南風のたよりNo84


    ドゥマゲッティー便り


       小さな、話題


     シキホール〜だよ

       最近良くシキホールに行くようになった。
    昔し昔しは、アポ〜スミロン〜シキホールで三日間、ワンセットだった。しかし、アポに比較すると極端に魚の少ないシキホールはだんだん敬遠するようになってしまった。そしてソフトコーラルなどはスミロンにもかなわない。その頃から、アポの帰りがけにマサプロドノルテなどを潜るようになり、某大手のPしーあーるなどでは、マティサンなどと言う苦しいポイントも開発した。
    シキホールに行かなくなった訳はもう一つある。ろくに魚も居ないのに入海料になどを取るようになったものだから、馬鹿馬鹿しくていけなくなったのである。この入海料もきっちり取りに来る他のポイントと違って、取りに来たり来なかったりで、概ね日曜日等は取りに来ると思った方が良い。そして、集金人には大きな欠点が有り、取りたくても取れないと言う問題も有る。彼は島の反対側のオフィスから来るのだ。バイクに乗ってやって来る彼はビーチに手漕ぎのサカヤンしか置いていない。岸から遠いリーフエッジにボートを留めたまま潜っているボートには近寄りたく無いのである。だからビーチに上陸する海水浴客が多い日曜日だけ集金人は現れるのだ・・・以上は私の憶測であるが、たぶん正解だと思う。
     では、ろくに魚の居ないと分かっているシキホールに何故行くのかと言うと、魚捕りである。スピアフィッシングである。魚が居ない事はシキホールの住民が一番良く知っているし、集金人も我々が銃を持って入っても魚などほとんど取れない事を知っているのでスピアに関しては何も言わない。以前スピアのパーミットがどうのこうのと言われていた時期があったが、その時でも私は一度も払った事は無かった。
     さて、シキホールの魚捕りは何度も書いている通り、真っ昼間はほとんど絶望的である。どうしてもやりたかったら夜に狙うしか無い。昼間は、10本入ってタギギ(サワラ)が一本刺せれば大したものだ。3本に一回、レインボーランナーを2〜3尾。ブダイやモンガラの類いなら毎回刺せるが、こればかりでは消化不良になる。
     シキホールはドゥマゲッティー界隈では、観光客が訪れるのは少な場所だと思う。そして、リゾートなども素朴な自然を楽しむ為の施設ばかりだ。ドゥマゲッティー滞在のように夜はディスコとカラオケ・・・ああ、ジモティー向けの5ペソカラオケなら有りますが、そんな観光客が喜ぶようなものはたぶん無い。だからビーチも静かだ。魚捕りをして来た小舟から捕りたての魚を買ってビーチでバーベキューなどと言う事が手軽にできるのも、今ではシキホールだけになってしまった。そんな訳でMDSでは、魚は極端に少ないシキホールにわざわざ出かけて行くのであります。  


      シキホールのビーチです


     つまらない事

     フィリピンの全国的な事なのか、ドゥマゲッティー界隈での事なのか、たぶん全国区の話だと思うのだが、10ペソ札が街から消えた。一昨年だったか、新10ペソコインが現れてから急速に10ペソ札が消えて行った。
     10ペソ札はとても臭かった。あれを数枚財布に入れておくと、その財布は10ぺソ札独特のすえた臭いに染まってしまう。財布を取り出した瞬間に汗臭い労働の臭いが立ち込めたものだった。  今、その臭いは、最小単位の札となった20ぺソ札に移った。しかし、確かにあの臭いはするのだが、以前の10ぺソ札程強烈では無い。その理由はたぶん、汗だくで銭を手にする人達のそれが10ペソコインに代わったからなのだろう。私のフィリピンの匂いの記憶は、10ぺソ札の臭いから抜けられそうに無い。

     リロアンよおまえもか・・・

     まあ、時間の問題であったと言えますが、とうとうリロアン周りでもダイバー1人頭1日100ペソのエントリーフィー徴集が始まりました。100ペソ、約250円。高いのか安いのか?日本人にはどうって事ないような金額に思える事でしよう。しかしですよ、到着初日リロアンで着替えてアンテナやイラクでチェックダイブを兼ねて身体馴しをしてスミロンへと言う段取りを取ると、2ケ所でエントリーフィーを払う羽目になります。正直にスミロンでカメラの持ち込み料まで支払ったとすると、1日で1000円以上の料金を取られる訳です。翌日アポ島へ行って、帰りがけにマサプロドで一本、しかもカメラ持ち込みなどと言うと、ここでも1000円以上です。アポが気に入ったからまた今日も・・・なんて調子で4〜5日潜って出される請求書に「エントリーフィー・カメラ持ち込み料・立替5000円」なんて書かれていたらビックリする事間違い無しでしょう。一回は大した事無くても、毎日のトータルとなるとなかなか大きなものになるのであります。気が小さい私としては自分がもらう訳でも無いのに、なんだか恐縮してしまうのでありました。

     ロビンソンデパート

     ドゥマゲッティーの街の一角でロビンソンデパートの建設工事が始まって3ヶ月ほどになる。私は当初、絶対に今年中の開店は有り得ないと書いたが、なんだかとつても真剣に工事をしている様子で、ひょっとするとできるかも知れない、などと思いつつ有る。
    その理由は、夜遅くや早朝にそこを通っても常に工事をやっているのである。ひょっとすると24時間態勢なのかも知れない。今はまだ手前の別なモールのような建物の外観しか見えていないが、これも、フィリピンにしては恐ろしく早いスピードで出来つつある。
    フィリピンも変わっているんだなぁ・・・なんだかフィリピンらしく無くて複雑な心境にさせられます。

