〜繰り返される敗戦と挑戦〜

 「インディアンズ」として新たなスタートを切った事により、更に活動の場を広げていく事となる。
「市川市市民野球大会」への参加である。正式な大会に参加する事は、初の試みであった。
これまでに蓄えてきた技術や知識の真価を問われる、また試す絶好の機会である。
「井の中の蛙」なのか、それとも野球チームとして通用するのか?
 大会への参加を直前に控えた1993年早春、チームに色々な意味で激震が走る。
高校野球経験者であり、かつ左の大砲として期待されたHIROSHIの加入である。
初めてチームの練習に参加した瞬間、「これはモノが違う」という印象が全員を支配した。
打撃、守備、全てにおいて格の違いを見せつけられ、否が応にも期待は膨らんだ。この時点では。
そして彼がその後チームに多大過ぎる影響を与える事に気付いた者もいなかった。この時点では。
 迎えた大会第一戦、勿論舐めてかかった訳ではない。精一杯のプレーをした事も間違いない。
結果は2安打完封負け。打撃面ではチャンスらしいチャンスも作れず。
守備面でも初参加の為の緊張か、ミスが目立ち、チームとして全く機能しないままの敗戦。
残酷なまでの現実を突き付けられた結果。やはり「井の中」であったのか?不安が脳裏を過る。
その不安を打ち消す為、翌年の再挑戦を決意し、更なる技術の向上を図り続けた年ともなる。
 (補足だが、この時期を前後して、数人のメンバーが脱退している。)
 翌年、再び大会の舞台に戻って来た彼らに、その瞬間がやって来た。待望の初勝利を得る。
参加2年目での初勝利は一見順調にも思えるが、前年の完敗もあり、感慨も一入であった。
この勢いのまま勝ち進もうと意気揚々となるが、やはり現実はそう甘くは無い。
第二戦で敗北を喫し、1994年の大会も夏を迎える前に終わる。敗因は技術不足か?経験不足か?
しかしそれを克服して、結果を残さなければならない。いや、残したい。結果が全てではないとしても。
 そして、翌年の再々挑戦に向けて長い夏が始まった・・・。

04.試練期