南風のたよりNo7


    南の島の話し、新年・・・初潜りの話 

    今年の初潜りは、アポ島のロックポイントでした。
    年末30日〜3日までのお客さまのガイドでした。
    ずっと北東風が強く吹き荒れて、なかなか東側のポイントに入れる日がありませんでしたが、それでも年末から幾らか弱まって、なんとかココナッツ、マムサも入れそうかな、そんな天気になっていました。
    長くシケが続くと、どうしても透明度が落ちます。この日も透明度は10メートル前後とかなり悪くなっていました。深場でも20まで抜けませんでした。
    ロックポイントではお約束の、ムレハタタテとカスミチョウチョウウオとアカモンガラの3段重ねの乱舞を見てもらいたくて入りましたが、なんと、近来稀なバラケ方。群れではあるのですが、カスミが水深15〜20でアカモンガラがそこら中に散っていて、ムレハタタテはなんと水深5メートルくらいに横に長く伸びている、最悪のパターンでした。過去にこんなだらしない状態は有ったでしょうか、と言うくらいに最悪でした。
    ロックポイントの実力を全く紹介する事ができずに困っていたのですが、エキジット近くになって続くソフトコーラルの見事な花畑でカメが何度か現れ、カメスクーターをやってちょっと受けたので、まあ、なんとかOKかなと言う厳しいガイドでした。
    サンクチュアリは前日に予約をしておいたのですが、今年の正月に限って言えば、全く必要無かった、と言うくらいにお客が居ませんでした。お約束のクマノミ城のハマクマノミを見てお約束のギンガメノの群れを見て、エダサンゴの群生とスズメダイ、テバスズメダイの群れを見て・・・と、いつものパターンなのですが、天気が雨で空からの光が無く、透明度もがっくり落ちていて、ここでもポイントの実力を見せる事が出来ませんでした。明るい開放感が売りのポイントに光が無いのでは致命的です。
    たぶん、お客様は、大した事ないポイントだと思ったのではないかと思います。カスミアジなんかもけっこう出ていて、魚は多かったのですが、天気が今一つで、残念でした。
    マムサポイントはあまり深く行かずに、30メートルくらいを流す予定で入りました。ギンガメは、いつもの場所、2つ目の砂地の壁際の浅場にいました。これはかなりの数の群れでした。しかも2つのグループが交錯していて潮上からずっと川の流れのように続く見事な群れだったのですが、やはり透明度が悪く、その全体を一望する事が出来ずに迫力を満喫するにはいたりませんでした。
    その後エキジットまでの間小さな群れは何度も遭遇しましたのでギンガメは濃かったと思います。
    北東の季節風は毎日吹き、海は連日荒れ模様でした。それでも最終日、多少は治まったかなと言う状況を見計らって、ココナッツポイントへ入りました。ここでは入ってすぐにロウニンが近寄って来て、その向こうにツムブリ、特大のオニカマスなども現れてにぎやかな出迎えに感激しました。流れは程よく、すいすい流されるのでは無く、ぼーっと流される感じで、ウォッチングには最適な流れでした。ここでもカメを捕まえてしまい、またもやカメスクーターに乗ってしまいました。透明度も今回では一番良くて20メートル位でした。
    30メートル位の穴にいつもいる大きなハタが今回もいて、すうーっと泳いでいきましたが、見たのが私だけなので、幻になってしまいました。エキジット前の棚に上がってからは、水深8メートルの棚の上を小物を探して歩きました。ジョーフィッシュやらサンカクハゼの類い、ウミウシなどを見て小物も充実した一本でした。特にお客さんのYさんがデジカメに撮ったウミウシは私の図鑑では名前を特定する事が出来ず、帰ってからのお楽しみと言う事で、ひょっとするとレア物かな、などと言う期待もありました。

    ダイビングは季節の風や波など天候によって大きく左右されてしまいます。残念ながら今回はかなり厳しい条件の天候が続きました。青い空と青い海、照りつける太陽のイメージがどうしても頭から離れない、南の島のダイビングですが、こんなに条件の悪い事もたまには有るのです。こんなに悪かったのは本当にごく稀ですが。

    治安に関してまだ心配している声も聞きますが、ドゥマゲッティーは、街を歩いたり食事に出たりしても特別危険な目にあう事も無く、いつも変わらない静かな街です。
    今回は往復マニラ経由の行程でしたのでマニラで食事に出ました。マニラは大都市ですから、それなりに危険度は上がります。しかし、仙台より東京の方が事件や事故が多いのといっしょで、特別マニラが危険なわけでは無いと思います。昔の歓楽街エルミタで食事をして、シヨットバーで一杯やって宿に戻る、こんな過ごし方なら危険な目にも遭う事もありません。
    そして、空港のセキュリーティーの厳しさもだんだん緩くなって来ていて、1月の初めには靴を脱いでズボンの裾まで調べていたのですが、今はそれも行っていません。
    治安に関しては、絶対大丈夫などと言う事は無いので、フィリピン、特にドゥマゲッティーは、日本の地方都市と同等位に安全な街だと言えると思います。


    ・・・ではまた。


    では、また。

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