歯ブラシの寿命をご存じだろうか。使い方にもよるが、歯医者はおよそ一ヶ月といっている。ブラシの裏から毛先がはみ出したら、ブラッシング効果は落ちるということだ。歯ブラシメーカーによっては、二週間で替えてもらいたいといっている。
最近、安価で便利な使い捨て商品が出回っている。考えてみたら歯ブラシも、使い終えたらプラスチックごみとなる。隠れた使い捨て商品なのだ。
実際、一人一年間に3−4本は使っているのではないか。ごみの量にすると全国で年間約6千トンにも達するという。東京二十三区から出される不燃ごみに換算すれば、4日分にのぼりかねない。かりに歯科医のいうとおりに歯ブラシを交換したら、ごみの量はこの3−4倍にふくれあがる。
こうした中で、ごみの排出量を大幅に減らす歯ブラシが注目されている。ブラシ部分が取り換えのきくカートリッジ式になっている。名前は「テラデント」。ドイ
|
ツで生産、輸入されている。
輸入元のフリセッタジャパン(大阪市)の鈴木宏江取締役は「この歯ブラシを十年間も使い続けている人からは、孫の代まで使えると評価してもらっている。環境面の配慮だけではなく、ブラシや握る部分も工夫している」と語る。
値段は1本260円。ブラシの部分のカートリッジは4個入りで400円だ。歯は健康づくりの源でもある。しかし健康はより良い環境が保たれなければ維持するのは難しい。保健の分野も環境面を意識した取り組みが進むこと、そして消費者の支持を期待したい。 |