南風のたよりNo75


    ドゥマゲッティー便り


       小さな、話題


     残念な事件でした・・・

     ご常連のお客様を いつもの「エル・オリエンテ」に案内した。
    いつものようにダイビングをして、だけれども、ご常連さんはガツガツは潜らないので、買い物なんかに行って楽しんだりもしていた。
    今回は食事も、我々が普段食べに行く所、いわゆる大衆食堂のような所へ行って、ご常連さんでなければ楽しめない時間を過ごして貰えて、案内する方も、まあまあ上手くいっているな、と思っていた。

     しかし、事件は起きてしまった。
    ホテル「エル・オリエンテ」の部屋で盗難が発生したのだ。
    お客さんは、自分のカバンに鍵を掛け、そこに現金を入れていいたらしい、が、それが無くなっていたのだった。
    ダイビングに出かける前にカバンに入れ鍵を掛けて、ドアにも鍵を掛け、その鍵はフロントに預けて出かけた。
    ダイビングが終わって午後4時頃、部屋に戻ってみると、掛けたはずの南京錠が床に落ちていた、と言う事だった。
    鍵が掛ったホテルの部屋で、鍵の掛ったバックから金が無くなると言うのは、誰が考えても、内部の者の犯行だとすぐに思う、が。

     フィリピンで盗難にあったら、金はまず戻らない。現行犯で捕まえない限り、取り戻す事は出来ない。
    日本のように、空き巣に入られたら、警察に電話1本すれば鑑識を含めて数人の警察官がやって来るなど言う事は無い。
    私も詳しくは知らないが、友人の警官に聞いた話では、日本の鑑識が使うような道具もドゥマゲッティーの警察には無い様子だった。
    だから、警察に通報して警官が来ても、大した役には立たなくて、単なる事情聴取のような事で終わってしまう。
    泥棒を見つけて撃ち殺してしまっても罪にはならないが、逃げた泥棒を捕まえるのが不可能な国だからそれが許されているのだろうか?

     MDSでエル・オリエンテを使うようになって5年になる。
    この間に何百人か(ちょっと見栄はってみました)泊ってもらっているが、今までカネが無くなった事もモノが無くなった事も無かった。
    それどころか、別の常連のお客さんは部屋に鍵さえ掛けずに宿泊していた。それでも何も起こらなかったし、私も信頼し切っていた。

     3年程前に、サウスシーで、財布から現金を抜かれた常連のお客さんがいた。
    この盗難の犯人は、ホテルの従業員と組んだ、お客さんの友人のフィリピン人だった。
    これは、私が怪しいと思って調べに行ったところ、友人だと言うフィリピン人が逃げて雲隠れしてしまった事で分かった。

    また、サンタモニカでは、部屋に置きっぱなしだったダイブコンピューターが紛失した事があった。
    これは後日、同じ型の物を売りに出した奴がいたので、たぶんそいつが犯人だろうと言う事になったが、やはり従業員だった。
    こうなると、ドゥマゲッティーでダイバーが使う、ほとんどのホテルで盗難は発生しているのだが、それを知っていた私が注意しなかったのが一番の問題だ。申し訳なく思っています。
    エル・オリエンテを使うのはほとんどMDSだけで、その信頼関係は他のホテルとは違っていると信じ込んでいた。
    これが私の甘さなのだが。

     お客さんが帰って二日後だったか、ドゥマゲッティーの市内を車で走っていたら、エル・オリエンテの従業員がいわゆるラブホテルに入って行くのが見えた。
    そのホテルの料金は850ペソで、彼らの収入で気軽に利用出来るホテルでは無い。
    その従業員は昨年の11月頃から働き始めた、エル・オリエンテでは新人の一人だった。
    市内のタチンボーの両替屋はたいてい顔見知りだから、日本円の1万円札を持って来る奴がいたら教えてくれと言っておいたら、やっぱり同じ奴が引っ掛かった。
    たぶん、間違い無いと思ったので警官のロイに相談したが、金は戻らないで面倒になるだけだぞ、と言われた。
    やはり、現行犯で撃ち殺すのが一番なのだな、と思う、事件でした・・・冗談ですヨ。


