南風のたよりNo55


    南の島の話し・・・小さな話題その5


       ダイビングの話し・・・またしても ?

     またやってしまいました。私の好きなココナッツをガイドして、またダウンカレントにお客を引っぱり込んでしまいました。何度同じ事を繰り返すのだろうか。今回、いつもより真面目にブリーフィングをしたし、少し流れるかも知れないと思っていたので深度も下げなかった。が、しかし結果は「またやってしまった」になりました。  私はたぶん「へボガイド」なのだと思います。私が案内したい状況と言うのは一般の人は好まない事が段々判明して来ました。深く深く、ディープに反省する次第です。そして、怪しい時間帯には入らないと言う事を肝に銘じました。 ほんとーに、お客様、申し訳有りませんでした。
     それにしてもココナッツの流れと言うのは尋常では無い?のでしょうね?ベテランと言えども翻弄されるココナッツのカレント・・・試してみたい方は是非MDSへ・・・・あれっ、肝に銘じたのはいったい誰?
     冗談はさておき、フィリピンの地図を広げてみると分るのですが、何処もかしこも島と島の間が海峡になっています。この地図から見ても流れるのは当たり前と言えますし、多分、アポ島に限らずどこも結構な流れになっていると思うのです。フィリピン各地のガイドの皆様、ダウンカレントの対処は・・・やっぱり入らない事ですよね。
     この度、リロアンのサービスは時々行くと言うポイントへ出かけて見ました。正式なポイント名は分りませんがMDSでは「砂地」と「河」と名付けました・・・・あっははは・・・・現地の言葉でこれを言うとリロアンのサービスが使っているポイント名になります。
     砂地は2本入って見て、ヒレナガネジリンボウ・カミソリウオ・フウライウオ・珍しいエビ各種・ゴシキエビなどが見られました。このポイントの特徴としては浅場の藻がしっかりしている為、藻を餌にするウニがたくさん居る事でした。広い藻場から始まる食物連鎖が保たれている場所はドゥマゲッティーエリアでも減って来ており貴重な場所かもしれないと感じましたが、何分ちよこっと潜っただけなので何とも言えませんが。  もう一つの「河」の方も喫水域特有の稚魚が見られたり、石の下には珍しいエビがいたりして、これもお宝探しの好ポイントでありました。
    しかし「河」の方は水温の差が激しく、ぬるま湯から冷水へと極端な温度差が有り閉口します。だからこそ多様な生物が繁殖しているのでしょうが、今の時期ここを潜ろうと言う時には絶対5ミリにフードベストが必要でしょう。水温は25度でした。
     このポイントには大きな欠点が有ります。MDSでは年間許可証が取れずに潜る度に市役所に行って許可を得なければなりません。年間の許可証をもらっているリロアンのサービスも有るので、MDSも年間にしてくれと言って市長と掛け合いましたが、ここの町に税金を納めていないドゥマゲッティーのサービスには出せないと言われてしまいました。本当に必要なのは税金では無くて「袖の下」なのは分かっていましたが、まあ、初日でしたし、要領が分れば対処法も考えられると言う事で大人しく、2日間の許可証をもらって引き下がりました。
    この許可証の入手には時間が掛かりました。朝の9時に役所に行って許可証が手に入ったのは午後の4時でした。料金は僅か20ペソ。10倍払うから簡略化してくれと言う心境です。

     BALODOYと言う小さなボート

    ボートの写真

     MDSがやっと自前のボートを持つようになりました。と、言っても小さなバンカーボートで、他のサービスのように荒れた海でも飛沫をあげてグイグイとどこまでも行くと言うようなボートでは有りません。
    身の丈に合ったボートと言う事で、お客さん2〜3人の時にちょうど良い大きさのボートです。
    そもそもMDSでには旅行会社からの送り込等が有る訳では有りませんから団体のお客様は皆無に等しい訳です。常に少人数が、それも途切れ途切れに回っているサービスですから、大型船は買っても維持が難しくなります。
    船名をBALODOYと言います。全長10mと言うと日本のボートなら大型になりますが、幅の狭いアメンボーのようなスタイルのバンカーボートでは10mは小型です。
    しかしこのボート、小さいけれど使い勝手はすこぶる良いのです。お客とガイドはポイントのそばまで陸路で行き、ボートに乗り換えてポイントへと言う方法でダイビングに行くのです。これだと大型船で長時間航行するよりもお客さんは快適なのです。この場合2名の乗り組み員の船長と甲板員は我々が陸路で30分で行く距離を1時間かけて走って来て我々を拾う訳です。強風で荒れていようと何だろうと少し早く来て待たなければならないのは辛い所です。
    ただ今このボートでいける範囲に新規ポイントを鋭意開拓中でありますので、こう御期待です。

