南風の写真便り

       

〜MDS サンタモニカビーチの夕日など〜


   サンタモニカビーチー・夕日1

 サンタモニカビーチの夕日は奇麗だ。筆舌に尽くし難い、なぁーんて言う日本チックな言い方がピッタリな、落ちついた景色だ。厳かとさえ言えるかもしれない。
MDSから海に向って真正面がシキホールで、そこから右回りで45度振ったらミンダナオのダピタン辺り。そこからさらに45度で水平線と陸地が交わるギリギリの所にアポ島が見える。夕日はアポ島の上当で最高に色付いて、もう少し西側のパラワンの方に消えて行く。
今時分はシキホールの上の高い位置で夕焼けが始まり、アポ島の隅に来る頃には、サンタモニカビーチは暗くなっている。
天気が良くて、ドゥマゲッティー山(そんな山は本当は無く、タリネスと言う)までが燃えたように赤くなる事もあるのだが、サンタモニカビーチからは滅多に見られない。
ドゥマゲッティー山に沈む夕日なら、海岸通りから眺めた方が綺麗かも知れない。





  虹と・夕日

  サンタモニカビーチで奇麗な夕日が見えたから明日は良い天気だろう、なんて言うのはあまりあてにならないようだ。
日本のように決まって西から崩れて来るのであれば、夕日もそれなりに当てにできるかも知れないが、今の季節のドゥマゲッティーの天気は東側から崩れて来る。
と、言っても、常にそうなのかと言うとそうでも無く、アポ島辺りへ行っていると突然南から強い雨雲がやって来て嵐のようになる事もある。これは夏場の事で、南東から崩れて来る事が多いようだ。
そして、日本が冬の時には北西からだと私は思っているが、南の島の天気は、ドゥマゲッティーの若い娘の気持ち以上に活発で、晴れたり曇ったり、大雨だったり乾き切ってみたりと、未だに私にも良く分らない。
この日、夕日と共に虹が出た。シキホール島の上に積乱雲が発達して雨が振っている様子がサンタモニカビーチから見えていた。雲が夕日に染まって色付いて来た時に奇麗な虹が出た。慌ててショップにカメラを取りに戻っている僅かの間に、虹は大分小さくなってしまっていた。




アポ島と夕日

 アポ島まで、船足の遅いMDS3は一時間と15分かかる。向い風だったりしたら、さらに10分や15分余計に掛る。
ちなみに、サンタモニカビーチで一番早いのはPCR2で、これだと45分で行くのだそうだ。
しかし、MDS3ならアポ島まで13リットルのガソリンで往復出来るが、足の早い大型バンカーだと、最低で、軽油を50リットルは使う事になる。
6月15日現在、ドゥマゲッティーのガソリン価格は、過去最高値の41.5ぺソまで来ている。軽油だって36ぺソ位だから、MDSでは少ないお客さんを乗せて大型バンカーでピューピューと言う事は出来ない。
しかし、MDSと言うのは呑気なダイビング屋で、自分等の船足が最低なくせに、朝の出発は他のサービスより遅い。
先日は、アポ島でのダイビング終了後、本来はビーチで腰を落ち着けてランチタイムとなるのだが、遅い船足をカバーするべく、船を走らせながらランチタイムを取った。お客様も馴れたもので、MDSならこんなものだろう、と受け流して貰えた。
しかし、じっくり話せば深い訳があって、午後から雲行きが怪しくなり東風が強まると読んでの事だった。
東風が吹くと大型バンカーでも浪をかぶってしまい、快適とは言えなくなる。なので、こんな手を使う事もあると言う事です。
写真では、黒い岬の先にヒョウタン島のようなアポ島が見えています。



  こんな夜ばっかりだもの

 お客様はたぶん断り切れないのだ。仕方なく、MDSの宴会に付き合っているのだろうと私は思う。一方、私を除くMDSのスタッフは、日本人はこんな風な宴会が皆好きなのだろうと勘違いしている節があって・・・だから、毎晩こんな風だ。
私は、はっきり言えば、こんな風な夕食は嫌いでは無い。と、言うよりも好きだ。だが、お客様はどうだろうか?。人によっては見ただけでギブアップと言うかも知れない。場合によっては、自然保護の強行派なんかだったら殴られる事だって有りかもしれない。
いや、たぶん、宴会風夕食が性に合わなくても殴られる事は無いと思うが、食べているものが良く無い。
毎度まいど、ガイドなんかそっち除けで晩飯のおかずを確保するべく潜るのだ・・・お客様も当然、似たようなダイブプロフィールで私やスタッフの後を追って来る。スピアガンを構えて、水深○×メートルでお客さんの残圧など確認する事も無くひたすら獲物を追うガイドに、お客様は案内されているのだ。
まあ、しかし、MDSに来てしまった以上は諦めてもらうか、しっかり苦情を述べてもらうしかしないとダメだ。
やんわりと、遠回しに否定などされても、ワタシ以下MDSスタッフは、お客様はこの手のダイビングや夕食が好きなのだが、遠慮なんかしているなぁ、程度にしか思わないのだ・・・フィリピン風味の脳味噌なのだ。



 トロピカルフィッシュは結構美味だ

 この日はトーピンがお客様のガイドで、私が食料係だった。
シキホールのドン・ディスコ・・・最近のお気に入りだったが、潮が動かずに苦戦していた。本来の狙いもののバギス(ナガテングハギモドキ)の群れが見当たらないのだ。
午後の2本目だったか、チャペル前に移動して少し浅く流してみた。ドゥマゲッティーでスイ−トリップスと言うチョウチョウコショウダイの一家に当たって、五匹の一家の三匹を仕留めた。これはティノーラの鍋にするととても美味い。焼くよりも数段美味い。これと、一匹だけ捕れたラプラプとで鍋にした。
本当はお客様にフィリピン刺身のキニラオを食べて欲しかったのだが、この時期はいろいろ訳あって、キニラオは難しいと言われた。いやいや、フィリピン人だけなら何とも無いのだが、魚によってはシガテラなども有るらしく、止めておいた方が無難だと言われて止めた。





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