◆地域ぐるみで環境イベント◆


▲旬の有機野菜を使ったおでんで
 
腹ごしらえができる

 太陽光発電で動くおもちゃのレースや環境にやさしい買物ゲームなど、30を超えるブースが出展する環境イベント「エコフェスタ・ワンダーランド」が今月9日〜10の両日、東京の大田区立矢口小学校で開かれた。区内の非営利組織(NPO)や企業・小学校・区など約40の団体で実行委員会をつくり、手弁当で運営した。
 インターネットで環境情報の引き出す方法を教えたり、書き込んだことをそのまま紙に印刷できる黒板を使ってポスターを作ったりと、各ブースとも遊び体験を通じて環境を学べるよう工夫を凝らした。実際、大人もつい時間を忘れてしまうほど楽しかった。
 来場者には「エコマネー帖」というスタンプ帳を配布。各ブースを回ってスタンプを3個集めれば、校庭の模擬店でおでんやジュース類をサービスした。もちろんジュースの瓶はリターナブル(回収可能)にして、おでんは木のおわんと塗りばしを使い、ごみを出さない配慮に抜かりはない。

 実は、矢口小の児童約50人もスタッフとして参加。ある1年生は「人に喜ばれ、心が気持ちよかった」と自らを振り返り、来年もやりたいと言う。
 このイベントのまとめ役となったNPO、環境学習研究会の副理事長、小野紀之さんは「地元企業は各ブースで使う資材を無償で提供してくれた。エコフェスタをきっかけに地域内の連携が深まれば」と期待する。
 自分の暮らす地域を環境の面から改善したい−−。こんな人々の思いが金では買えない貴重な価値を生み出すことを痛感した。

(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/3/19(火)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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