◆蛍光ペンもエコ配慮に◆


▲インクを詰め替えて使う

 夜食、はちまき、お守り、といえば受験生の必需品。そして筆記具では蛍光ペンもその仲間だ。
 蛍光ペンは約30年前にドイツで開発、間もなく日本でも製造・販売されるようになった。現在、国内で年間約2千5百万本も売られている。
 これらは使い切りの商品であったが、最近、インクの詰め替えができる蛍光ペンが出回ってきた。商品名は「プロパス」。黄、緑、オレンジなど6色そろっている。値段は最初の一本が150円。詰め替え用カートリッジは2本で80円となっている。

 例えば250ページほどの文庫本を全部塗りつぶすには、100円の蛍光ペンが5本程度必要だそうだが、プロパスだと、カートリッジの容量が通常の蛍光ペンよりも少ないものの、5回取り換えるだけですむ。ごみの量も軽減できる。
 このペンの製造会社である三菱鉛筆の営業部、鴨下哲也さん(34)は「エコ商品は従来品と値段や機能が同等でなければユーザーの支持は得られない。その点、プロパスはごみの軽減を掲げる官公庁や企業を中心に需要は伸びている」と話す。

 しかし、都内の大手予備校にある文具売り場ではプロパスそのものは一番売れているものの、カートリッジは予想に反して売れず、店頭からカートリッジは姿を消した。受験生にはプロパスが使い切りの商品となってしまった。
 環境は私たちの暮らしの大切な存在基盤だ。だから、社会をあげた取り組みが不可欠である。入試問題でも、環境を試す問題がもっと出れば、受験生も環境を考えるようになるのだが。

(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2001/11/27(火)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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