◆レジ袋を考える◆


▲マイバックはどこまで浸透するか

 スーパーマーケットなどでもらうレジ袋。レジ袋をもらった人の8割以上は、家庭のごみ袋など何かに使うという。
 現在、東京都杉並区ではレジ袋一枚につき5円の税金を課すという「レジ袋税」の導入をめぐって熱い議論が展開されている。
 区内で流通するレジ袋は約1億7千万枚。しかしそのほとんどがゴミ袋などに一回使っただけで捨てられえている。年間約1千5百−1千7百dがゴミとなり、処理費用は約1億円にのぼるという。
 杉並区のケースでは税を払うのはレジ袋をもらう消費者だ。販売店は預かった税金を年一回、区に納める。区ではこれにより年間4億円の税収を見込んでおり、環境対策費に充てるという。
 これまで区では100回以上も説明会を開いてきたが、小売店からは客が区の外に流れる、預かった税金を毎日記帳する手間が大変、などといった反対意見が多く出ていて、継続審議になっている。

 杉並区の清水文男課税課長は「この制度は徴税が目的ではなく、ライフスタイルを見直すきっかけ作りが狙いだ。マイバック持参で税を払わない選択もできる」と強調する。レジ袋を断れば、シールが1枚もらえ、このシール25枚を集めると区内の各店で百円相当の買い物ができるエコシール制度の併用も計画している。
 自治体によっては布製の買物袋を全世帯に配布しているところもあるが、その袋を街中でみることはまだあまり多くない。レジ袋への課税は、買い物をするすべての人に資源の大切さを覚醒(かくせい)させるに違いない。杉並区でこれを機にグリーンコンシューマー(環境に配慮する消費者)が増えてくれるとよいのだが。

(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/2/5(火)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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