南風のたよりNo45


    南の島の話し・・2004年 第10号 遠足・No7 バコロド


      やっとバコロド・・・です

    バコロドに到着して一番最初に感じた事は、街が綺麗。整然としたフィリピンらしく無い街と言う印象でした。
    私は1997年に買った地球の歩き方を参考書にしているので情報が古く、ここバコロドも私の参考書ではセブなどの大都市に通じるものが有ると書かれていました。しかし、郊外から市内へ入る道路の幅はセブシティーなどよりもよっぽど広く、市内に入ってからのメインストリートの広さもバコロドの方が上だと感じました。もっともセブシティーは道路が広くても車の台数も遥かに多いので窮屈に感じるのかも知れません。
    市内に入って車の違いにも驚きました。ドゥマゲッティーでは大衆車のイージーライド(軽トラ)がほとんど走っていないのです。走っている車はRV車が多く、パジェロの新型やホンダのSRVなどが当たり前のように走っていました。
    私は一目で田舎者と分かる、軽トラに乗るお上りさん御一行として他の車から見られている事に気がつき、軽トラに乗っている自分に引け目を感じたほどで、フィリピンで物質的、経済的に引け目を感じたのはこれが初めてでありました。
    ジプニ−も同様に、ドゥマゲッティーで主流のボンネットトラックの改造型は少なく、比較的新しい日本のキャブオーバートラックの改造型がほとんどでした。
    ブィハイヤーではキャラバンやハイエースよりも韓国のKIAのワンボックスが多く、ここでも少しづづ日本製が後退している様子が伺えました。
    イージーライドが少ない事について少し考えてみたのですが、多分理由は貧富の格差ではないかと思いました。
    バイクはドゥマゲッティーと同様に多く、それはホンダとカワサキが目につきました。そしてバイクの磨かれ具合から、そのバイクがどれ程大切にされているのかは容易に分かりました。
    バコロドにはバイクとパジェロの中間を埋める階層が少ないのでは無いかと思います。
    言い換えれば、ドゥマゲッティーのように小金持は少なく、大金持ちか貧乏人の二極化の街なのでは無いかと思います。
    それを裏付ける様子は、一歩裏通りに進めば簡単に見る事が出来、とくに港の方に行って確信する事が出来ました。
    街の写真を撮ろうとしたのですが陽が落ちて薄暗かったので撮れませんでした・・・と、言うよりも、ジョリビーよりもマクドナルドが目立つフィリピンらしく無い街にシャッターを押す気が起きなかったと言うのが本音ですが。


    簡易ビリヤード・名前はプール

    ビリヤードの世界チャンピオンもこれで遊んでいたとか


    バコロドの街に入ってからジェフリーの従兄弟の家へ行くと言うのであちこち探して走り回りました。数年前に一度来た事が有ると言う記憶だけでそこへ行こうとして本当に辿り着いてしまったのには恐れ入りました。
    ダイビングでもジェフリーやロイは水中でコンパスを必要としません。この方向感覚は野生動物のもので人間の感覚ではあり得ないように思いますが、彼らの耳にはピアスが着いているのでそれがコンパスの代りになるのかも知れません・・・うそです。
    ジェフリーの従兄弟の家のそばの空き地で簡易ピりヤードを見つけました。名前はプール、そのまんまです。ルールも同じで遊び方も全く同じです。世界チャンピンが何人も出ている国ですから、ビリヤードはとても盛んです。普通のビリヤード台をふた周り程小さくしたものが遊び用に売られていてバランガイホールやちょっとした空き地の小屋に見られますが、このベニヤ板で作られたプールはそれよりもまだ下のクラスの道具のようです。
    ここはフィリピン博打好きの輩の集まりですから、ゲームでは当然小銭が賭けられていました。

