◆レジ袋削減するレシート◆


▲レシートに「レジ袋不要」の印字をする

 年間約三百億枚が使われているというスーパーなどのレジ袋。自分で買い物袋を持参すれば貴重な石油資源の無駄遣いもなくなるというものだが、相変わらずレジ袋をあてにする人が後を絶たないのが現状だ。
 レジ袋の無駄使いを止める有効な手段はないものか――。市民環境団体のエコデザイン市民社会フォーラム(名古屋市中区)が二月の一カ月間、愛知県岡崎市内の自然食品店の協力を得て実施した実験は示唆に富む。

 この実験ではお店が発行するレシートを活用。レジ袋を断った客のレシートには会計欄の下に「レジ袋不要」の印字が打ち出されるようにした。印字がついたレシートには枚数に応じて(六枚、四枚、二枚の三コース)抽せんで空気清浄機などの景品があたる特典を設定。この結果、レジ袋の配布量を約千三百枚(五六%)減らすことに成功した。この数は二酸化炭素(CO2)に換算すると百三十`cに相当するという。このCO2削減効果はインターネットで公表。毎日更新してきた。
 同フォーラムでは六万軒のお店が同様の取り組みを一年間継続すれば、来年二月に地元で開催される「愛・地球博(愛知万博)」の建設工事や期間中のエネルギー消費によって排出されるのと同量のCO2が削減できると試算している。七月からは地元のスーパー三店もこの実験に参加する予定だ。
地球に優しく、自分もお得なエコレシートの普及で、半ば習慣的にもらってしまいがちなレジ袋を減らしたいものだ。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2004/5/29(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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