おいしいコーヒーを飲もうと思ったら、ひきたての豆を丁寧に抽出するのが一番だが、紙フィルターを使うのは少々気がひける。微々たるものとはいえパルプの原料となる木材は森林が生み出す貴重な資源で、毎日使い捨てするのはもったいない。布製のフィルターも試してみたが、手入れが面倒でなかなかものにならなかった。
紙のごみを出さずにコーヒーを飲む方法を探して出会ったのが、陶器メーカーのアサヒ陶研(長崎県波佐見町)が開発した陶器製のコーヒーメーカーだ。今月中旬から販売を開始する。
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ドリッパーの内側に細い溝を刻み、外側に同様の溝を刻んだフィルターを組み合わせたもの。コーヒー豆の粉をフィルターの内部に入れて湯を注ぐと、フィルターの穴から流れ出る。コーヒー粉と湯は組み合わされた細かい溝のすき間を通過するとき、粉だけがせき止められ、ドリッパーにはコーヒーが落ちていく仕組みだ。
ドリッパーとフィルターのすき間を調節するだけで、コーヒーの濃度を自由に調節できる。コーヒーだけではなくお茶などにも利用可能なのもありがたい。価格は一時四千八百円だが、消耗品である紙フィルターなしで半永久的に使えることを考えると、決して繭伸買い物ではないはずだ。
もっとも、コーヒーを出した後の粉の始末はきちんとお願いしたい。水洗いと同時にそのまま流してしまうようなことがあれば、輩っかく環境に配慮したフィルターを使っている意義が薄れてしまう。地球を守る満足感とともに、おいしいコーヒーを堪能したい。
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