南風のたよりNo71


    ドゥマゲッティー便り


       番外編・・・スペシャル



    小さな写真で分かりにくいかも知れませんが・・・このバイクが何者か、お分かりでしょうか?
    たぶん、大きな写真でも分らないのでは無いかと思いますが、写真をクリックしていただければ、なんぼか大きくなるはずであります。

    このバイクは1990年、生れは日本でありましたが、1993年頃にに中古でフィリピンに売られてきた物のようです。
    日本での正式な名前は「ホンダ XL 125 R」であったろうと思うのですが、たぶん、当たっていると思います。
    確か、S が普通のサスで、 R がモノサスだったと記憶しております。
    間違いその他が有りましたら御指摘いただれば幸いです。

    このバイクを見つけてきたのはジェフリーでありました。ある日「MASAYA ・・・とんでもない掘り出し物が有るから見に行こう」と言われて見に行ったのがこれ、でありました。
    初めて見た時には、私にはもうほとんどスクラップ、鉄くず寸前にしか見えなかったのが、ジェフリーは「グアパ カァーョ、ナ オイ」を連発しておりました。私風にジェフリーの言葉を訳すと「なんて美しいバイクなんだ、なぁ、えぇ・・・」とこんな感じでありましょうか。
    とにかくまずジェフリーが一目惚れでありました。

    私は、日本人の感覚から行くと、もうほとんど鉄くずにも等しい、たかだか125ccのトレールバイクに全く興味も魅力も感じていませんでした。それどころか、こんな物買い込んだら後が厄介だぞ、と思っておりました。
    しかし、ジェフリーの目は既にハートマークでありまして、買うなとは言えない状況である事は分っていました。
    こうなれば後は一ペソでも安く買い叩くしか無い訳で、私は、バイクを良く知っている売り主に、ああでもない、こうでも無いと文句を着けては値切るのでありました。
    しかし、敵もさるもの、引っ掻くものでありまして、この姑く後にフィリピンで発売された、アッセンブル・フィリピネスのXLR200なんかより、よっぽど出来が良い事を知っていて、おいそれとは譲りませんでした。
    結局、鉄くずバイクは、不動のままで70000円と言う、日本では信じられない価格で買う事になりました。
    これ、日本では絶対つきで鉄くずであります。レストアに回る程の希少車でも無く、名車では有りましたが、この状態でこの値段で買い手が着くバイクでは無かろうと思うので有ります。

    HONDAの文字の下にひと回り小さくMADE IN JAPANと刻印されているのが見えますか?これこそがドゥマゲッティーでは天下無敵の価値が有るので有ります。
    後日判明した事で有りますが、ジェフリーは既にバイク屋のメカニックと下見をしてあって、このバイクの素性は知っていたようで有りました。そのメカニックが凄腕で、ホンダのバイクは特に詳しいと言う人物で、XL125Rをどんなバイクに仕上げるかまで相談が出来ていたので有りました。

    さて、凄腕メカニックに引き取られたバイクはレーシングバイクさながらに、腰を高くし、フェンダーもR仕様をどこからか持ってきてくっ付け、鉄の部分にはメッキを施し、マフラーもステンレスの手づくり品・・・と、毎日少しづつ姿を変えて行ったので有ります。
    一方では、ドゥマゲッティーのボブマ−リーと呼ばれるステッカーやTシャツのプリントの名人に、雑誌から見つけたロゴでオリジナルのステッカーを手作りさせ、デザインを決めて行ったので有りました。


    右の写真のチェーンテンショナーを見て下さい。ステンレスの板にプ板を挟んでくり抜いて作った物です。XL125にはこんな物は着いていません。
    本当はリムはアルミのゴールドに替えたいのですが資金不足の為まだ手が出ていません。それで仕方なくガンテツリムを黒く塗っております。
    しかし、スプロケットのすぐ後ろにもローラーとチェーンガイドを増設して、見掛けはまったくのレーサーで有ります。
    今の所の欠点は、キャブが拾い物で、なんとなく調整が着かず、ごく低速で突然パタリとエンジンが止まる事くらいで、他には問題は有りません。
    その他、細かい所では、バッテリーが無いので灯火類がまだ全滅していて、夜間の走行は今の所出来ません。

    ここまでの所要時間およそ50日。都合約10万円を投じた力作は、目下ドゥマゲッティーのバイク好きの間では話題のバイクとなっておりまして、どこへ乗って言っても注目の的で有ります。
    しかし、私は、日本ではけっこう乗れている方だと思っておりましたが、ドゥマゲッティーではどちらかと言うと下手ッピーな方で、街中の渋滞ではすぐエンストさせてしまいます。
    ジェフリーは低速の効かないこのバイクを実に上手に走らせて、とても良い音を出しています。
    オリジナルのステンレスマフラーは125とは思えない太い、良い音を出しています。ジェフリーはそれを小気味良く吹かしながら乗り回すのです。
    悔しいけれど、このバイクはジェフリーの方が良く似合い、誰が見ても彼のバイクです・・・だから私はあまり乗らなくなりました。

    これからこのバイクは180ccになって、250Rのモノサスを移植して完成の予定です。
    そのパーツは私が日本で探さなければならない事になってしまいました・・・もう、俺のバイクじゃ無いんだけど、なぁ・・・・。



    美しいと思いませんか?・・・ぜひ、拡大して見て下さい。


    ではまた。


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