南風のたよりNo103


    ドゥマゲッティーから、の便り


     薬局の火事

       ベルタワーの隣、チャンゲへ曲がる角の薬局が火事になった。
    大きな薬局でもなく、目立たないのでここに薬局が在った事はドゥマゲッティーに何度も来ている人でも分らないかも知れない。
    では、もっと分りやすく言うと、ベルタワーのはす向かいのシェルのガスステーションと言えば、ドゥマゲッティーの街を知っている人なら頷くのではないかと思う。
    そう・・・ガソリンスタンドの敷地内で起きた火事なのです。
    とても恐ろしい事だと思うのですが、地元民は至って平気と言う風に、まあ、いろいろ事情が在るんじゃ無いか、と言う感じでさらりと受け止める。
     随分前に、私も贔屓にしていたレストランの「ロサンテ」が火事になった時には、立て替えの準備だといち早く噂が飛んだが、今回は場所が場所だっただけに表立ってその声は聞こえなかった。
    しかし、どうやら、何だかなぁ・・・らしいとは聞こえて来た。
    火事の現場を見ると不思議な程、薬局の建物だけがきれいに燃え落ちて、棟続きのガスステーションの事務所は少し焦げただけに終わっている。
     今、ドゥマゲッティーのガスステーションにはコンビにが併設されるようになり、特にミニマートと言うのが、カーテックスステーションに併設されて伸びている。
    件のシェルのステーションは市内でも老舗で・・・老舗と言う事で古くさく、コンビニの併設は無い。
    そして、市内の一等地で老舗であるだけに敷地は広く無い。
    こうなれば、過当競争で、しかも小さくて目立たないボティカ(薬局)なんかを併設しておくのはもったいない、と考えたのかどうかは定かではない、が、何となくそんな気がする火事でした。

     また、乗り間違えた

     セブのサウスターミナルに行ってリロアン行きのバスを探していた。
    すると、フロントの看板にドゥマゲッティーと言う文字を掲げたバスが停まっていた。

     上記の書き出しは南風の便りNo.101にバスの乗り間違いを書いた時の文章なのだが、またやってしまった。
    前回のミスを踏まえて、自分が調べたバス時刻に則って、7時30分のオスロブ経由に乗るべくターミナルに7時に着くように出かけて行った。
    私がサウスターミナルに入ろうとした時に、バト行きのセレスが一台、サウスロードに出て行った。7時発のエアコンバスだった。
    私はターミナルの中でドゥマゲッティー行きを探して乗りこんだ。7時10分位だったから、ちょうど良い時間だったな、と納得して座っていた。
    バスはなんだかやけに空いていたが、リロアン経由バト行きが出たばかりなのだから然も在りなんと、あまり不思議にも思わなかった。
    さて、出発時刻の7時半になったのだが、運転手が椅子に座る気配がないし、アンパオ売りの出発間際の猛攻撃も始まらない。
    私は前に座っていた若い娘に出発時刻を尋ねてみたが、あっさり、分らないと言われてしまった。
    通路を挟んだ横の前の席に座っていた爺様が、八時だと教えてくれた。
    ふぅーん、調べたばかりなのにもう変更になったんだな、と一人で納得していた。
     白人とフィリピーナのカップルが乗り込んで来て私の横の席に座った。
    英語で何やら揉めていたが、先ほど私に出発時刻を教えてくれた爺様が彼女とビサヤ語で話し始めた。
    その直後、フィリピーナは白人男を蹴飛ばすように急き立ててバスを降りて行った。
    彼女と爺様の会話の中で「ドォーガイ」(遅い)と言う言葉を聞き取っていた私はすぐに事情が呑み込めた。
    間違いなくこのバスはドゥマゲッティー行きの直行便だが、しかし、バリリ経由であるなと確信した・・・そして、諦めた。
    8時発のオスロブ経由に乗り換える選択肢も十分に残されていたのだが、乗りかかったバスの、尻に馴染み始めたシートが何だか心地よくて降りる気にはならなかった。
     8時にサウスターミナルを出たバスは、ドゥマゲッティーのターミナルに12時50分に到着した。
    気になったのでドゥマゲッティーのターミナルで時刻表を確認してみたが、私が調べた時のままで変更はされていなかった。

