南風のたよりNo51


    南の島の話し・・・小さな話題


     雷と停電

    9月に入ってから、長く続いた台風による悪天候もやっと回復して、南の島らしい日射しと暑さが戻って来た。
    海も透明度を回復して、ダイビングの条件も良くなりつつ有る。この天候が続く事を祈るのみ。
    それでも時々雷雨などがあり、物凄い雨が降る事が有る。
    私は雷で有名な栃木県の鹿沼や宇都宮で過ごした事が有り、夕方にどかんと来る雷には慣れていたが、昨日の雷は凄かった。
    窓ガラスがビリビリと鳴き、コンクリートの家が震えた。
    おまけにこの日は朝から停電で電気も使えなくなった。停電すると放送局の電波も止まる。FMラジオは停電の間中鳴らなかった。

    路上生活者

    セブの中心部、ダウンタウンの路上生活者の数が増えているように思う。
    私がセブで宿泊する辺りは特に増えているように思う。
    理由はいろいろ有ると思うが、この近辺は、レストラン、食堂などが多く残飯が得やすい事。中心部なので歩道に屋根があり雨が凌げる事などが主な理由かと思う。
    ここはマクタンの観光地と違って、生のセブの底辺を見る事になる。こことオスメニアサークルの歩道橋は午後10時過ぎは異様な雰囲気に変わる。

    平日のディスコ

    ドゥマゲッティーを御存知の方なら大抵は行った事の有る有名なディスコ、そう、あそこです。あそこが、ちょっと行かない内に随分変わりまして、昔あれほどうるさく言われた「サンダル・短パン」もOKとなりました。まあ、金曜と土曜はダメとか言っていましたが。
    平日だから空いているだろうとビリヤードを目的に入ったのですが、なんと、大音響のライブバンドの演奏で、しかもそれが結構上手。私らもビリヤードは中止してしばらく、音楽に聞き惚れ、バンド見物となったのであります。
    平日は入場料が無料で、しかもワン・バイ・ワンとか言って、ビール1本の料金でもう1本おまけなのです。
    この低料金が功を奏して、シリマンの学生がどっちゃりと群れておりました。
    テーブルの空きも無いほど混んでおり、私とKさんはドイツ人の旅行者と相席させてもらいました。私らも英語は得意では無いのですが、ドイツのおっさんもあまり得意では無いようで、バンドの演奏に大声で掛ける声援は「オー・イェ−ス」一辺倒でありました。それにしてもその声はでかかった。

    港の漁船

    お客さんを迎えに港へ行ったら、岸壁に2隻の漁船が着いていて魚倉からさかんに魚を揚げていた。
    その作業の途中に魚が地面に落ちる。落ちた魚は作業員が手早く拾って魚箱に戻すが、たまに見逃して拾わない魚が有る。
    すると近くで見ていた見物人がさっとそれを拾って、自分の手に持つたビニール袋に入れる。
    しばらく見ていたがどうしても腑に落ちない。魚が落ちた事に気が着いていても拾う時と拾わない時が有るのだった。私は落ちた魚のいくつかをわざとお目溢ししているとしか思えなかった。拾っている人も他人を押し退けて沢山拾うような人も無く、数匹拾うと場所を譲り入れ代わる。
    漁船の周りにはバジャウのサカヤン(小舟)も集まって来て何か手伝いの仕事は無いかと聞いている。魚の荷揚げを手伝ってビニール袋に一杯の魚を貰って帰るバジャウも居た。

    銀行

    フィリピンナショナルバンク、PNBへ行って新しい口座を作ろうとしたら写真を持って来いと言われた。
    今までBPI・バンクオブ・フィリピンアイランドの口座を使っていたが、日本からの送金がPNBの方が安くて便利と聞いて口座を作りに行ったのだが、でかい銀行らしく手続きがやたらに面倒そうなのですぐに退散した。
    写真を2枚、写真付きIDを2種類、その内一つはフィリピンの住所を証明できるものだそうだ。
    フィリピン人で写真入りのIDを2種類と言うのはけっこう高いハードルである。免許証と学生証、社員証などの有る、ちゃんとした身分の人以外お断りと言う事なのだろう。
    私はフィリピンの免許証とパスポートでOKなのだが、なんだか気分が悪いので止めた。
    ちなみに送金はシティーパンクからで3500円である。シティーバンク残高が100万以上あれば2000円で済む。午前中に送れば翌日には入金になっている。BPIの東京からの送金手数料を聞いたら似たようなものだったので止めたのでした。

    タプラン?

    暇な日。仕事が無い生活に慣れていない私は、熱帯の青い空を見上げて所在なく不安に駆られる。
    この、何もする事が無い生活に簡単に適応できる人間は元来の怠け者か、悟りを開いた人であるに違い無い。
    こののんびりとして、誰が働こうとさぼろうとあまり意に介さないフィリピン人にも「怠け者」という言葉は有る。怠け者をビサヤ語でタプランと言うそうだ。
    このタプランの素質を持つ日本人は少ないようで、夢に見た南の島での優雅なのんびりした生活に、割合短期間で飽きて、日本に帰る人が多い。
    南の島で長く生活して行る人はそれなりに工夫した生活をしている。その工夫で一番良いのは仕事、収入を伴う仕事を作る事であると誰もが考えるようだ。皆がチャレンジするが滅多に成功者は出ない。
    次に暇つぶしに最適なのは料理である。これは朝の買い出しから下準備、調理、食事、後片付けと丸一日を費やす事が出来、それなりの達成感も有るようだ。
    かく言う私も暇つぶしの最終手段は料理である。昨日カツ丼を作って皆に振る舞った。
    それにしても私から見れば十分に怠け者だと思えるフィリピン人にタプランと言われるフィリピン人はどんな暮らしをしているのだろうか?。

    ではまた。

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