南風のたよりNo40


    南の島の話し・・2004年第5号 遠足・No2 バイス〜カンラオン〜サンカルロス


     バコロドへ向かって、一目散・・・?

    何も一目散にバコロドを目ざす必要は全く無いのですが、どう言うわけかドライバーのBOBOは飛ばすのです。
    BOBOはサウジアラビアで、トレイントラックと呼ばれる超ロングトレーラーを運転して1日に1200キロを走っていたり、地元ではサトウキビトラックを運転したり、長距離バスのセレスライナーのドライバーだったりと、筋金入りの運転手なのです。
    そのBOBOがどう言うわけかセレスを止めてうちに居座るようになって、知らず知らずのうちに運転手になってしまったのです。BOBOは一旦ハンドルを握ると、カッと目を見開いて前を睨んで運転します・・・前ばかり睨んで運転するのに慣れていて、自分が最高速の車であった事が常だったので、後ろや脇はほとんど注意しません。結構危険です。
    と、そんなBOBOの運転ですから、車の窓越しにカメラを構えても近くの風景では流れてしまったり、振動で跳ねて振れたりと、撮る方も大変でした。
    時々、おおっと思って停車を要求しても、車は急に停まらないのでありまして、さりとて戻るのも面倒で、結局は撮らず仕舞いと言う場面も多々でした。
    さて、用意した30本のフィルムを全部使えば1000コマ以上になるわけで、それだけ撮れば少しくらいは当りも出るだろうと思って撮っていたのでありますが、後日上がったフィルムを見て、非常にがっかりでありました。理由はやはりブレのようす。断じて腕ではありません・・・念の為に。


    バイスの入り江・福島県の松川浦に似ていました

    ここは岩牡蠣の産地でもあります


    バイスの街でちょっと一服

    軽トラの荷台の1人がビールを持っているのが見えますか?


     寄り道してカンラオン〜ギホルナン

    バイスの街外れを出てしばらく行くと、道はまた海岸線と平行に走るようになります。アップダウンが激しく、ワインディングロードを軽トラは喘ぎながら登って行きます。BOBOは流石に自分がこの路線を走っていただけあって危険箇所を熟知していました。急な登り坂の急カーブの手前で徐行した時に、下り坂を転がるように飛んで来たセレスライナーが車線をはみだして走って来ました。徐行していなければ間違い無く衝突していたと思います。
    バイスの次の大きな街はヒマラルです。この街は特別な物は何も無い、観光客で立ち寄っても本当に見る物も無い街です。なぜこの街が成り立っているのかと言うと、市場が有るからです。
    ヒマラルは海岸沿いの街ですが、すぐ後ろは丘陵地帯が遠くカンラオン山まで続きます。その山にもたくさんの人が住んでいて主にバナナの栽培で生計を立てています。
    山の人たちは日曜日になると馬の背にバナナのカゴをくくり付けて街へ降りて来ます。バナナはドゥマゲッティーや対岸のセブ、遠くバコロドからもバイヤーが来て買い付けて行きます。山の人はバナナを売った収入で市場に行き日用品や食料を買って帰ります。
    山の人が必ず買う物は、米と塩と食用の油と明かり用の油だそうです。
    余談ですが、ドゥマゲッティーでの神事の供物には必ず米と塩と油が供えられます。
    昔ながらの市場の光景が見られるヒマラルはそれだけで価値が有ると思います。しかし、市場は毎週日曜日なのでこの日は写真を撮る事が出来ませんでした。
    ヒマラルの次の大きな街はギホルナンと言います。この街のビーチ沿いにはダイビングサービスの看板が出ていました。しかし営業はしていならしく、ジェフリーが言う話では、3〜4年前に新ポイント開拓でこの一帯を軒並み潜ったが、ダイナマイト漁の痛手が回復していないのでサンゴがまったく無いとのことでした。陸から見る限りでは透明度抜群の海なので残念でした。
    ギホルナンで11時を少し回っていたので昼飯にしました。セレスターミナルの脇に有った地元民専用食堂に入りましたが、この食堂も例外無く安くて美味い食堂でした。7人で腹いっぱい食べて、180ぺソ・・・1人頭約50円です。
    ギホルナンからサンカルロスまでは結構な距離が有るのに目立った街はありません。バランガイ、集落はたくさん有るのですがまとまった街は有りません。
    食事休憩が終わって走り出して、すぐにまた停車の要求です。理由はビールの飲み過ぎです。・・・これもセクハラシーンでしようか?


    停車の訳はこの状況です

    この時点でほとんど飲み終わっています。

    ギホルナンを過ぎるとまたサトウキビ畑が続くようになります。
    進行方向右手は単調なサトウキビ畑の風景が延々と続きます。左手側もサトウキビ畑の連続なのですがその向こう、遠景にカンラオン山が見えて景色に変化が有ります。
    そろそろカンラオン山のふもとに有る風光明美なカンラオンシティーに向かう分かれ道が近づいた所で検問に出会いました。
    PNP・・・フィリピン・ナショナルポリス?・・・定かでは有りませんが確かこんな名前でした。
    写真を撮っても良いかと聞いたら即座に「ダメだっ」と強く言われてしまい仕方が無いのでこっそり2枚だけ撮りました。
    写真が小さいので確認しづらいのですが、彼らの持っているライフルの弾倉が腰のベルトにぐるりとぶら下がっています。私には警察官と言うよりも、軍隊の装備に見えたのですが、BOBO曰く、この辺は山賊の名所で夜のバスが時々襲われるのだそうです。襲われるのは大型のセレスのバスなどでは無く、ヴィハイヤーと言われるマイクロバスだとの事でした。


    まだ若い警察官でした

    時々本気の銃撃戦があるらしい


          まだまだ続きます。

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