     ドゥマゲッティーからセブへ

     上記の、セブからドゥマゲッティーへセレスで行く、の続きなのだが、ドゥマゲッティーからセブへの直行便も何だか様子が変である。
    お客さんを迎えにセブに行くのにドゥマゲッティーのターミナルから直行のセレスで行く事にした。
    まかり間違ってバリリ経由で5時間だったとしても間に合うようにと考えて出発は12時までとしてみた。
    それで行くと11時45分のバスが当てはまる。
    11時に昼飯を食い終えて、トーピンにバイクでターミナルまで送ってもらった。
    嫌な予感だけは良く当たるもので、やはりバリリ経由のバスが、少ない乗客を乗せて出発した。
     バスはバトの船着き場まですでに1時間を掛けて辿り着いた。
    バトの船着き場でバスが停車するや車掌が「パニウッドー」と一声大きく叫んだ。
    パニウッドとは、昼ご飯の事で、車掌と運転手はここでランチタイムを取る事に決まっているのだった。
    フィリピン人の昼飯だから大した時間は取らないとは言え、それでも20分は停車していた。
    それからフェリーで50分掛けてタンピに到着して、この時点で何だかんだと2時間半が経過していた。
    ここからセブまで3時間半と見て、到着は6時だ、と読んだ。
    市内の渋滞がひどい時間帯に掛かり、到着は6時10分を過ぎていた。
    ここからマクタン空港までも渋滞が予想され、タクシーを飛ばしても30分は厳しい時間帯だった。
    お客さんの到着時刻は、予定通りなら6時半だ。
    荷物の引き取りや入国審査でもたついてくれる事を祈りながら、やきもきしながら運転手に裏道を指示した。
    ニューマクタンブリッジを渡っている途中で左手前方から着陸態勢に入った飛行機の点滅灯が目に入った。
    うーん・・・間に合ったかも知れない、と少し安心した。
     はいはいっ・・・タリサイの空港への近道の手前でバスを降りてタクシーに乗れば、ゆっくり間に合ったのにと言うご意見は、伺うまでもなく、私もそうであったと反省しております。

      温泉の話

       いゃぁー驚きました・・・ぶったまげ、であります。
    昨年の12月に書いた「No.91-ドゥマゲッティー温泉」の話からほぼ半年後、彼の地は大きく様変わりしてしまったのです。
    山道をうんこらしょっ、よっこらせっと登って行く事は変わりなく、その道は四駆やバイクでないと厳しい道には変わりないのですが、そこからが違います。
    以前、バイクを止めてから約15分程、急傾斜の山道を上り下りしてやっと辿り着いた「地獄谷」風の温泉地帯まで、コンクリートの遊歩道と階段、そして丈夫な手摺が整備されているのです。
    そして、かつての地獄谷では一大温泉地を作るべく大工事が敢行されており、源泉はコンクリートの誘導溝に集められ、私が湯浴みした天然温泉は跡形も無くなっていたのでした。
    と、まあ、大げさに書きましたが、熱湯の湧き出しているこの地に、政府が予算をつけて、保養施設を建設しているのは事実です。
    完成すれば、露天の・・・とは言ってもただのコンクリートのプールにお湯が張られただけの湯船と、ぬるま湯のスイミングプールと、ネイティブ風のコテージが3棟程度の小規模な物とのことですが、それでも温泉施設が建つのです。
    昨年この温泉を訪れた時に、日本なら絶対に見逃されない条件なのだがなぁ・・・と書いた訳ですが、それはフィリピン人でも同じだった訳です。
    完成した暁には入場料を徴収すると言う事でしたが、歩道を整備し、湯船が作られたと言うだけでも、立派にお金を取れると私はおもいますが、果たしてヒィリピン人はこんな山奥の小さなスイミングプールにお金を払うかどうか・・・疑問です。
    この山奥まで、小型のモーターバイクではかなり大変な道のりです。
    楽しみだなぁ・・・完成は九月と言っていましたから、年末頃には大丈夫だと思います。
    ええと、この日はダイビングのお客さんが、強風で海が荒れていてつまらないと言うので、バーベキューとビールを持って露天風呂としゃれてみたのです。
    まあ、作業員が私とお客さんの「握りふんどし」の入浴姿に驚いてはいましたが、温泉にはしっかりと入りましたし、ビールも飲んで酔っぱらい、楽しいひと時で在りました。


      ではまた。


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