◆すごろくでエコ学ぶ◆


▲家族でも白熱したゲーム展開に

  文具や家電製品、住宅に至るまで様々な分野で環境に配慮した商品が相次ぎ登場している。こうしたエコグッズを選ぼうという機運がもっと高まれば、深刻さを増す環境問題を解決する糸口が見いだせるかもしれない。買う側の意識や選択眼が問われている。
 子どものころから環境に配慮したライフスタイルへの理解を深めてもらいたい――。仙台市が学校向けに作成した「グリーン購入す一ごろく」は、ゲームを楽しみながらエコグッズの意義を体得できるユニークな教材だ。
 基本ルールはすごろくそのもので、最初にゴールしたら勝ち。途中に様々な生活の場面を想定した「関門」が三十四あり、そこで止まればサイコロを振って、出た目に応じて「五つ戻る」「二つ進む」などの指示に従う。

 この指示の内容がポイントで、環境に配慮した行動をとるかどうかが問われる。例えば「家の電球が切れてしまったしという場面では、「省電力タイプに買い替えた」で前進、「安さにつられて消費電力のことを考えず選んだ」で後退を命じられる。いずれの行動をとるかはサイコロの目次第で、奇数ならエコライフ合格、偶数ならペナルティーだ。
 自分の意思と無関係に、偶数が続けば、どんどん地球にダメージを与える行動をとらされ、ゴールが遠のいていく。そんな苦しみを味わえば、現実の世界では率先して環境に配慮した生活をしてみようという気にもなるだろう。すごろくとは違い、私たちの暮らしはもう一回最初から始めるというわけにはいかないのだから。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2003/11/29(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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