南風のたよりNo78


    ドゥマゲッティー便り


       小さな、話題


     フルオーダーのGパン

     知る人ぞ知る・・・知らない人は全く知らない。しかし、業界筋の人ならば知っている、かも知れない事実としてフィリピンはGパンの産地であった。
    5〜6年前の有名ブランドジーンズの産地表示はフィリピンであった。今はもう違うのだが。そんな経緯が有ってかどうか、フィリピン中にGパン屋がたくさん有る。ドゥマゲッティーにも数軒有って、家内工業的に細々とGパンを作っている。そのGパンはフルオーダーで、どんなデザインでも作ってくれる。
    システムはこうだ・・・。 まず生地を選ぶ。インディゴの濃い物、薄いもの、ウオッシュ、カラー生地、デニムなどの中から適当に好みを選ぶ。
    シルエットまで変えたい場合は下絵が必要になる。しかし、店には有名メーカーの歴代のNoの型紙が揃っていて、それから選ぶだけで大抵は間に合ってしまう。なので、なんちゃってビンテージも製作が可能なのだ。当然、それらのジーンズの特徴も熟知していて、そっくりの本物を作ってくれる。
    ポケットの型紙だって全てのメーカーのモデルが揃っていて、Leeのスタイルを選びながらポケットはリーバイスの505なんて言うのも可能だ。
    後ろに付けられるラベルも何でも有りで、私が今はいているのはリーバイスの505となっている。(下の写真)


    リーバイス505


    生地は昔風の厚手のデニムでごわごわしている。リベットやボタンももちゃんと凝っていてラベルのブランドに合わせてある。縫製はしっかりした物で、素人が見たのでは全く分らない。プロが見たら、今時のデザインでは無いのと、フルオーダーなので既製のシルエットと違うので違和感を覚えるかも知れない。しかし、材料と縫製などからは分らないのでは無いか、と思う・・・意外と簡単にバレタりしてね。
    偽物が嫌なら完全オリジナルも可能なので、光り物の小物や刺繍で豪華絢爛なGパンなども製作が可能だ。
    そのフルオーダージーンズのお値段は、普通の物で、フィリピンペソで850〜950ペソ。特注で色々注文を付けると、ステッチの変更等で200ペソのプラス。刺繍や縫い目が多くなったり生地を沢山使ったりするとそれなりに高くなる・・・要見積もりと言うところだ。
    シャレで作ってみたいと言う方には、私まで ウエスト 股下 尻廻りと、どこの何番と指定していただければ、2〜3週間でお届けいたします。その際、手数料として10000円申し受けます。こんな手数料じゃ誰も作らないって。でも、ドゥマゲッティーに滞在3日でも初日に頼めば帰りには持ち帰れますから、御来島の際には暇つぶしに如何でしょうか?
    ああ、忘れていましたがこのジーンズ、家人には色落ちの凄さで閉口されています。そして、大昔のジーンズと一緒でとてもとても良く縮みます。私が初めて買った35年前の1700円のエドウィンと良く似ています。


    ラベルです


     バス

       セブのサウスターミナルをうろうろしていたらバコロド行きのバスを見つけた。バスの周りにいたオタップ売りに聞いてみたら、バスは直通でバコロドまで行くと言う。と、言う事は、トレドあたりでフェリーに乗ってネグロスに渡るのだろうと思ったらドンピシャリだった。聞くまでも無くバスの前にVIA TOREDOと書いてあった。
    サウスターミナル発ドゥマゲッティー行は5時間かかって行く。バコロドまでどれくらいかかるのだろうか。トレドまで2時間、フェリーの待ち時間30分。フェリーに乗っている時間1時間、サンカルロスからバコロドまで1時間30分。合計5時間位では無いかと思う。一度乗ってみたくなった。
     ドゥマゲッティー行のセレスに戻るとお土産売りが整列していた。ずっと観察していたらお土産やの仕組みが見えて来た。お土産屋にはボスがいて、お土産の入ったビニール袋はボスが売り子に貸し出すもののようだ。袋にはオタップ、アンパオ、ドライマンゴー、チッチャロンなどがどの袋も等しい数だけ入っている。売り子はそれぞれひと袋を借りて売り歩くのだ。収入は歩合のようだ。
     ドゥマゲッティー行きのバスの中には20人程度が座っていた。そのバスに入れ代わり立ち代わり物売りがやって来ては啖呵売を始める。なんて言っているのかほとんど分らないが、商品名の部分だけは私にも分る。時々乗客がクスリと笑う事があったりするので、フーテンの寅さんなみに面白い事を言っているのかもしれない。しかし、おみやげはなかなか売れないようだ。そのうちジョリビーのハンバーガー売りが現れたと思ったら次はダンキンドーナッツが売り込みに来た。ハンバーガーは日本風に言えば駅弁のようなもので、昼飯時を挟む5時間の行程を見越して買い込む人がけっこう居た。
    物売りの啖呵売の勢いは運転手が座席につきエンジンを掛けた時からが勝負なのか、これを合図に一斉に声が大きくなり喋りも早くなる。そうするとどう言うわけか、今まで誰も買わなかったのに急に売れ出す。一人が買うと後は勢いがつくのか、バスが走り出してターミナルの出口まで徐行して行く間には、結構な人数がアンパオやオタップのビニール袋を持たされている。

     ネグロス島とセブ島

     セブ島側のバトからネグロス島側のタンピまではマーヨシッピングと言うフェリーで渡る。日本からの中古のカーフェリーだ。総トン数223屯、エンジンはヤンマーの105馬力を2機掛けだった。220屯の船にトラックを2台と乗用車が2台積まれていると、210馬力では力不足なのか、カメのように遅い。
     ネグロス島側のタンピからドゥマゲッティー市内まで40分程度で到着する。窓の外の風景は見慣れているはずなのに、バスの高い窓から見ると全く違って見えた。セブ島側はなんだか乾いた感じがすると思うのだが、ネグロス側は緑の色が濃く、空気まで密度が濃いように感じる。ドゥマゲッティーまでの道沿いに花も多く、明らかにセブ島側よりも植物が豊かだと感じた。

       魚を買いに行った

       ラムズがサンボンギータに魚を買いに行かないかと誘いに来た。サンボンギータはマラタパイからもう少し先の小さな街で、何も無いところだ。ラムズの知り合いの漁師がミンダナオの近くで魚を捕って来たので分けてもらいに行くのだと言う事だった。どうしてサンボンギータの漁師がミンダナオ方面で、しかも漁はボボ(竹で編んだ罠)だと言う。魚をサンボンギータで買う事も訳が分らない。ここまでバイクを飛ばして40分かかるし、買った魚はどこにでもあるバギスだ(テングハギ)。ラムズはそれをビニール袋に入れて背負って来た空のディパックに押し込めた。ミンダナオからやって来た魚が新鮮かどうか?まあ、新鮮だったとしよう。その後、炎天下に魚を背負ってバイクでドゥマゲッティーまで行く間に魚は参ってしまわないのか。この感覚が私にはどうしても理解出来ない。
    ラムズは漁師に100ペソを支払って帰路に着いた。その途中で一件の民家に立ち寄った。そこの娘がとても可愛いのだそうだ。どうやらラムズの目的は魚では無いのかも知れない、と、やっと納得した。残念ながら娘は不在だった。    


    ではまた。


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