     マクドナルド

     マクタンで、お昼御飯を食べるためにマクドナルドに入りました。日本のマクドナルドはアメリカのマクドナルドとメニューに大差は無いと思います。日本独自の特別変わったメニューと言うのが有るのかどうか正直のところ分りませんが、セブのマックにはフィリピンらしさが充満しています。ハンバーガー屋だと思って入ってみるとお客が食べているのはフライドチキンとライスのセットメニューです。ハンバーガー系のメニューは基本的なものが一通り有るだけで力が入っていないのが良く分ります。日本ではお馴染みのお得なセットメニューも、ハンバーガー系は少ししか有りません。
    私はビックマック1個にコーラとポテトが付いたセットを頼みました。99ぺソは決して安くは無い値段です。そして、その味はそっくりマックでありました。大したものです。
     ビックマックを齧っている時にどこからか視線を感じて変な気分でいました。今の私は、顔の色や風体とも日本人と言う匂いは皆無で珍しがられる事も無いと思っていたので不思議でした。
     視線の主はマローと言うフィリピン人でした。マローは5〜6年前に一度、遊びでダイビングのガイドしてもらった事が有っただけの男で、その後一度も会っていませんでしたから私は彼の顔などとっくに忘れていました。彼に声をかけられて「ハロー、クムスター、マサヤ」と言われたのですが、私はすぐに彼を思い出す事はできませんでした。それに引き換えマローの記憶の良い事には驚きます。私の名前と顔が完全に一致しているのですから。
    マローは当時のダイビングショップを止めてコリアン系のダイビングサービスで働いていると言いました。日本人と働きたいから仕事が有ったら呼んでくれと言って名刺を渡して行きました。マローが一言「ずいぶん歳をとったね」と言ったのが気になりましたが、マローも当時まだ少年のようなイメージが強かったものが、随分腹が出てフィリピン風の大人になっていました。私は一言「タンボック ナ オイ」と言ったのを聞いて少し笑って彼は出て行きました。

     チャンネル60

     セブでお客さんを待つ時に早めにホテルに入ってエアコンの効いた部屋でテレビを見てゴロゴロしていることがあります。この時見るチャンネルは様々ですが、スカイケーブルTVが入っている時は特別楽しみです。ファッション専門チャンネルは一日中ファッションショーや舞台裏を流し続けて、これは結構セクシーであったりします。
    変わった所では「海外出稼ぎ情報専門チャンネル」や「チャンネル60」です。出稼ぎ情報は読んで字のごとしで海外の仕事の情報です。そこには海外各地の出稼ぎ先で成功したフィリピン人が登場して彼の地がいかに素晴らしいかを宣伝します。
    「チャンネル60」は生活関連情報テレビとでも言いましょうか、中古のコンピューターを売りたいと言う情報や、マンションの賃貸情報。建て売りの宣伝から土地の売買情報。また高級車のレンタカー情報なども常時流れています。
    これらの情報番組や宣伝番組はCGが多用されているのですがそれの出来があまり良く無く、動きが速かったり、ぎこちなかったりと、つなぎが悪いホームビデオで撮った子供の運動会を見せられてイライラするのににたような気分になります。
     フィリピンのスーパーやデパートで売っている家具の規格は日本よりひとまわり小さいのです。建て売りや売りマンションの家具もこれらの規格品を使っていて、相対的に部屋が広く見えるようになっています。フィリピン人は日本人に比べても小柄なのでこれで良いのかも知れませんが、応接セット等は見栄えの割に座り心地は決して良く無く、安いだけの物である事を実感します。
    チャンネル71はNHKを日本とリアルタイムで放送しています。時々相撲なども見ていますがニュースはやはり日本語に限ります。ストレートに意味が分るので楽です。
    Miss.セブの選考会が放送されていました。Miss.セブは毎度の事ながら西洋系の血を引いた顔だちの女性が選ばれるようです。この国はいつまでたっても影にスペインやメキシコを引きずり続けるのだなあと思うシーンです。
    しかし実質的な経済支配はかつてのスペイン系の大地主から華僑系へと移っているのですが、彼等が表舞台に出て来る事は少なく、目立たず、静かに儲けているようです。
    金儲けの話しでは、貧しい国ほど金は金の元へ集まるようで、日本などは本当に格差の少ない国だなぁと思います。

          ではまた。

    問い合わせ、質問のメールはこちらです ow807360@mars.dti.ne.jp


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