◆増える買い物ガイド◆


▲学生が集めたガイドは46冊に

 「やっぱりエコが好き」「この店が環境にいい」。環境に配慮した買い物を指南する、こんなタイトルのついたガイドブックを、全国各地の市民団体などが発行している。法政大学社会学部の舩橋晴俊教授の研究室は2000年から、学生がグリーンコンシューマー(緑の消費者)運動の実態を調査。全国で作製された買い物ガイドなどに関する報告をまとめた。
 報告書では、学生らが全国から集めたガイドブックの内容を「エコショップの紹介」「品揃えを比較・評価したもの」「エコ商品やエコライフ情報を掲載したもの」の三つに分類している。また、環境に配慮した買い物のスタイルを確立するには、「買わされる消費者」から「主体的に選ぶ生活者」に返信することが必要だと指摘。こうした変化を願う人々の思いが、多くの買い物ガイドに結実していると評価する。

 実際、どのガイドブックにも、足を使って地域の情報をきめ細かく収集した努力がにじみ出ている。各商店とのやりとりで信頼関係を築いてきた手ごたえさえうかがえる。
 船橋教授は「循環型社会づくりには『一人の百歩』と『百人の一歩』両面からの取り組みが必要。買い物ガイドブックの作製は、両者をつなげる役割を果たす」と期待する。
 市民の目線で地元の商店を環境面からチェックすれば、売り手の意識変革を促すことができる。ガイドブックを作る過程で、今後の社会にどのような処方箋が必要かも見えてくるだろう。この運動がさらに広がることを願う。

(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/3/26(火)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
▲お役立ち情報バックナンバー
Copyright(C)2001 mypenrai, INC.All Rights Reserved