前々年・前年と屈辱の敗退を繰り返したチームにとって、
3年目の市民大会は三度目の正直とも言える結果を残さなくてはならないものとなった。
ここでまた同じような敗退を繰り返すような事があれば、チームとしての存在意義が問われる事にもなる。
練習にも一層熱が入り、来るべき時に備えて各々の気持ちも自然と高ぶる。
 大会で勝ち進む事に対して今自分達に必要な事、それは個人能力のレベルアップに加えて、
チーム(組織)としての能力を高める事に意識を強めたのはこの頃からではなかろうか?
具体的にはバントや連係プレイ等、チームの一員としての役割を個人々々が担う事で、
現時点で足りない何かを補おうとしたのである。
 繰り返すようであるが基本的には野球未経験者が圧倒的多数を占める素人軍団であったが為、
これまでは野球というものは団体競技であるという意識が薄れがちになっていた。
が、過去の敗戦を通して皮肉にも現実を見つめ直す機会を得られた事になる。
ここで得たものはその後チームにとって貴重な財産となった。
 そして大会が始まった。前年までの鬱憤を晴らすかのように順調に勝ち続ける。
三回戦まで難なく突破し、四回戦へ駒を進めた。場所は一つの目標でもあった国府台球場。
正直なところここまでの勝ち方を考えれば、この試合の勝利はおろか、
優勝すら射程圏内に置いていたと言っても過言ではなかろう。
しかし好事魔多し。ここでもまた勝利の女神に見放される事となる。
 試合当日は生憎の雨。翌日に延期となったまでは良かったが、メンバーが集まらない。
何とか9人は集めたものの、不戦敗を回避するのがやっとという、
ベストメンバーとはかけ離れた布陣で戦う事を余儀無くされ,結果は惨敗。
当然と言えばそれまでだが、当時の勢いを考えれば今でも悔やまれて仕方が無い。
インディアンズの雌伏の時はまだ終わらない・・・。

〜得たものと結果との狭間で〜

05.飛躍期