南風のたよりNo4


    南の島の話し、あれこれ、その4-クリスマスの話 


    クリスマスシーズンが世界一長いのはフィリピンだそうです。正確にはいつ始まっていつ終わったとは言い難いのでありますが、気の早いところでは、9月の末頃から始まります。デパートなどは10月末頃から飾り付けも店員の衣装もクリスマス一色になります。元来お祭り好きの国民では有りますが、クリスマスは格別好きな様です。
    いつ終わるのか、自然消滅的に終わるため、これも良く分かりません。しかし確実に年明け以後も飾り付けは存在します。音楽もそれなりに流しています。私の勝手な推測では、季節感が乏しいためではないかと思います。
    さて、フィリピンにはトナカイはいません。まあ、日本にもいないのですが、とりあえず日本の冬は雪が有って、そりが滑りそうなのでトナカイでもまあ良いか、となるのですが・・・。フィリピンではそりと言えば山間部で材木の切り出し等で牛が曵くとか、馬が曵くとかがある程度で、雪が無いせいかあまり見られません。
    では、フィリピンのサンタクロースは何に乗って登場するのでしょうか・・・?答えは、イルカです。イルカにまたがって来ます。島が7000以上集まっている島国ですから、飛行機や高速ボートが良いと思うのですが、イルカなら取りあえず廻れそうかなと思います。
    ドゥマゲッティーから北へ50キロほど行くとバイスと言う街があります。そこは特大のクリスマスツリーを飾る事で有名です。11月後半には飾り付けが終わり、大勢の観光客が見にくるようになります。鉄製のツリーに電飾とキラキラのモールの飾り付けは派手ですが、どこか暖かみを感じさせるものでした。12月24日は盛大なイベントが催されます。
    近隣のお金持ちはバイスのリゾートホテルに滞在してお祭りを楽しみます。この時期の予約は仙台七夕なみに取りにくく、行き当たりばったりでは取れません。
    近隣のお金持ちの話しを少しします。ネグロスには本当のお金持ちがいます。本当のお金持ちは飛行機を持っているそうです。さとうきび島と呼ばれているネグロスには、大農園がいくつかあります。特に、ドゥマゲッティーとは反対側のネグロスオキシデンタル州に多いのですが、バイスのそばにも大農園があります。どのくらいの広さなのか見当もつかない程の広さです。農園のまん中を走るハイウエイ(日本の普通の国道)を10キロ走ってもまだ続いていました。こういった農園はたいてい、スペイン系の人たちのものらしく、かなり昔からの地主らしいです。農園の中には、刈り取り後の輸送用に、トロッコの線路が行く筋も引かれています。背の高いさとうきびに囲まれた真直ぐな道路を走っていると、物語の中の出来事のように錯角してしまいます。
    ハイウェイを走っていると「蟹あります」の看板を見る事があります。この地方は平地が続いて川幅も広くなり、喫水域が広いため、マングローブカニ?・マッドクラブがたくさん取れます。私の記憶では、ポナぺで見た時には1パイ2〜3000円したように思いましたが、この辺では5〜6パイをヒモで縛ってつり下げて売っていて、ひと縛り500〜600円でした。大きさは特大です。こちらでは茹でても食べますが、バーベキューの時にいっしょに焼き蟹にして食べてしまう事が多い様です。しかし、フィリピン人は日本人程カニを好きでは無いらしく、それ程好んで食べてはいませんでした。 バイスまでドライブして咽が渇いたので、地元のパン屋兼喫茶店みたいな店で、肉マンのような物とコーラを買いました。コーラはビン代1ぺソを払えばビンごとくれます。しかし地元の人はビンなんか邪魔なので中身だけをビニール袋に移してもらって買います。ビニール袋にコーラやスプライトを入れ、ストローをさして口を輪ゴムで止めて出来上がりです。とても飲みやすいし、合理的だと思いました。ちなみにコーラは中身だけで6ペソ、15円です。
    日本的感覚の意味合いで捉えれば、フィリピンには観光地は少ないのですが、ただ走っているだけですばらしい景色や、楽しいお祭りなどには至る所で出くわします。ガイドブックに頼らなくても、適当に動いていれば、それなりに楽しい旅ができてしまうのでは無いかと、最近思うようになりました。ガイドブックや案内書は所詮、先に行った人の感想ですから・・・。

    私が惚れ込んだネグロスオリエンタル州ドゥマゲッティーは、普通に歩いていたら、南の島の楽園的要素はほとんど有りません。ドゥマゲッティーでそれを求めるならば、リゾートホテルから出ない事ではないかな、なんてね。

    ・・・ではまた。


    では、また。

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