南風のたよりNo39


    南の島の話し・・2004年第4号 遠足・No1 ドゥマゲッティー〜バイス


     バコロドへ向かって、出発

    一度、ネグロス島をひと回りしてみたいと思っていました。
    今回ちょっと時間が空いたので・・・いや、そうです、いつも暇なのですが、季節もお日柄も良くと言う事で、ネグロス島一周1泊2日の旅に出てみました。
    ネグロス島はけっこう大きな島です。フィリピンでは4番目に大きな島で、13328Iの面積が有ります。四国の面積が約18000Iですから、ひと回り小さい感じです。海岸線に沿って一周すると800H以上と言われましたが、私は途中からショートカットしてマビナイと言う景色の良い山間部を抜けて来ました。
    初日の目的地、折り返し地点とでも言うべきバコロドを見てみたいと言うのが一番の目的でありました。
    バコロドはネグロス島最大の都市で、古いガイドブックのデーターですが人口30万人以上で、ドゥマゲッティーの3倍の人口が有る大都市と言う事になっています。それを観ずしてネグロスを語るなかれ、とは誰も言ってはいないのですが、知ったかぶりを基本、旨とする私BONBEEオヤジは観ておかねばならぬと言う使命感に燃えていたのでありました。
    本当は、うちのスタッフのジェフリーが、バコロドは美人の産地と言い張るのを検証したいと言う絶大なる目的が密かに隠されていたのでありましたが・・・。
    我々一行は総勢7名でありまして、大人の男7人が軽トラに、ごろごろと荷物のように積まれて一周およそ700キロを旅するわけでございます。荷台には大きなクーラーボックスにビールが50本、水とコーラの1リットルが10本も積まれ、まさにスタッフの遠足状態でドゥマゲッティーの街を東に向かって出発したのでした。
    荷台では、はしゃぐジェフリーの歌声が楽しく響いたいたのでありました。


    ドゥマゲッティーの街はずれ

    軽トラのウィンドー越しに見たドゥマゲッティー


     セブラン〜サンノゼ

    ドゥマゲッティーを出て一番最初のとなり街は「セブラン」になりますが、ここはほとんど街続きでシティーリミットの看板を見逃せばここいらもドゥマゲッティーだろうと思ってしまう街です。
    ドゥマゲッティーは学園都市と言われ、クリーンなイメージの強い都市なのでお色気産業は禁止されているのであります。具体的に言うとフィリピンでちょっとした都市なら必ず有る「ゴーゴーバー」または「ビキニバー」なるものが無いのです。そのためにその手のお店は、禁止されていないセブランに集中しています。しかも客はドゥマゲッティーから来るのですから市の境目、ドゥマゲッティーに近い程良いわけで、シティーリミット付近に集中しているのです。
    もう一つセブランの特徴は、セブ島への渡し船のキーステーションとなる港、桟橋がある街として栄えています。
     次の目立った街は「サンノゼ」であります。フィリピンと言う国は意外に人口密度が高く、街から街まで人家の無い場所と言うのは皆無と言っても過言では有りません。ウッヒャーと思うような山奥でも、アレマァーと思うような小さな島でも人が住んでいるのであります。厳しい条件には慣れっこで、水が無くても、電気が無くても平気で暮らせる忍耐強い国民性ではないかと思うのであります。ですからセブランからサンノゼへの道もだらだらと、ぽつりぽつりと民家が点在して、どこが境目かいなぁ−と言う感じで、気がつくとサンノゼの街中なのであります。
    サンノゼの街の名物、ランドマークはまったく役に立たない信号機ではないかと思います。誰が何の目的で設置した物やら。たぶん、教育的効果を期待して作ってみたかったのでしよう。と、思うのでありますが、停電の多いこの辺では電気仕掛けの信号を思いつく事自体が無謀ではないかと思うのであります。


    サンノゼの街

    役に立たない信号機

    サンノゼを過ぎてタンハイと言う街が近くなると海岸が見えて来ます。タンハイには入り江が有って、入り江にはマングローブが生い茂っています。マングローブが生い茂る汽水域には、あの美味しいマングローブ蟹がいるのです。タンハイの街の入り口には「蟹有ります」の看板が下がっています。そしてタンハイの街で買う蟹はドゥマゲッティーの市場の半額以下と激安なのであります。味は抜群です。
    タンハイ周辺では用済になったフィッシュポンドが目立ちます。今でも細々続けられている池も有りますが、ほとんどは使用されてい無い様子で、シラサギの餌場になっている池があちこちに見られました。
    聞くところによれば過去に、何処かの国の援助でエビの養殖を始めたのが、この辺の養殖事業の始まりだったとか。
    何が原因かは分かりませんがその後、エビの養殖は採算に合わなくなり廃れていったのだそうです。
    タンハイの街を過ぎ、道路が海から離れるようになると今度はサトウキビ畑が目立って来ます。そうするとハイウエイと呼ばれる道路を大型のトラックやトレーラーが行き来するのに出会うのでありますが、これがけっこう邪魔で危険で臭くて大変な代物なのであります。


    サトウキビ満載トレーラー

    30トン積んで歯を食いしばるように走るトレーラー

    トレーラーやトラックは時々サトウキビをばらまいて走ります。トレーラーやトラックは時々タイヤが外れて立ち往生します。トレーラーやトラックは時々上り坂で息切れして休憩します・・・と言う事でとても危険で邪魔なのでありました。こんなトラックが20キロおき位に有る積み込みターミナルと製糖工場の間を一日中走っています。


    右後輪がとれて往生しているトラック

    年代物のトラックは18トン積むのだそうです

    広々としたサトウキビ畑の中を真直ぐに伸びる道路を走っていると、北海道の雰囲気に似ているなと感じました。立ち並ぶ木は熱帯の椰子の木ですがその感覚はほとんどいっしよです。ずーっと続く椰子の木は畑の境界の役目をしています。境界と言っても畑の所有者はいっしよで、刈り取り時期の違いを区分する為の境界だそうです。


    少し育ち始めたサトウキビ畠

    一年中工場を回せるように刈り取り時期を違えています

    バイスの街には旧い製糖工場があり、その工場の城下町のように街は発達したとのだと思われます。歴史の古さをを物語るように工場の前にはアカシヤの大木の並木が続きます。
    人の集まる街の中心部は市場とバスターミナルによって形成されていますが、銀行や役場といったものは工場に近い所にあります。


    サトウキビ工場

    周辺には甘ったるい匂いが立ち込めています

    私がこの街を訪れたのは3月13日ですから、バレンタインデーはとっくに終わったはずなのですが街の入り口のアーチも、広場の飾り付けもまだバレンタインデーのままでした。このバイスの街はフィリピンで一番大きなクリスマスツリーを飾る事で知られていますが、その他のお祭り的行事でも飾り付けるのが好きなようです。サトウキビの甘さがそのまま街に染み込んでしまってみたいで、バイスはやさしい雰囲気の溢れる不思議な街です。


    バイスの街の中心部にあったゲート          バレンタインデーのお祭り会場の飾り
       
    11月中頃この広場にフィリピンで一番大きなクリスマスツリーも立ちます


          まだまた続きます。

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