「私たちはの課は煙たい存在」と話すのは東京・足立区庁舎管理課の山本眞由美係長だ。
人口約64万の足立区では区役所が最大の事業所。本庁舎だけでも約2千人の職員が働き、一日5千人の住民が訪れるなか、山本さんたちの煙たさがこの庁舎の環境対策に一役買っている。
例えば納入物品の段ボールは業者の持ち帰りが原則。新商品のカタログは古いものと交換で受け取る。各課にリサイクル推進員を設置し、両面印刷やミスコピーの裏面使用、ごみの分別などの励行に目を光らせる。
工夫はまだある。消耗品や備品が足りなければ、パソコンの電子掲示板で、他部署の協力を得て使用することもできる。
特筆すべきは職員が分別した古紙22dを原料に、封筒・文書保存箱やノートなどを製作したことだ。これらは「エコあだち」と呼ばれ、約3百万円の経費を削減した。
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省エネ対策としては、庁舎内の温度管理を徹底する。夏場は28℃に保ち、職員には暑ければ薄着での対応をお願いしている。電気のこまめな点・消灯なども呼びかけているが、電源の消し忘れもあり、宿直巡視の日誌をもとに各課を指導することもある。
これらの取り組みで、昨年度は約三千六百万円も経費を削減することができた。
こうした役所の取り組みは区民に歓迎されるだろうし、一般事業所のモデルにもなる。環境配慮を継続するには、システムと煙たい存在集団の一致団結が不可欠であることを教えてくれる。わが家の“煙たい存在”がふと頭に浮かんだ。 |