◆森を守る木材マーク◆


▲管理された木材の加工製品が並ぶ

 住宅建材から日用品まで、身の回りでは無数の木材が使われている。金属や化学製品より親しみやすく、ぬくもりも感じる優れた素材だが、乱伐による森林の消失をはじめ自然環境への影響と無縁ではない。様々な生物の生命を根底から支える貴重な森林を守るため、木材を使う立場からできることはないだろうか。
 商品選びで森林破壊に歯止めをかけるきっかけになりそうなのが、三越の日本橋本店(東京・中央)が取り扱う認証マーク入りの木製生活用品の数々。同店では専門のコーナーを設け、「きちんと管理された木でできた環境配慮商品」としてPRしている。取り扱う商品はまな板やスプーンなど十数種類に及ぶ。

 世界各国の環境団体などでつくる森林管理協議会(FSC、本部ドイツ)が定めた基準に従い、木材が不法に伐採されたものではないか、流通過程で乱伐された木材が混じる可能性はないかなどをチェックする。立ち入り調査などで問題がないと確認された木材でつくった商品にのみ、認証マークを付けることが許される仕組みだ。
 この基準が実に細かい。例えば、ヒノキの植林地であっても、カシなど広葉樹も育成させ、野生動物が生息しやすい環境を整えなければならない。林道の状況などもチェック対象になり、つけ焼き刃ではなく森林を保護して育てる取り組みが求められる。
 同じ木材でも、森林をきちんと.保護しつつ資源化されたものは、使う者をより温かい気持ちにしてくれそう。小さなマークに注目するメリットは案外大きそうだ。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2003/11/8(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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