◆環境に目覚めた子供たち◆


▲家庭の環境リーダーとしてチェック

 かつでダイオキシン問題でゆれた埼玉県所沢市。今では市をあげた対策が効果をあげてその汚名を返上、環境先進都市への転換が急速に進んでいる。
 
その一つに市内小学生の取り組みがある。先月、世界で初めて「キッズEMS初級編」の国際認証を受けたのだ。EMSとは環境マネジメントの略。環境管理の代表的な国際規格としてISO14000があり、国内では7千を超える企業や自治体が認証を取得している。キッズEMSはこの規格をベースにした環境教育支援プログラムで、通称「キッズISO」ともいわれ、東京・渋谷にある特定非営利法人(NPO法人)の「国際芸術技術協力機構」が開発した。

 子供が家庭の電気やガス、水道、ごみについて家族と協力しながら使用量をチェック、節約やリサイクルの目標をたて、2カ月間にわたり実践する。今回は市内の19人の小学生が挑戦し、見事10人が認証基準にパスした。 子供たちは「小さな灯りを消す、ごみを毎日1`c減らすなど少しのことをやり遂げる大切さを感じた」などと環境に目覚めた様子だ。この取り組みに携わった所沢市の環境総務課の山崎裕司副主幹は「子供が家庭の環境リーダーとなり、チェックも持続することがわかってきた。今後全市の子供に広げていきたい」という。実際、市の試算では市民全体で取り組めば、二酸化炭素の排出量換算で年間約9%削減につながるという。
 
大人が残した環境へのツケを少しでも減らそうと子供たちが動き始めた。もちろん、我々も負けられない。

(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/2/26(火)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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