く、昔は高級でしたが今は庶民派のホテルがメルセデスです。もしもここに泊るのなら、最低でもデラックスルームをお勧めします。570ペソの部屋はエアコン付き・温水シャワーとなっていますがお湯は多分出ません。エアコンは一晩中騒音のおまけ付きになります。そして、極め付けは、部屋の妙な臭いです。何故か妙な臭がしますので快適に過ごすには慣れが必要です。もっともバックパッカーでアジアの各地を旅して歩いた人などに言わせる、極上の類いになるそうですが。
     メルセデスにはスイートやJr.スイートも有って、特にJr.スイートの方は改装したばかりでけっこう奇麗で利用出来る部屋だと思います。予約する時に6階の偶数番号の部屋をリクエストすると一番快適だと思います。6階は改装したばかりで少しペンキ臭いですが、床もタイル張りになってきれいでした。
     ホテルの近くには気の利いた飯屋も有りませんし、ホテルのレストランは不味くは有りませんが値段だけが昔の高級ホテルの面影を残してしまっているので誉められた物では有りません。メルセデスの向側にはぺッツキッチンなど、3軒の地元風レストランがあります。好きな惣菜を少しづつ選んで食べられて、しかも相当にリーズナブルでは有りますが、味付けは丸っきりのセブ風で、ドゥマゲッティー風が好きなMDSのスタッフにはちょっと不評です。


      ぺライズストリート・メルセデスホテルと看板


     ここら辺りに私が宿を取る理由は、翌日のバスターミナルやオーシャンジェットへの移動が便利だからと、比較的安い宿が多いからです。それ以外には何の理由も有りません。
     RDと言う質屋の看板が有るビルの左端、植木に隠れている辺りが2階のゴーゴーバーーへ上がる入り口です。青く塗られた荷車の車輪が有るところは、1階のカラオケバーの入り口です。残念ながらカラオケには日本語の歌はありません。人が歌うのを聴くだけでも良いと言うのであれば、日本の下手くそ歌手は裸足で逃げ出すと言う程歌の上手い女性が沢山いる・・・ようです。暫く入った事が無いので定かでは有りません。
     2階のゴーゴーバー・・・またの名をビキニバーと言います。こちらは読んで字のごとしです。ビキニの水着でゴーゴーを踊る女性を眺めつつ、ビールを飲む店です。正確に言えば、彼女達が踊るのは決してゴーゴーダンスではなく、もうちょっとセクシーなものである場合が多い・・・らしいと言う事です。ここも暫く入った事が無いのですが、たぶん変わりは無いでしょう。このぺライズストリートには、コロンとの角のセンチュリーホテルの5階から始まって、次の角までの2〜300メートルの間に6軒のビキニバーがある・・・ようです。入った事が無いので多分、と言う事にしておきますが。


      メルセデスホテルの隣のビキニバーのあるビル


     昼間のコロンストリート

     昼間のコロンストリートはセブシティーの下町の中心街として物凄い人出がある。夜10時過ぎからの雰囲気とはかなり違う。この界隈には地元のジョリビーを始め、ケンタッキーやマクドナルドやチョウキンと言ったファストフード店が沢山あり、どの店も人でごった返している。また、映画館や様々な小売店が軒を列ねる商店街が有り小さな店の中も人で溢れている。この活気は私が子供の頃、昭和30年、40年の始め頃の仙台駅前周辺にとても良く似ていて懐かしい。
    やや高級なデパートや商店が多いのがオスメニアサークル近辺とSMで、超高級がアヤラセンター。この界隈が一番庶民的な地区と言う事になると思う。港やバスターミナルに近い事も有って、田舎からの人出が多いようだ。こんなところも昔の仙台駅前と似ている。


      コロンストリートとオスメニアストリートの交差点。


       コロンストリートに限らずぺライズでもビルは1階部分を引っ込めて、歩道に屋根を掛けた形になっている。そうでもしなければ炎天下の日中は歩く人がい無くなるだろう。私の田舎の東北地方の豪雪地帯にはこれと似たような仕掛けで雪避けの屋根を掛けた街並が見られたが、今でもまだ有るのだろうか?
    これは私の推測なのだが、オーバーハングで歩道に日陰を作るビルの建て方は、日陰が歩道なのではなく、歩道もたぶんビルの敷地内なのではないかと思う。だから歩道は各ビルの終わりで段差があって、場合によっては高さまで違っている。これが公共の歩道ならこんなややこしい作り方しないだろうと思う。こういう疑問を、この辺をうろうろしている人に尋ねても、答えは大抵アンボット(分らない)だ。
     このひさしの下には露店商が列んでいて、果物屋、時計の修理屋、雑貨屋、CD屋、靴の修理屋、チキンの空揚げ屋等など、ほとんどがらくたと言えるような商品をベニヤ板一枚の上に所狭しと並べて売っている。日本で買うと一本3000円以上もするダイビングウオッチのベルトも150円位で売っている。勿論オリジナルだと言うが、明らかに品質が違う偽物だ。


      コロンストリートの歩道。


     炎天下の交差点で信号待ちの人込みの中から乾いた太鼓の音が聴こえて来た。人込みを割って入り込むと盲目の男が座り込んで太鼓を叩いていた。その太鼓は自作の楽器で、段ボールや廃材のボトルと竹で出来ていた。良く見ると男の腰は地面に着いていない。右の腿の上から左下へ一本の竹を渡して、左膝はその竹の上に乗っていて、足以外は地面については居なかった。この盲目の男は、灼熱の太陽が差す炎天下でひたすら太鼓を叩き続けていたが額には汗の一滴も見られなかった。炎天下には慣れっこなのだろう。暫く見ていたが彼のボトルに小銭を入れて行く人はほとんど居なかった。


     自作楽器で独り演奏を続ける盲人。




     一部の方には御迷惑をお掛けしております。

    仕事復帰は、予定通り7月15日から、間違い無く戻ります・・・夏休みの予約はご心配無く、宜しくお願い致します。
    不在の間、お馴染みのお客様で私が嫌いな方や、現地スタッフだけで良いと言われるお客様はどうぞ御出で下さい。
    より一層、超駑級熱烈大歓迎させて頂きます。
    特に、私BOMBEEなど居ても居なくても一緒じゃねぇかょ、と言われるお客様はこの機会をお見逃しなく・・・ダダとJ-POYが待っています。



    ではまた。


    問い合わせ、質問のメールはこちらです ow807360@mars.dti.ne.jp


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