店で弁当や総菜を買って帰るときに世話になる入れ物は、たいていプラスチック製だ。最近は燃やすことができる容器も普及しているが、実はあまり生かされていないようだ。東京二十二区の場合、どんなプラスチックであってもまとめて不燃ごみ扱いで、焼却処理せずに埋め立て地行きとなる。ごく短い賞味期限しかない弁当のため、大量のごみを発生させるのは考えものだ。
紙器メーカーの秀英(大阪府東大阪市)が開発した紙製の弁当箱は、こうしたごみを減らし、リサイクルできるという環境に配慮した容器だ。薄い紙を張り合わせて箱にして、内側には、水分などがしみ込まないよう、ごく薄いプラスチックのシートをかぶせる。
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弁当箱として使い終われば、シー卜を外す。紙の部分はつぶしてそのままリサイクルに出す。シートはごみになってしまうものの、すべてプラスチック製の容器に比べれば極めて少ない量だ。コストは少しばかり割高でも、弁当代にはね返るほどではないという。
この弁当箱の誕生は、早稲田大学の学生が結成した環境サークル「環境ロドリゲス」が、学内で販売される弁当のプラスチック容器問題に目を向けたのがきっかけ。今では早大生協がこの紙容器を採用し一日約六百食を販売、学内で使用するトイレットペーパーに生まれ変わっているという。
ごみを少なくするなら、洗って何度でも使えるしっかりした弁当箱を使うのが理想だが、そうもいかないことは多い。ならば何もしないのではなく、細かい点から自分たちの行動を見直したい。
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