     ガソリン100円時代

     去年の今頃は日本のガソリンが100円位だったと思うのですが、今、ドゥマゲッティーのガソリンが100円に届きそうな状態であります。
    1リットル41.8ペソです。為替の相場にもよりますが、円が少し落ちると軽く100円を超してしまいます。
    最近ガソリンスタンドがとても混んでいます。値上がりしたのにスタンドが混む・・・ちょっと変だと思うのは、フィリピン事情の理解がチト足りないようであります。値上がりしたので一回に入れる量が少なく、頻繁に給油に来るようになったので混んでいるのです。昨年の5月ごろ、バンタヤンに行った時には、軽トラは500ペソで満タンでしたが、今では半分より少し下までしかメーターが上がりません。
    そんな前振りをしておき、そして、私としては、市内のご案内や晩飯のご案内で車を出す時に、せめてトライシクル程度の御寄付を頂けたら嬉しさ100倍と言う事などを言ってみたかった訳であります。

     セブで蟹を喰った

     お客さんがどうしてもロブスターか蟹を喰いたいと言うのでレストランに行った。場所はセブである。
    この手の物を喰う時にレストラン側が使う常套手段は「600ペソ、パーキロ」や「100グラム、100ペソ」の料金表示である。そして、選び終わるまではブツを計りに掛ける事はしない。この状態で一番引っ掛かりやすいタイプの人は、少しだけ現地に慣れている人に連れて来られた、慣れていない人の御一行様だ。私達がまさにそれである。お前が一緒なんだろう、と言わないで下され。私は、ダイビングのガイドではあるけれども、観光がイドでは無い。便宜上送迎はしても、観光がイドはしていない・・・つもりなのだ?
    お客様が喰いたいと言うものを高いから止めろと言うのも差し出がましいし、ドゥマゲッティーでなら5分の1で喰えた、なんて事を言ってしまったら、どうしてドゥマゲッティーで喰わせてくれなかった、と恨まれるかも知れないので、黙っていることにしている。
     キロ600ペソのマングロープガニのでかいのを2ハイ注文した。お決まりのチリソースで辛めに仕上げて出された蟹は、それはそれは見栄えが良かった。お客さんは手をベトベトにしながら蟹と戦っていた。喰うところはハサミしか無いので、その戦いは意外とあっさり終結してしまう。腹から割ってほじくり出せばまだまだ喰うところは有るのだが、日本人はそこには手を着けない人が多い。遠慮がちに同席していたドライバーのマイクが頃合を見計らって蟹の腹に手を伸ばした。その後約15分間、マイクはひたすらそれをしゃぶり続けた。
    BOMBEE・MASAYAは客に冷たいと、誤解されるといけないので書いておきますが、蟹を喰いたいと宣ったお客は、お客と言えばそうとも言える、20年来の私の友人であります。普通はこんな冷たい事は致しませぬ。しかも、レストランに来る前に、ここは私の奢りですから、などと言われてしまえば「おお、お前の好きなだけ散財してくれ」と言う意外に何も出来ない私でありました・・・えへへへ、へっ。

     あるガイドとの会話

     サンタモニカにお客さんをピックアップに行った。ちょっと早く着き過ぎたのでビーチ沿いの椅子に座ってボケーッと夕日を見ていた。ジェフリーの顔見知りのPCRのガイドが寄って来て世間話が始まった。私はPCRが使っているFRPの船外機のボートに興味があったのでボートの出所や値段、ガソリンの使用料などを尋ねたりしていた。その内PCRのガイド(名前は忘れた)がMDSシークレットポイントの話をして来た。
    バラクーダーが大量に、しかも確実に見られるらしいと聞いたんだが、それは本当か?と言う質問だった。私はこの辺のガイドなら皆知っている事だと思っていたのだが、そうでも無いのかと思い、答え倦ねていた。するとジェフリーが、それはバラクーダーではない、ダツの群れだよ、と言い出した。場所はすぐそこのヤハラソンビーチだが、あんなところにバラクーダーが群れでいる訳無いだろう、と言うような事を言った。聞いていたガイド氏はそれもそうだと思ったのか、未だ疑っていたのかは分らないが、それ以上は聞いて来なかった。
    PCRが入るようになったら、客の量が多いから、すぐに散らされてしまうのでは無いか、なんて心配している訳であります。

     臨時休業・・・?

     別に臨時休業なんて宣言しなくても、この時期MDSは例年暇なのですが・・・・。
    と、言いますのは、この度ちょっと身体の調子が良く無くて、お客様がいるにもかかわらず日本に戻ると言う事態になってしまって御迷惑をお掛けしたものですから、これは良く無いと反省して、一カ月間、休業する事にいたしました。
    6月15日に日本に帰って、それから7月15日までドゥマゲッティーを不在にします。
    お馴染みのお客様で私が嫌いな方や、現地スタッフだけで良いと言われるお客様はどうぞ御出で下さい。
    特に、私BOMBEEなど居ても居なくても一緒じゃねぇかょ、と言われるお客様はこの機会をお見逃しなく・・・。



    ではまた。


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