南風のたよりNo62


    南の島の話し・・・小さな話題その番外編・・・検証


       スイカ・・・の検証

     少し前にUPした「南風のたより」にスイカの話を書きました。縞シマの、日本のスイカと同じようなスイカが勢力を伸ばして、真っ黒い、ネイティブスイカは駆逐されつつ有るような事を書きましたが、それは間違いのようです。
    所詮私が書く事ですから、一面を見ただけの早とちりが多いのですが、スイカに関しては相当の自信を持って書いたのです。ちゃんとスイカ屋に話しを聞いて書いたのだから間違い無いと自信を持って書いたものでした。しかし、あれからほぼ一ヶ月、街中にネイティブのスイカが溢れるばかりに出回っているでは有りませんか。私は件のスイカ屋にまた聞きましたよ。彼女曰く、出るシーズンが違うのだと言う事でした。前回の話はどうしたんだよ、と言ったところで聞かれた事さえ覚えてはいないでしょうけれど。
    フィリピンのニュ−スとは、須らくこんなものです。一生懸命取材したところで、その時にした取材ではそれが正しかった、となるようです。
    日本でも流れた、ボホールの小学生が27人死亡した事件では、当初、キャッサバと言う植物に含まれる青酸が原因とされていました。しかし、それはすぐに否定され、農薬混入の無差別殺人説が流されました。ですが、その後、真相はやはりキャッサバであったと再度訂正されました。こうなると何が何やらさっぱり分かりません。
    フィリピンの噂の伝播速度は恐ろしく早いのですが、その内容は、恐ろしく正確さを欠くものであります。

     トイレットペーパー・・・の検証

     ドゥマゲッティーのスーパーでトイレットペーパーを探すのは大変な事である、と言う書き出しでドゥマゲッティーのトイレットペーパー事情を書いた。それは間違いでは無かったが、やはり正確でも無かった。トイレットペーパーは、当たり前だが、「トイレットペーパー」と言う名前で売っていた。
    日本でロールになった紙が4個とか6個でパックになっていれば、トイレットペーパーだと思ってほとんど間違いは無いが、ドゥマゲッティーではやはり違う。水に溶けないロールティシューで有る確率が相当に高い。しかし、トイレットペーパーも目立つところで売っていた。
    そのパッケージには「環境にやさしい再生紙」と日本語で書いてあり、エコマークが着いていた。6個一パックがバラ売り去れていたのでそれほど売れるものでは無いのかも知れない。迂闊にも値段を見落としてしまったのが残念だ。

     なんでも安いか?ドゥマゲッティー・・・の検証

     結果から言えばやっぱり安いのです。日常の、一般的なフィリピン人の生活を支える衣食住は、日本人からすればとても安いものです。
    例えば、カツオを一匹買うと150円位です。切り身にして20切れは取れるでしょう。頭もスープに使いますから、5人家族程度だと4食分賄える計算になります。米も安くて、1Lで40円です。5人家族の一月の食費は6000円前後で十分足ります。しかもこの予算で、フィリピン人の大好きなコーラを毎食時に飲むことも出来るのです。
    住まいは借家の人も多く、家賃はピンからキリまで有りますが、高額な家賃の借家は意外に少ないのです。高額な家賃を支払える人は、買い取ってしまうからではないかと思います。
    安い家賃の家と言うのはそれなりに環境も悪いのですが、ドゥマゲッティーの街の中心部でなければ、家賃1500円程度で雨風が凌げて、日中は部屋に陽が入り、共同のキッチン、トイレと水浴び場と洗濯場が有る家に住む事ができます。しかし、小さい頃から個室をあてがわれ、勉強机どころかテレビまで1人に一台と言う環境で育つ日本人には、かなり辛い生活だと思います。
    これらはボーディングハウスと呼ばれていて、1部屋をベニヤ板で小さく区切って部屋を沢山作った間借です。フィリピン人の感覚では、個室のアパートよりもごちゃごちゃとしたボーディングハウスの方が性に合うようです。
    ボーディングハウスはドゥマゲッティー市内に沢山在って、下は、月の家賃が300ペソから有ります。しかし街中のそれは本当に恐ろしい環境で、窓が無い、間仕切りだけの部屋と言う部屋も有ります。市内中心部で家賃の安い家を選ぶと、ネズミとゴキブリは間違い無く同居になります。
    ちなみにまともな家をレンタルすると、日本風の表現で、2LDK、水シャワー、水洗トイレで一万円以上です。しかし、こんな家を借りるのは外国人ばかりです。

       肉・・・の検証

     何かの折に鶏肉の事を書いています。主にネイティブチキンの事を書いていますが、私は最近、このネイティブチキンに恋って(こって)います。
    これはマーケットでビサヤチキンと呼んで売られています。私が知る限りでは市場でしか手に入りません。大型スーパーの肉売り場にはブロイラーしか置いていません。ブロイラーしか食べていないと別段なんとも無いと思うのですが、一度ビサヤチキンを食べてしまったらブロイラーはいろいろな意味で食べられ無くなります。
    ビサヤチンの値段はブロイラーよりも少し高目です。しかも身体が小さいので同じ一羽を買っても食べられる量は相当少なくなります。ドゥマゲッティーでもビサヤチキンにこだわるのは少数派になってきました。
    ドゥマゲッティーに住む日本人には、ビサヤチキンは固くて食べられないと言う人もいます。しかし、そんなに大袈裟に言う程の物では有りません。私などはこの歯ごたえが味のポイントだと思っています。スープが美味いと言われますが、私の一番好きな食べ方は「アドボ」と言う、鶏肉の煮込みです。
     豚肉も大型のスーパーで買うものと、市場で買うものは味が違います。肉の部分だけを食べていると分かりにくいのですが、脂身を食べるとその甘味が全く違う事が分ります。もっともドゥマゲッティーの人たちも最近は健康指向が強く「タンボック」と呼ばれる脂身は食べなくなっていて、鶏肉程のこだわりは見せません。
     肉の事で一番不思議なのはその販売方法です。豚肉でも鶏肉でも冷蔵庫に保管する事無く、常温の中でさらされています。鶏肉などは足が早いのでとても気になるのですが、一羽丸ごと買うといっしょに入れてくれる内臓の類いの鮮度も問題なく、なんだか日本の管理が無駄に、厳重に見えてしまいます。
    市場に肉を買いに行くと、一日に2回から3回売り切れて、商品が入れ代わっているのが分ります。間ガ悪いと肉屋に肉が無い事が有り、夕方の買い物時間に合わせて一度売り切ってしまうようです。

     自分で書いた事を検証すると言うのもおかしな事だと思うのですが、読み返してみると結構なデタラメを平気で書いているので、たまに訂正の意味で検証などしてみました。  

        ではまた。

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