◆リサイクル革の効用◆


▲裁断で出る端材を5%に抑えた

 バッグや靴などに使われる皮革。牛や豚などの皮をはいだ原皮が原料となるが、均一性に欠けるため平均三割の端材が焼却処分されている。また皮は耐久性などを高めるため薬剤を使って原皮をなめすが、その多くは重金属のクロムが使われている。燃やせば酸化反応を起こし有害物質の六価クロムが発生してしまう問題がある。
 端材を再利用するとともに、なめしにも自然の素材を使い、環境に優しい革製品を開発しインターネットで販売しているのが鞄メーカーのマイブランド(東京・渋谷)。
 トートバッグなどの袋物のほか、レポートパッドなど品ぞろえは十アイテム。価格はトートバッグで七千八百七十五円から。

 原料となる再生材は裁ち落とされた端材を細かく粉砕し、生ゴムを混ぜて圧力を加え薄板状にしたものでイタリアから取り寄せている。なめしにはクリなどの渋から抽出した植物タンニンを使用。強度は通常の原皮に比べ三分の一と劣るが、同社では荷重のかかる部分には糸の縫い代を避け、再生材を重ねて金属ハトメで固定するなど工夫を凝らしている。
 この再生材の最大の利点は皮が一均一で同じ規格で統一されているため、端材を少なくできること。小さな端材もキーホルダーに利用するなど、処分量を全体の五%程度に抑えている。
 同社ではこの再生材と和紙を融合させた製品の研究を続けている。端材の有効利用から廃棄される革製品のリサイクルまで、皮革をとことん使い尽くすエコレザー普及の足がかりとなることを願っている。ホームページアドレスはhttp://www.my-brand.jp/


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2004/4/10(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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