今を遡る事約15年、1985年頃、市川市内某小学校に奴らは、いた。
一人は典型的ないじめっ子、一人は何をしても平均的な普通の小学生、
一人はかなり太めな体格の秀才タイプ、そしてこの三人はある一つの共通点で結ばれていた。
「プロ野球への憧れ」。それだけで一見関わりを持ちそうに無い男たちが、運命によって引き合わされた。
この三人がインディアンズ創立よりの中心選手(色々な意味で)となる、TO-RU、SHINGO、KAZUYAである。
奴らは事あるごとにスタジアムに足を運び、憧れの選手のプレイに熱狂し、感動し、畏敬した。
そしてそれらの念をプレイヤーの模倣という形で表し、カラーボール、カラーバットにぶつけ続けた。
俗に言う庭球野球である。
この何の変哲も無い、ありふれた小学生時代が、後に10年以上も続くインディアンズの礎となる。
その後奴らは某市立中学に進学するが、そこでも再び運命をいう不可思議を痛感する事となる。
進学時に編成されたクラス分けで、前述の三人に加え、創立時のメンバーである計六人が結集した。
(TO-RU、SHINGO、KAZUYA、MITSUHARU、MASANORI、MASATO)
元々小学生時代から友人同士であったこの七人が、全員一クラスに揃うという事は、
運命以外の何物でもない。
奴らは当然の様に野球の輪を拡げ、年齢と共にカラーボールを軟式球に、
カラーバットを金属バットに持ち替えるのである。
しかしながらまだこの時点ではチーム結成には至っていない。
未だ「遊び」の域を抜けていなかったのも事実である。
〜インディアンズを創りし男たち〜
01.潜伏期