◆使うたびに発電する水栓◆


▲水栓の下に羽根車がある

 蛇口に手を近づけるとセンサーが感知して水が出る水栓。近ごろでは公共施設などの洗面所でもあたり前となった。
 従来のハンドル水栓と比較すると約6割も水道使用量を削減できる省資源かつ、お役立ち装置だ。しかし電子機器であるため、電源が必要。乾電池や電源ソケットにつなぐ必要があった。
 このたび外部の電源に頼らない自動水栓「アクアオート・エコ」をTOTOが開発した。水流を利用して直系5cmの羽根車を回し、発電する仕組みだ。価格は本体5万5千円−8万8千円(工事費別)。
 この水栓が一日に必要とする電力は、毎分3gの吐水量で1回5秒間の水出しを11回行えばまかなえる。専用のバックアップ用電池も組み込んである。導入にかかる費用は、1日使用頻度が100回以上であれば、水道料金の節約もあって、数ヶ月でもとがとれるという。

 この商品の開発に当たった電子水栓開発グループの本田忠洋さんは「発電する電力は豆電球を点灯させるほどだが、その電力を有効に使うことに工夫を重ねた。自動水栓は一般家庭にはぜいたく品ととられがちだが、省資源性を考慮すれば逆に経済的にもメリットがある」と語る。
 東京都内の平均的な世帯では一日に約五百四十gもの水道が使われている。家庭内には上下水道、雨水とたくさんの水まわりがあるという。この水流を利用しない手はないだろう。
 家庭内に眠るエネルギー源の開拓がこうした取り組みを礎に進められていくことを期待したい。

(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2002/1/8(火)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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