         公共料金の支払い

     お客さんが引けて空いた時間には、魚捕りばかりしている訳では無いのです。雑用と言うものが結構有るのです。
    電気、水道、電話の支払などは、この三つを1日で支払うのは無理かも知れないと言うくらいに、時間がとられる大仕事なのです。
    セイ・セイ・セイ・・・・銀行引き落としなんて言うものはこの街の公共料金には存在しません。
    第一、残高のある銀行口座を持つ人がどれ程いるのか?大いに疑問です。
    銀行口座ですが、残高ゼロで3カ月も放置するとその口座は閉じられてしまいますから・・・。
     水道はドゥマゲッティー市営です。支払窓口は混んでいても流れはけっこう良く、20分待たされる事は無いようです。
    電話は、グローブ・ラインを使っています。ここは常時30〜40人は待ち合い室で待つています。
    エアコンが効きいて冷え冷えの待合い室には、なかなか気の利いたDVDの映像が流されていて、フィリピン人には不評では有りません。
    そこで先ほど無理だと言った銀行引き落としが可能だとすれば、このグローブしか無いと思うのですが、実施されていません。
    グローブの電話線を引く時には、残高3000ぺソの銀行の残高証明書が必要なので、その時に引き落としも設定すれば良いと思うのですが・・・?。
    グローブでは概ね1時間待ち程度ですが、週明けなどでは2時間待ちもあり得ます。ちなみに支払窓口は一つしか有りません。
     さて、恐怖の電気会社NORECOです。NEGROS ORIENTAL ELECTRIC COMPANYの略でノレコと言いそうですが、ノリコと聞こえます。
    ここの支払は恐怖です。朝の9時頃行くと待ち合い室は満員です。今月の支払の時にはざっと数えて150人以上いました。
    支払の窓口も6つか7つはあったと思うのですが、一人の処理時間が恐ろしく長いので、回転は物凄く悪いのです。
    朝に出向いて行って、支払が終わらずに、午後に出直しなど言うのも良くあります。
    こんな訳で、公共料金とおぼしきものを支払うと決めた日には、朝から覚悟を決めなければなりません。


     アスベスト

     ジェフリーがアスベストを買いに行くなどと恐ろしい事を言い出した。
    何に使うんだ?と聞いたら、バイクのマフラーの断熱材と消音に使うのだと言う。
    お前、このアスベストが物凄く有害な事を知っているのか?と聞いたら、当たりまえじゃないか、と言われた。
    CNNでも、BBSでも日本のアスベスト被害は放送しているらしい。
    フィリピン人は丈夫だから平気なのだそうです。


     バラワンの赤痢

     パラワン島のある街で集団赤痢が発生して17人が死亡したと言うニュースが流れた。
    原因は地下水の汚染と言う事だったが、ドゥマゲッティーだっていつ同じ事が起こらないとも限らない、と私は思っている。
    例えば、私の家はトイレも炊事場も排水は簡易浄化槽に流れ込むようになっているが、そこから先は自然の地下浸透式で処理している。
    と、言う事は、浄化槽とは聞こえは良いが、全てを大地に吸収させている訳で、直接放流とほとんど変わる所は無いのだ。
    そして、同じ敷地の水脈から井戸で水を汲み上げている家がまだ沢山有る。
    ドゥマゲッティー市では水道の普及を勧めて、今ではほとんどの地域で給水可能なのだが、水道は料金が掛るので、未だ使わない家も多い。
    パラワンの赤痢の流行も同じような理由だろうと思う。
    パラワンは高い山の有るネグロスと違って雨が少ない地域も多く、地下水の利用は多いらしい。
    ドゥマゲッティーの水道の水源は山の上の方で、人の住む所からは離れている。だからきれい・・・らしい。


     カマが吹っ飛んだ

     カマと言うのは、フィリピンのオカマさんの事では有りません。電信柱の上に載っているトランスの事です。
    昭和30年代、日本でも台風が来ると良く停電しました。また栃木では、夏の雷の頃にはカマに落雷しての停電はしょっちゅうでした。
    東北に移ってからは、大雪で電線が切れて停電と、日本でも停電は珍しく有りませんでした。
    先日、ガソリンスタンドで給油をしていたら近くの電柱のカマが吹っ飛びました。
    バシーンと言う鋭い響きが聞こえ、その方向を見るとトランスが火を吹いていました。
    連日物凄い強い雨が続いており、絶縁がダメになってショートしたものと思われます。
    カマが吹っ飛んでも別に私には関係ないと思っていたら、給油ポンプが停止してしまいました。
    軽トラにはまだ5リットルしか入っていなかったのですがこれでお終い、と言われてしまいました。
    日本なら手回しで給油するぞと言ったら、待ってれば動くから、と言われてしまいました。
    ここはフィリピンなのでありました、とさ。    


    ではまた。


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