南風のたよりNo41


    南の島の話し・・2004年 第6号 遠足・No3 カンラオンシティーへ


     バコロドは遠い・・・そろそろ ガァポイ

    カンラオン山と言うのはネグロス島の名山です。この地に山岳信仰が有るのか無いのか・・・たぶん無いと思いますが、登った話は聞いたことが有りません。私の周りの誰一人として登ったことは有りませんでした。
    この山はけっこう険しくてきちんとしたガイドをつけないと危ない山だと、地球の歩き方に書いてありました。しかし、どこのツアー会社にもカンラオン山登山と言うのは見当たりません。ドゥマゲッティーは小さな街だから仕方が無いとしても、セブの大きなデパートのスポーツ用品売り場でも、登山道具と言うのは見かけた事が無いので、スポーツとしての山登りはほとんどなされていないような気もします。 もっとも、我々一行はダイビングを生業とする海辺の民の遠足ですから、山とは一番縁遠い者の集まりと言うことなのかも知れません。
    ハイウェイを左折して車が登り始めるとエンジンは唸りっぱなしになりました。大人7人を乗せた660CCのスズキキャリーはそれでも粘り強く、結構なスピードで登っていくのであります。
    高度が上がると風が涼しくなるのを肌で感じます。つづら折りの、それでも舗装されているのでなんとか登れる道を行くと、崖のような斜面にへばりつくように建ててある家が見られました。


    山の斜面にへばりつく家

    電気水道無し。発電してもテレビは写りません


     登り続けて行くと道沿いに小さな集落がぽつりぽつりと現れます。それらの集落は水の得やすい場所に出来るのか、近くには必ず水場が有って、洗濯や水汲みをしている風景が見られました。
    私は初め、こんな急坂で子供が水汲みをするのはは大変だろうにと思ったのですが、やがて意外な、しかし当たり前の事に気がつき安心しました。
    水汲みには手作りの木製の台車を利用し、それには20P入りのポリタンクが4つから6つ積まれています。80〜120キロですから相当に重いと思うのですが、空荷の時に登って、帰りは下ればそれほど難儀する事も無いのだと、笑いながら下って来る子供らを見て気がつきました。
    木製の台車は手作りで、車輪には大型車のベアリングが使われています。こんな急坂を下ると言うのに、ブレーキは足で踏む1本の棒と、自分のスリッパの摩擦です。


    台車で下って来る子供達

    これは通学用にも使うそうです


    子供たちの乗っていた台車

    左端に出ている棒がブレーキです

    子供達が下って来た先には水場が有り、そこでは母親と女の子が洗濯と水汲みをしていました。
    この女の子にカメラを向けた時の顔はなんとも言えない素朴な笑顔で、思わず引き込まれてしまいました。
    着いていたレンズがズームの135ミリと中途半端なレンズだったのが残念でしたが。

    母親が洗濯する傍らで遊んでいた

    私がカメラを向けているのに驚いた様子


    水汲み場の少女

    おかあさんはまだ気が着いていません


    水汲み場の少女

    同じ位置にずっと立ったまま撮らせてくれました


          カンラオンパート2へ続きます。

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