    従兄弟の家で晩飯を御馳走になり、食後の腹ごなしにボーリングをしようと言う事でゴールデンフィールドと言う歓楽街らしき場所に行きました。歓楽街と言っても日本人の想像するそれとは比較にならない規模で、街と言うには小規模すぎるかも知れません。しかしフィリピンではこのスタイルは比較的珍しく、一つの区画の中に、ホテル、レストランが数軒、カラオケ数軒、ゴーゴーバー数軒、ボーリング場、コンビニなどが集積してそれを取り巻くように駐車場が完備されています。
    さて、ボーリングはフィリピンでも人気で、約20レーン程のボーリング場は満員でありました。待ち時間1時間と言われたので待つかと聞いた所、1時間と言われたら2時間は待つのがフィリピン流だと言うので残念でしたが諦めました。
    参考の為に見るだけと、中に入ってびっく仰天。施設が旧いとか、手動式でピンは人が並べると言うのは過去に経験しているので驚きません。ここには日本の30年位前程度の設備は有りましたのでレーン管理は自動です。
    何に驚いたかと言うと、ボールです。ボーリングのボールに指を入れる穴が無いのです。おまけにボールの大きさはヤシの実程度の大きさで小さいのです。私は始め、これは子供用かなと思い他のレーンも全部見渡してみましたが、見事に全員小玉ボーリングをしていました。ちなみに靴は何でも良いようでした・・・スリッパは流石にいませんでしたが。
    ブチョックの説明では、小玉ボールは練習用で、試合では指の入る普通のボールを使うのだそうです。そしてバコロド在住の従兄弟が言うには、街の中心部には電光掲示板にスコアが自動で掲示される最新型が有るそうです・・・最新型はボーリングシューズを履き、ボールもレギュラーのみとのことでありました。
    何故、何ゆえこんなゲームが発達したのかを考えてみました・・・考えてみるのが好きなのですね、私は。考えた事が当っているかどうかはほとんど問題では無いので、この場合考えると言うのは不適当で、想像したと言うべきかも知れませんが、まあ、考えてみたのであります。
    バコロドの庶民がボーリングを楽しめる頻度は相当に低く、まともなボーリングの玉を投げられるようになるまで練習する機会、時間が無いのではないか。ゆえに、普通のボールではガーターに吸い込まれてゲームにならないので、小さなボールを真正面から転がすスタイルで少しでもピンに当りやすくしたのでは無いか、と考えるのであります・・・貴方の考えは如何に? ああっもう一つ、靴がマトモでは無いので滑らす事が出来ずに、普通のスタイルが取れないのも原因の一つかと思いました。

    ボーリングに溢れた我々は落ち着き場所を探してうろうろしたのであります。ビキニバー、映画館、レストラン、カラオケ、いろいろ有りそうですが実際覗いてみると大したものは無く、値段ばかりが一丁前な夜の街と言う感じで、フィリピンの地元の人はせいぜい映画館やボーリングとカラオケを利用する程度のようです。ビキニバーなどに入って行くのは外国人や他所の街から来たフィリピン人のようでした。
    と、言う事で品行方正な我々も他所者なので遠慮無くビキニ−バーに突撃しようとしたのであります・・・ジェフリーの言うバコロド美人に一目遭うために。
    ビキニ−バーと言うのを御存知ない人が多いと思いますので・・・えっ、読んで字のごとしだろうって? そうです。その通りです。ビキニの水着の女性が踊っているバーなのでビキニバーです。ただそれだけの事です。
    入り口に近づくと「maayong pagabot」・・・いらっしゃぁーぃ、と言う感じで声が掛かります。女性はさらに「dayon・・・dayon lang、palihug・・・na」・・・さあさあ、入って下さいよ、ねっ、おねがい、てな感じの甘い声がかかります。 鼻下長男や下心有造は、でれぇーっとなって怪し気な赤やピンクの電球が点滅、明滅する中に吸い込まれて行くわけであります。
    が、しかしであります。んっ? なのであります。私は数少ないボキャブラリーのビサヤ語で「asa ka gikan ? ikaw asa ka?」と言うと「dumagute」と一言。我々一行がビサヤ語で会話しているのを聞いていてそれで彼女もビサヤ語を使ったか?と思ったのですが、なんとその女性はドゥマゲッティーからの出稼ぎだったのです。
    バコロド美人を観察しなくてはならない使命を帯びている我々としては、ドゥマゲッティーから来たと言われては、いかに美人とは言えども不合格なのです。かくなる上はやはり中に入って確かめるしか手は無く、本当は入る気は無かったのでありますが、ちょっとだけ覗いてみなくてはならなくなってしまったのでした。
    そんな訳で仕方なく店内に入ってみたのですが、そこはやはりフィリピン全土何処に行っても大した違いは無く、ただ、他の地域よりも本の少し美しい娘がいる程度でしか有りませんでした。あまり代わり映えのしない娘達の踊りも、別段どうと言う事も無く、ほんの少し他の地域より色っぽい程度の事でしか有りませんでした。そして、店内に沢山いる女性がとなりに座ってレディースドリンクなどと言う高い値段の飲み物をねだるのも代わり映えしない事で、ただちょっと美人なので、悪い気はしないかなぁー、えへへへへってな感じがしないでもないかな、と言う、ムフフフな感じではありました・・・。
    総勢七人で入った店内に客は我々だけでありましたので、女性の売り込みの総攻撃に遭い、このままでは玉砕しかねないと思った私は、心を鬼にして撤退を決定したのであります。この間この店への滞在時間はわずかに●●分、知ったかぶりを書くにしても余りにも短い、そして楽しい時間でありました・・・ああ、残念。
    さて、久しぶりに違う街で羽根を伸ばすジェフリーやBOBO、エリックなどの提案で、今度はカラオケに行こうと言う事になりました。
    カラオケはそれこそ何処もいっしよで、ドゥマゲッティーもバコロドも違いはありません。したがって、書く事も無いのでありますが強いて書けば、貴方が選んだドュエット曲をいっしょに歌ってくれようとする女性が、ほんのちょっぴり美しかったりする訳であります。しかし、タガロク語か英語の歌になりますが。

          バコロドの夜は更けて・・・明日もまだしつこく続きます。

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